風情溢れる金沢城下を歴史散歩 ~城も神社も食も満喫!欲張り6選~
新幹線の先、まず出会うのは「世界で最も美しい駅」。
蒼空映えるガラス張りのドームと伝統息づく鼓門の朱。
その美しさにあなたは息をのむことでしょう。
金沢は現代と加賀百万石、400年前を繋ぐまち。
城下町とアートの融合、武家屋敷で生活する人々の日常、遥か昔から受け継がれる空気が残るまち。
今を生きる加賀百万石 感じながらの歴史探訪はいかがですか?
今回は日本三大庭園の一つ、兼六園を訪れた皆さんに立ち寄っていただきたい隠れた名所をご紹介していきます。
ありのままの自然、風の音、緑のにおい、すべてを見て聞いて、目をつむって感じてみてください。
そして旅の後必ず振り返っていただきたいのは、「なに」に「何故」心奪われたのか?
何故前田家は250年以上もの間、この地を守り続けられたのか?
そこにはあなただけの特別な感動と発見が待っているはずです。
自分がその場にいるところを想像しながらご覧ください。
この記事の目次
金沢屈指のパワースポットは文化財 隠れた名所金澤神社で 旅の祈願
兼六園の梅林を散策していて迷い込んだ先には、大きな石の鳥居がありました―
ヒトの声も、車の音も、何故か風の音さえ聞こえない。不思議な静寂に包まれるのは金澤神社です。
朱色が美しい拝殿は寛政6年に11代藩主の前田治脩が、学問の神であり先祖でもある菅原道真を祀って創建、重要文化財に指定されています。
それ以降は兼六園を散策した藩公たちが領内の平和と繁栄を祈願しに来ていたとか。
そして今現在も…びっしりかかる合格祈願は人々に愛されている神社であることを語ってくれます。
ふと上を見てみると、白蛇龍神(はくじゃりゅうじん)の天井画。
神社には珍しく、隣に描かれた天使は、金沢の日本画家の作品だそうです。現代アートと伝統の融合が美しい。
伝統を生かしていこうとする人々の心意気が伝わってくるようでした。
参拝された方はぜひご覧になってみてくださいね。
学業だけではありません。
他にも商売繁盛、災害除けなどご利益は盛りだくさん!金沢随一の万能パワースポット、あなたの願いも叶うかもしれませんよ。
金沢発祥の地も探してみて!緑に覆われ400年を紡ぐ金城霊沢伝説
拝殿を進んだ先にも、見どころはたくさんありました。
前田家が慶事の度に奉納していた奉納稲荷鳥居。
くぐるときには、是非彼らの歴史を想像してみてください。
一つ越える度、一人ひとりの重みを感じられますよ。
前田家の歴史を超えた先にはひっそりとたたずむ「金城霊沢」が見えてきます。この湧き水、金沢に深くかかわる伝説が…にほん昔話の芋掘り藤五郎伝説をご存知でしょうか。
「ある日、芋を洗うと泥に金が。藤五郎夫妻はその金を分け与えみんなで幸せに暮らしましたとさ」
(まんが日本昔ばなし~データベース~ ‐ 芋ほり長者)
この「金洗いの澤」が金沢の由来。
400年近くもの間、金沢市民の手で伝説の湧き水として崇め守られてきたそうです。
神社の笛の音、辺り一面の豊かな緑、そして湧き水の水音、水面の輝き。
こちらには全てが相まって、心洗われるような、神秘的な雰囲気が漂っています。
この伝説の舞台で、時間が止まったかのような空気を感じてみるのはいかがでしょう。
金沢地元グルメ大公開!ハズレなし!地元民お勧めスポットは「片町」
近江町の海鮮丼に、ひがし茶屋街のお抹茶や加賀料理
海山に恵まれ、新鮮な海鮮にきれいなお水…食材に恵まれた金沢は美味しいものが盛りだくさん!
地産地消、程よい都会の金沢だからこそ、それらをリーズナブルにいただけるのも魅力の1つです。
人気の観光地だけで終わらすのはもったいない!
金沢一の繁華街、「片町」には金沢市民が本当に愛するグルメが集結しています。
お昼の定番は「黒いルーにキャベツが山盛り、金澤カレー」、「エビフライにカキフライ…ボリューム満点のハントンライス」。
また、実は外せないのがソフトクリーム。
金沢はアイスの消費量全国一位を誇るアイス県、それだけに他県では見られないほどに路面店が。
片町にも数えただけで10店舗以上…、アイスの食べ比べだけでも十分に楽しめます。
夜は多くの居酒屋でにぎわいます。
嬉しいことにどのお店に入店しても、自慢の海鮮に郷土料理を楽しんでいただけます。
水の美味しい金沢には地酒も豊富!有名どころは「加賀鳶」に「手取川」でしょうか。
故郷を愛する金沢市民、道行く人の誰に声をかけてもお気に入りの一軒を教えてもらえます。少しディープなスポット、「新天地」は私のお勧め。
狭い路地に軒を連ねる町屋風の屋台は、古き良き金沢の象徴と言えるのではないでしょうか。この金沢市民の拠り所、立ち寄って探検するのがお勧めです。
金沢って文化伝統ありのままを守るまち 裏道散策でタイムスリップ
金沢の細路地や町屋は、他に類を見ないほどにたくさん残っています。
特に武家屋敷、これほどまで立ち並ぶのは日本で唯一ここだけだそうです。
古地図と変わらぬ道、古き木造の町屋の街などが、当時の生活を感じさせてくれます。
まち歩きの途中、是非立ち寄っていただきたいのは「黒門前緑地(くろもんまえりょくち)」
お城のお堀沿いに歩いていくと、本当にさりげなくあるので、気づかず通り過ぎてしまう人も多いようです。
実はここ、利家とお松の方の四女、秀吉の養女になった豪姫が、その生涯を閉じた地。
小さく、それでも美しく残る庭園は彼女の想いを伝えているのでしょうか。
また、加賀藩ゆかりの旧高峰家住宅も隣接。
中へ入ると生活感あふれる雰囲気に自分が江戸へタイムスリップしたのではないか?と感じるほどです。
ステンドグラスの鬼門で有名な尾山神社に古墳時代から続く石浦神社。
今も人々が生活する住宅街の長町武家屋敷、現代を代表する21世紀美術館…などなど他にも見どころは盛りだくさん。
由緒正しき寺社と今も息づく文化生活、心の赴くままに立ち寄りながら金沢城下の散歩をお楽しみください。
金沢の郷土食「治部煮」 兼六園を一望!五感で味わうじぶそばランチ
治部煮をご存知でしょうか?
治部煮(じぶに)とは、小麦粉をまぶした地鶏やお野菜をだし汁で煮て、とろみを付け、上にのせたワサビを崩しながらいただく加賀料理です。
今回私がご紹介したいのは、「兼六亭」。
加賀料理の代表格「治部煮」をこだわりの更科そばでいただける、元祖じぶそばのお店です!
秘伝のだしで閉じ込められた具材のとろみと優しい味わい、おそばのコシ。
味も食感も美味しい一品です。
今回いただいたのは「冷やしじぶそば」ですが、他にも「温じぶそば」や「つけじぶそば」など種類が豊富なのもうれしい所。
明るく気さくな女店主さんと、おしゃべりを楽しみながら、次行く場所を決めるのもまた一興。ゆったりとした時間を過ごしたいですね。
目の前には兼六園の美しい景色も広がっています。
緑豊かな兼六園の、さわさわと優しい風、噴水の豪快な水音、全身で感じながら…
室生犀星(むろうさいせい)の小説にも登場した築100年近くの歴史を持つ古民家にて味わう「じぶそば」。よろしければ極上の贅沢をぜひ味わってみてくださいね。
金沢城は城だけで語れない!石垣の博物館 魅力は文化財にも城跡にも
加賀の国最後の砦である金沢城、百万石を守るために建てられた巨大城郭、鉛瓦に海鼠塀(なまこべい)は最大の特徴です。
重要文化財の石川門、鶴丸倉庫、三十軒長屋。
今年修繕が完成した五十軒長屋は見事で、もちろん見逃せない名所ですが、
本来の歴史に触れられるのは、やはりありのままの姿が残る石垣なのではないでしょうか。
金沢城は「石垣の博物館」と称されるほどに、歴史を追って三種もの石垣が残っています。
三十軒長屋のすぐ奥に、意識しないと気付かないような小道が…!
本丸の森へ通じます。この本丸は利家公最初の御殿、慶長7年の落雷により、たった19年でなくなった幻の城です。
その先には手の施されてない、緑に覆われた石垣が。
さらに先には、利家公も見ていたであろう城下の景色が広がっていました。
「観光客はなかなかたどり着けない穴場なんだ」、毎日散歩に来るという地元の方は教えてくれました。
そこでの景色だけでなく、是非、風も緑も空気も、すべてを肌で感じてみてください。
そして、信長と共に戦い、秀吉と対立し、家康に敵視され、
歌舞伎者とよばれた前田利家の波乱万丈な人生に思いを巡らす…こんな風に、歴史に思いを巡らす旅もたまにはいいのではないでしょうか。