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歴史好き必見!天狗が愛したパワースポット鞍馬・貴船を満喫しよう!

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    出町柳駅から叡山電車でまだ青々としているもみじのトンネルを抜け「鞍馬」へ。電車のドアが開くと、鮮やかな緑がまぶしく、思わず感嘆の声がもれました。ホームに降りると、山特有の少し冷たい風と涼やかな風鈴の音が出迎えてくれます。

     

    叡山電車鞍馬駅

     

    鞍馬といえば、牛若丸が修行した場所としても有名な”鞍馬寺”を思い出すひとが多いでしょう。鞍馬寺は『鞍馬蓋寺縁起(あんばがいじえんぎ)』によると、770年に鑑真の高弟・鑑偵が毘沙門天を本尊として安置したのが始まりといわれています。

    また、『日本後紀』に藤原伊勢人(ふじわらのいせんど)の夢に貴船神社の神が現れ鞍馬寺を建立するよう伝えたと記されていることから、古くから貴船神社とも縁のあることがうかがえます。そんな鞍馬寺と貴船神社は現在もハイキングコースで繋がっており、大自然と由緒ある歴史を感じられるおすすめスポットです。そこで今回は歴史を感じさせる鞍馬から貴船への道をご紹介します。

     

     

     

    鞍馬グルメは「神山」「多門堂」のよもぎ香る絶品メニューで決まり!

    鞍馬本町の昔ながらの町並み

     

    鞍馬駅を出ると、鞍馬寺の門前町として栄えた昔ながらの町並みが広がり、名物木の芽煮の醤油の香りが懐かしさを感じさせます。鞍馬寺の本殿金堂までの道のりはかなり体力を使うので、先に腹ごしらえをしてもいいですね。

     

    「神山」よもぎ麺

     

    ランチは”(しんざん)”でいただきました。鞍馬駅の目の前にあり、店の前ではたぬきの置物が出迎えてくれます。丼やうどん、そばのメニューもありますが、おすすめは”よもぎ麺”です。もちもちとした歯ごたえのある麺を噛むと、よもぎの爽やかな味が口の中に広がります。

     

    「多門堂」蓬だんご

     

    食後のデザートには”多門堂(たもんどう)”がおすすめです。「牛若餅」が有名らしいのですが、今回は蓬だんごをいただきました。おもちがとても柔らかく、ふわふわの食感が美味でした。食べ歩きもできますよ。

     

     

    京都屈指のパワースポット-悠久の歴史を持つ、義経ゆかりの鞍馬寺へ

    浄域への結界、鞍馬寺仁王門

     

    鞍馬駅から徒歩約5分、朱色の灯篭が並ぶ階段を上ると鞍馬寺の仁王門が現れます。この門は俗界から浄域への結界とされています。ここが天狗や義経の伝説などが語り継がれる神秘的な鞍馬寺の入り口です。

     

    鞍馬寺本殿金堂につづく朱色の灯篭の道のり

     

    鞍馬寺の本殿金堂までの道のりは約30分、九十九折参道(つづらおりさんどう)を進みます。枕草子のなかで清少納言が「近くて遠きもの」と評したこの道は、昼でも暗い杉木立が続き、大自然のパワーと凛と澄んだ空気を感じられる鞍馬寺の表参道です。途中には、「鞍馬の火祭り」が行われる由岐神社(ゆきじんじゃ)などがあります。
    :ケーブルカーの駅、普明殿

     

    鞍馬寺の本殿金堂までの道のりは上りの階段と急勾配の坂道がつづきます。体力に自信のない方は、仁王門をくぐって5分ほどのところにあるケーブルカーを利用するのがおすすめです。ケーブル駅となっている普明殿(ふみょうでん)には毘沙門天像が奉安されています。

     

     

     

     

    神々や魔王が降臨-鞍馬寺最強のパワースポット、鞍馬寺本殿金堂

    宇宙エネルギー吹きだすパワースポット、鞍馬寺本殿金堂

     

    本殿金堂は鞍馬寺の中心となる道場で、1971年に再建されました。以前は天台宗に所属していましたが、1949年に鞍馬弘教という新しい宗派を開き、総本山となっています。

    尊天は、毘沙門天(びしゃもんてん)王、千手観世音菩薩(せんじゅかんでおんぼさつ)、護法魔王尊(ごほうまおうぞん)、それぞれ「太陽・月・地球」「光・愛・力」を象徴しています。本殿金堂の真正面にある”六芒星(ろくぼうせい)”は鞍馬で最も強力なパワースポットです。中心の三角形の石が埋め込まれている場所は宇宙と大地を結ぶ強力なパワーが吹きだしているそうです。静かに手を合わせて宇宙のエネルギーを感じましょう。

     

    鞍馬寺本殿金堂の阿吽の虎

     

    狛犬ならぬ阿吽の虎、これは毘沙門天のお使いである神獣です。阿吽の読みが「あ」で始まり「ん」で終わることから、宇宙のすべてを包含するともいわれています。

     

    鞍馬寺本殿金堂からの景色

     

    本殿本堂からは周りの山々を見渡すことができます。

     

     

     

    自然と歴史の両方を楽しめる、貴船までのハイキングコースに挑戦!

     

    木の根道

     

    鞍馬寺本殿金堂を左へ進むと、貴船神社につづく奥の院参道の入り口があります。貴船神社まで本殿金堂から約1時間ほどの道のりですが、途中には舗装されていない山道もあるので歩きやすいスニーカーが必須です。

    鞍馬山の頂上付近にあるのが「木の根道」です。牛若丸が兵法の稽古をした場所といわれており、杉の根が黒い血管のようにうねり、地表を這っている様子はとても神秘的です。ここから貴船方面へは下りの階段になります。

     

    ハイキングコースで出会った鹿

     

    だんだん道が険しくなり、下り階段をひやひやしながら下っていると、山の斜面に鹿を発見しました。手を伸ばせば触れられそうなくらい近くでしたが、鹿は全く動じることなく、美味しそうに草を食べていました。

     

     

     

    魔王殿を越えて貴船へ、神秘的な自然と魅力あふれるラストスパート

    魔王殿を超えると貴船までは約15分、さらに急な下り坂が待っています。ぜひ周りの景色にも目を向けてください。階段の間にうねる太い木の根や、歴史を感じさせる立派な大木、木々の間からこぼれる柔らかな光などを感じるとリラックスできますよ。

    まるで美しい自然のアートな老木

     

    今にも朽ちてしまいそうな老木に周りの木が大蛇のように巻き付いている様子は自然のアート、とても美しいと感じました。貴船神社に近づくにつれ、山道はどんどん険しくなります。本格的なハイキングコースでしたが、そんな時に支えになったのがすれ違う人とのコミュニケーションでした。挨拶を交わしたり、情報交換をしたり、励まし合ったり、大自然は人の温かさも教えてくれました。

     

    大木の門

     

    階段の両脇に大木が門のように立っているこの道までくると貴船はあと少し、川のせせらぎも聞こえてきます。

     

     

    和泉式部も拠り所にした-水と縁結びの神様、貴船神社の水占い

    貴船神社鳥居

     

    貴船神社は水神である高龗神(たかおかみのかみ)を祀り、古くから水の神様として信仰を集めています。また、縁結びの神としての信仰もあり、カップルに人気の神社です。しかし、その一方で丑の刻参りとしても有名です。

     

     

    貴船神社の水占い

     

    貴船神社に来たらぜひ「水占」をやってみましょう。貴船神社のおみくじは一風変わっており、購入したときは何も書かれていませんが、境内の御神水と呼ばれる小さな池に浮かべると文字が浮き上がります。

    森林の落ち着いた雰囲気の中で、鞍馬の魅力を再発見されてみてはいかがですか?