温泉だけじゃない!人気観光地 神奈川県箱根の知られざる歴史
情緒あふれる街、箱根。
歩いているだけでのんびりとした気持ちにさせてくれます。
ロマンスカーで都心からも気軽に来ることができ、多くの観光客に人気を集めています。
春には桜、夏にはアジサイ、秋には紅葉、冬には雪景色。
箱根には、四季折々の景色が一面に広がるのを楽しめる場所がたくさんあります。
日常とは離れた箱根で、箱根に眠る歴史に耳をかたむけながら、心もからだもリフレッシュさせてみませんか?
今回は箱根湯本からも近い、宮ノ下と仙石原についてご紹介します。
温泉につかるその前に、少し足をのばしてみてくださいね。
この記事の目次
何度も運転手が入れ替わる?100年続く名物電車!「箱根登山電車」
箱根といったら何の乗り物が思い浮かぶでしょうか。
ロマンスカー?ロープウェイ?遊覧船?いろいろな乗り物がありますよね。
今回ご紹介するもう一つの魅力的な乗り物が「箱根登山電車」です。
その名の通り、箱根の山道を登っていく電車なのですが、この箱根登山電車から見える景色は季節によってもさまざま。
窓からのぞくアジサイやトンネルを抜けた先に広がる紅葉、山から見下ろす雪景色。
中でも見逃せないのが「スイッチバック」です。
スイッチバックとは、急な坂道を一気には登り切れないので、山を折り返し進むようにして運転するために敷かれた路線のことです。
そのために、前後の運転手が何度も入れ替わるのを見られるのはとても楽しいですよ。
この箱根登山電車にはおよそ100年の歴史があります。
しかし、運行が始まるまでには多くの苦労がありました。
高い山では足場を組むだけでも相当の労力が必要で、建設時は大戦中ということもあり、材料を集めることも簡単にはいかなかったそうです。
そんな障害も乗り越え、第一次世界大戦が幕を閉じた1919年から無事に運行が始まりました。
実は、箱根登山電車ができるまでは、箱根内を移動するだけでもお金がかかり、箱根は比較的裕福な人向けの観光地だったそうです。
この箱根登山電車が安い料金で走り始めたおかげで、誰もが楽しめる観光地になったのです。
所在地 : 宮ノ下駅 250-0404 神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下
公式HP : 箱根登山電車
箱根ならでは足湯カフェ!宮ノ下の「ナラヤカフェ」で極上タイム
箱根登山電車にゆられて「宮ノ下駅」へ。
駅から出てすぐの坂道をおりる途中にあるのがこちらの「NARAYA CAFE(ナラヤカフェ)」です。
富士屋ホテルと並ぶ老舗旅館で、江戸時代から300年続いた「奈良屋旅館」の名を引き継いでオープン。
お店の中には明治10年ころから現代に至るまでの旅館の写真や、当時の温泉の看板を見ることもできます。
なんとこちらのカフェ、足湯をしながらスイーツを楽しめてしまうのです。
お抹茶やひょうたんの形をしたかわいい最中、パフェなどのスイーツを頂きながら、目の前に広がる山々の景色を楽しむことができます。
少し熱めの足湯がからだ全体をぽかぽかに温めてくれます。
涼しい外の風に当たりながら、あたたかい足湯で体の疲れを癒してみては。
所在地 : 神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下 404-13
公式HP : NARAYA CAFE ナラヤカフェ
心も体もリフレッシュ!箱根の隠れた魅力 「チェンバレンの散歩道」
バジル・ホール・チェンバレンという方をご存知でしょうか。
宮ノ下の富士屋ホテルにはチャップリンが滞在していたことで有名ですが、こちらのチェンバレンもイギリスから来日して明治時代に富士屋ホテルに滞在した一人です。
日本や日本語の研究をしていたチェンバレンですが、滞在の間に散歩するのに使っていた道があります。
それが「チェンバレンの散歩道」です。
一歩足を踏み入れると空気は一変、涼しい風と草木が自然を肌で感じることができます。
階段や急な坂道があるので歩きやすい靴が良いでしょう。チェンバレンは当時どんな気持ちでこの道を通っていたのだろう。
そんなことを考えていると「夢窓国師閑居の跡」という看板が。
夢窓疎石(むそうそせき)という鎌倉時代から室町初期の臨済宗の僧が閑居していた場所です。
臨済宗の黄金時代を築いた禅僧の一人ですが、禅僧としての名声を嫌って、よく山に閑居していたそうです。
時代は違えど、二人の歴史人物が愛用したこの地に挑戦してみるのも良いかもしれませんね。
気分転換のちょっとした運動にいかがですか?
所在地 : 250-0055 神奈川県小田原市久野
まるで魔法!ヴェネツィアングラスの煌めく「箱根ガラスの森美術館」
仙石原にある「箱根ガラスの森美術館」。
一歩足を踏み入れれば、煌めくガラスの世界が出迎えてくれます。
古代ローマ時代にさかのぼるヴェネツィアングラスの歴史。
美しいガラスに目を奪われます。
こちらの箱根ガラスの森美術館はなんと、大涌谷の全貌が一望できる唯一のスポット。
箱根の大自然を背景に、光り輝くガラスの作品とイタリアの風景を堪能できるなんて…とても贅沢ですね。
実はよく見ると、水面に浮かぶのはゴンドラではなく日本の小舟。屋根も特注の瓦でできています。
イタリアの要素だけではなく和の要素も織り込むことで、日本の景色にも違和感なく溶け込むことができ、日本人の心にすんなりと入ってきてくれるのです。
このような細かいこだわりが「ガラスの森美術館」には、たくさんたくさん詰まっています。
たとえば、美術館の中にはメープルシロップの店である、水車小屋「アチェロ」があります。
イタリアなのになぜメープルシロップ?と思う方もいるかもしれません。
実はそこには、イタリアのものだけではなく、世界の美味しいものをお客様に届けたいという、「おもてなし」の想いが隠されています。
さらにこの水車小屋は、マリーアントワネットの別荘「プチトリアノン」をモチーフにしたものだそうです。
美術館の隅から隅までに行き届いた素敵なこだわり。
分かる人には分かる、そういった小さな気づきがたまりません。
この箱根ガラスの森美術館はリピーターの方が多いそうです。
何度訪れても「新たらしい出会いと発見がある」、それが箱根ガラスの森美術館なのです。
所在地 : 250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
公式HP : 箱根ガラスの森美術館
本格派ナポリ発祥スイーツが箱根でも!「スフォリアテッラ」に舌鼓
他にも、カフェ・レストランでイタリアの本場から招いたイタリア人歌手によるカンツォーネとこだわりのパスタやスイーツを堪能することができるほか、ナポリ発祥の本格的なスフォリアテッラを頂くこともできます。
スフォリアテッラとは、何層にも重なったパイ生地の中にリコッタチーズリコッタチーズのクリームとオレンジの砂糖漬けが入っていて、17世紀から修道院で食べられていたとてもおいしい歴史あるスイーツです。訪れた際にはぜひイタリアの本場の味に舌鼓を。
光り輝く箱根のヴェネツィア。
クリスマスには美しいガラスのツリーが、昼には太陽の光に煌めき、夜にはライトアップされて息をのむほどの美しさです。
こだわりと愛の詰まった「箱根ガラスの森美術館」。
一度訪れたらきっとまた、訪れたくなるはずです。
所在地 : 250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
公式HP : 箱根ガラスの森美術館
いかがだったでしょうか。
箱根の街は私たちを異世界へと連れて行ってくれます。
旅は教科書に載っていないような、その土地ならではの歴史を教えてくれますね。
魅力ある箱根の街は心もからだも満たしてくれるに違いありません。
箱根にはまだまだ紹介しきれないほど素敵な場所にあふれています。
ぜひ箱根に「新しい出会いと発見」を探しに足を運んでみてはいかがでしょうか。