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京都でハイキング!歩いて実感!静寂感じる空海ゆかりの国宝級遺跡

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    三尾で例えられる寺を目指してバスはどんどん上昇していきます。顔を上げれば目に飛び込んできたのは頭を残した一本杉たちでした。 5分に一本バスが来るような中心街から離れて30分も経っていません。近くて遠い、もう一つの京都がここにはありました。

     

     

    高雄は国宝がいっぱい!神護寺は山の中!空海が入山した400段先へ

    階段の上に木造の門を構える神護寺

     

    川の湿気と森の澄んだ空気に心身を癒やされつつ、400段の階段を登ると見えてきたのは荘厳な作りの木造門。平安京の造営最高責任者が国の安泰を祈願して建てたのが神護寺の始まりです。唐から帰朝した空海が入山し、平安仏教の中核を担うようになりました。水や鳥の音を感じつつ一段一段登りたどり着いた神護寺からふと後ろを振り返ったとき、素晴らしい景色が待っていることでしょう。

     

    大師堂の木造の赤門が開かれている

     

    空海が使用していたとされる納涼房。その納涼房は現在大師堂と呼ばれ、中にはどっしりと構えた薬師如来像が安置されています。また復興する際に関わりのあった源頼朝の模写が展示されています。肖像画は実寸大だと思われ、表情や目の大きさなど特徴的な部分を発見すると実在の人物であったのだと実感しました。

     

     

    高雄で厄払い!山に向かい投げ落とす!かわらけ投げでさようなら

    厄除けの小皿と山と看板

     

    神護寺の境内には谷があります。下を向くと水が流れていく様子がうかがえ、同じ高さで山の頭がある風景は絶景です。ここから「かわらけ投げ」を行うことができます。かわらけ投げとは素焼きした土器などを山に投げ落とし、厄を落とそうとするものです。2枚1組でかわらけを購入し、所定の位置から投げ捨てます。山から落としたかわらけは自然に土にかえるので環境に配慮されています。願掛けに近いものですが、広大な山に出し切ることで気分がスッキリするのではないでしょうか?

     

    高雄は海外も注目?!西明寺の鐘で静寂が沁みわたるは日本文化の象徴

    暗い部屋から自然が見える

     

    西明寺は建物が3棟ほどで15分もあればまわれてしまう、神護寺に比べるととてもコンパクトな造りになっています。空海の弟子により神護寺の別院として建てられたお寺です。本堂には東大寺の金剛力士像を掘ったことで有名な仏師運慶が作成したとされる釈迦如来像が安置されています。

     

    西明寺は海外から写真の撮影スポットとして、その静けさから「日本」を感じることができる場所として取材を受けたことがあるそうです。海外から見た日本、それが西明寺にはあるのかもしれません。

     

    庭の中で寺の鐘

     

    お寺の鐘を鳴らしたことはありますか?お寺にあるのはよく見かけますが、通常触れることができません。しかしここ西明寺では参拝者が自由に鐘を鳴らすことができます。鐘の音は最初に低く大きな音がし、その音が消えていくまでの時間は西明寺の静寂さを物語ります。

     

     

    「とがの茶屋」で川床体験!「かわどこ」呼びは高雄、貴船周辺だけ

    とがの茶屋で川床とお座敷

     

    昔は夏の風物詩であった川床。現在では一年中運営されていることが多いです。野外で川がよく見える位置に座敷をつくり、より川の涼しさを身近に感じられる造りになっています。とがの茶屋では温かいお茶がいただけ、体の芯からほっこりとできました。わらび餅と黒蜜くずもちをいただきましたが飾り笹が愛らしく、優しい甘さをゆっくりと味わうことができました。

     

    鉢植えがかわいいとがの茶屋の入口

     

    入口のところから小さな鉢植えや赤い野点傘がおかれており、川床の風景以外にも思わず写真を撮りたくなる場所がたくさんあります。休憩の際にはおしゃれなとがの茶屋で足を休めてみてはいかがでしょうか?

     

     

     

     

    いかがでしたでしょうか?高雄の始まりは弘法大師空海が高雄に入山したことで貴族の中心宗教になり、現在では残されてきた多くが国宝、重要文化財に登録されています。神護寺、西明寺、高山寺は3カ所合わせて三尾にまとめられていますがそれぞれの様式は時代が反映された異る様相を見せています。山の中では風の、森の中では水の、林の中では鐘の、それぞれの静けさを体感してはいかがでしょうか?