国際的な北野の象徴!歴史あるイスラムの礼拝堂 神戸ムスリムモスク
異人館街が広がり、多くの外国人が住んでいた兵庫県神戸市の北野町。異国の文化や伝統に触れることのできるこのまちの中でも、独特な雰囲気を作り出す神戸北野ムスリムモスク。日本最古のモスクとして1936年にインドから渡来するインド人イスラム教徒のために作られたモスクは今でも多くの人が訪れます。
さっそく旅に出かけましょう!
神戸との関係を知る前に知りたい!イスラムと日本の歴史
7世紀にアラビア半島から広まったイスラム教は、東へ伝わり、イラク、イラン、アフガニスタン、インド亜大陸、アフリカ、マレーシア、中国、フィリピンにまで達しました。キリスト教は解禁される以前の江戸時代から日本に入り、明治になるとすぐに認められ、広まりました。しかし、イスラム教は長い間日本では認めらず、正式に認められたのは、1939年に「宗教団体法案」が日本帝国議会で議決された後のことでした。
日本人で初めてイスラム教徒になった人物は、1889年当時記者であった野田乙太郎です。その後、メッカ巡礼をした初めての日本人やイスラムを学ぶ日本人留学生の登場など、日本とイスラム教の関係は深まっていきます。
1931年に名古屋に初めて、イスラム教の礼拝を行うための施設であるモスクが建てられました。残念なことに名古屋モスクは第二次世界大戦時に焼失してしまいます。1934年11月に神戸モスクの礎石が置かれ、1936年神戸ムスリムモスクが建てられ、今日に続きます。
日本最古の神戸ムスリムモスク!美しいモスク内を見学
北野異人館街の中心に走る山本通りから一本南へ下った通りが、パールストリートと呼ばれる通りです。そのパールストリート沿いに神戸ムスリムモスクはあります。
神戸ムスリムモスクの創設者はインド人の商人。南インドに多く居住するイスラム教徒のインド人は、貿易商を営まれる人が多くいました。日本へ、インドキャラコ(木綿布)などを輸出すべく神戸港には数多くのイスラム系インド人が訪れていました。
そのため、インド人の商人が神戸の北野町の一角に神戸ムスリムモスクを建てたのです。
さっそく、モスクの中を見学してみましょう。モスクへは基本的に誰でも入れます。
こちらの神戸ムスリムモスクは1935年に開かれた日本で最古のモスクです。
イスラム教徒の方のためにイスラム語で書かれているため、方向を示す表示の言葉が多言語でした。
受付にいる方に見学したいと声をかけると、快く応じてくださいました。観光客など、イスラム教徒でない方でも見学ができるモスクは大変珍しいそうです。
館内は写真撮影が原則禁止のため撮ることはできませんが、美しい館内の様子や、独特の空気感を肌で感じることができます。
礼拝以外の時間は許可を取れば撮影ができることもあるそうなので、声をかけてみるといいかもしれませんね!
見学の際、露出の多い服装や華美な服装では入館できません。
神戸ムスリムモスクでイスラムの祈りに触れる
モスクを散策していると、お祈りの時間になりました。モスクで大勢の人々がひざまづきアッラーにお祈りする姿は、とても神秘的でした。
よくテレビや写真ではその様子を見ることはありますが、こうして実際に見ると、思わず見とれてしまいます。
暗黙のルールにより、モスクは基本的に女子禁制だそうです。神戸モスクでお祈りするスペースは1階に用意されており、1日に5回行われるお祈りの時間は女性が立ち入ることはできません。ただ、お祈りの数分間を除いては1階部分に女性も立ち入ることができますのでご安心くださいね!
ちなみに女性のイスラム教徒がお祈りする場所もモスクの2階に用意されています。こちらは男子禁制となっています。
お祈りの時間は、朝から5時、12時30分、16時30分、日没時、20時の5回となります。
ムスリムモスクの隣にはイスラム教徒であるかを問わず、イスラムに関する基礎知識を教えてくれるイスラム文化センターという施設もあります。
さらに、モスクの向かいにはハラール食品も扱う輸入食品のお店もありました。
モスクの美しさに心動かされ、イスラム教の文化にも触れることのできる、貴重な体験をぜひ北野の神戸ムスリムモスクでしてはいかがでしょうか。
いかがでしたか。国際色豊かな北野にて、イスラムの文化と歴史旅神戸ムスリムモスクをご紹介しました。北野で思い浮かぶ国際的なものといえば異人館という方も多いと思いますが、今回ご紹介した神戸ムスリムモスクも国際的な穴場スポットです。
異人館だけでない、北野の魅力を体験する旅に出かけましょう!