HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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江戸時代の面影が残る町並み 歴史ある真壁で登録有形文化財めぐり

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    茨城県真壁(まかべ)には、約400年前の江戸時代に複数の街路や水路で土地を区画してできた「町割」が今も当時のまま受け継がれています。
    そして隆盛を誇った商家の人々が建てた門や蔵が、歴史ある町割と共に息づいています。
    ゆっくりと歩きながら、江戸時代・明治時代に建てられた文化財めぐりの旅へ出かけてみましょう。

     

     

    江戸時代に建てられた文化財の見世蔵 歴史を感じる本屋 川島書店

    真壁高上町駐車場より徒歩約3分。
    真壁の街の中心にある御陣屋通り(ごじんやどおり)を通っていると、柔らかな笛の音が聞こえてきました。
    その正体は、御陣屋通りの中で目立っている川島書店さんのBGMでした。

     

     

    写真<01 _alt:川島書店>
    まず、通りから見える大きな看板に圧倒されました。
    店名が書体で書かれ、太い堂々とした字がとても印象に残ります。
    見世蔵と書店が並んでいて、見世蔵は常に戸が開かれていました。
    蔵の案内が直筆で黒板に書かれています。

     

     

    写真<02_alt:川島書店黒板>
    隣の書店に川島書店の主の奥様、川島みほこさんと娘さんがいらっしゃり、見世蔵の中を見せていただきました。
    川島家の初代は生薬(しょうやく)店で、その後、荒物店を経て、いろいろな商売を行っていました。
    4代目から書店を営み、江戸時代末期に建てられた見世蔵も店舗として使用しています。

     

     

    写真<03_alt:見世蔵>

     
    見世蔵の中には生薬店だったころの看板と川島書店の看板、そして昔の武士で書の達人だった山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)が書いた店名が飾ってありました。

     

     

    写真<04_alt:鉄舟書>
    写真<05_alt:看板>

     
    見世蔵の二階も案内して頂き、三月に開かれる真壁の有名なひなまつりで飾られるひな人形を見せて頂きました。

     

     

     

     

    写真<06_alt:江戸ひな人形>

     

     

    写真<07_alt:明治ひな人形>
    江戸~明治時代の昔のひな人形はここでしか見られないもので、貴重な体験でした。

    所在地 : 茨城県桜川市真壁町真壁335

     

     

     

    真壁の重伝建の中でも最上級な薬医門 豪商の面影が残る猪瀬家住宅

    高上町駐車場より徒歩約7分。
    大きくて立派な門構えの住宅が見えてきました。
    登録有形文化財に指定されている、猪瀬家住宅(いのせけじゅうたく)の薬医門です。
    猪瀬家は見芽通り(みるめどおり)と上宿通り(かみじゅくどおり)の角に位置しています。

     

     

    写真<08alt:見芽通り>

     

     

    写真<09_alt:猪瀬家>
    真壁で最も大きく、造りの良い薬医門と言われています。
    猪瀬家の薬医門に限らず、「薬医門」という名の由縁は、一説には矢の攻撃を食い止める「矢食い(やぐい)」からきたと言われています。
    猪瀬家の薬医門は、明治初期に作られ、塗装は少ないながら、精巧な彫刻が施されています。

     

     

     

    写真<10_alt:猪瀬家薬医門接近>

     

     

    写真<11_alt:猪瀬家薬医門接近>
    真壁の文化財に多く見られる門や蔵は、江戸時代から明治・大正にかけて作られました。
    文化・産業の中心地として栄えたこの地で、多くの商人たちが店蔵・土蔵・門を競って次々と建てました。
    それが今の真壁の町並みです。
    江戸時代から在郷町として発展し、富を得た商人らが重厚な建物を建てました。

     

     

    写真<12_alt:猪瀬家重厚>
    東日本大震災の被害に耐え、修復改修を繰り返しながら姿を留めていました。

     

     

     

    写真<13_alt:猪瀬家被害>
    上宿通りを通ると必ずこの大きな薬医門に圧倒されることでしょう。

    所在地 : 茨城県桜川市真壁町真壁1

     

     

     

    真壁の近代化を支えた谷口製糸所と旧家 土蔵や門が連なる美しい景観

    真壁の町並みから少し離れたところに、真壁の近代化を支えた谷口製糸所建物群と旧家住宅建物があります。
    真壁でも指折りの旧家で、歴史は江戸時代初期にまで遡ります。

     

     

    写真<14_alt:谷口家>
    谷口家住宅は、真壁にある他の歴史的建造物とは比べものにならない程の広い敷地面積を持ち、
    土蔵・門が連続する景観は真壁でも特に美しいとされている景観です。

     

     

    写真<15_alt:谷口家赤いポスト入り>

     

     

    写真<16_alt:谷口石碑>
    真壁の登録文化財に指定された他の住宅と比較しても、登録建造物の数が一番多いのが谷口家住宅です。
    店舗・北袖蔵・南袖蔵・門・主屋・離れ・石蔵・奥蔵・穀藏が登録文化財に指定されています。

     

     

    写真<17_alt:谷口穀蔵>
    穀蔵は歴史の重みを感じます。
    写真<18_alt:谷口石蔵>
    こちらは立派な石蔵です。

    真壁の歴史を遡ると、在郷の商業都市として木綿取引や醸造業を中心に発展した背景があります。
    幕末に名主も務めた谷口家は、その醸造業である、絞油(しぼりあぶら)と醤油の醸造を発展させていきました。
    その後、1881年(明治14年)に蒸気を利用した谷口製糸所を設立し、県内有数の製糸所として成長していました。
    真壁の町並みから歩くと、谷口家の分家である谷口義衛家住宅も通って見ることができます。

     

     

     

    写真<20_alt:長屋門>
    こちらの長屋門は、明治中期に近隣の旧大和村雨引から移築したもので、土間を手前に張り出し、奥に帳場を設けて店舗としていました。
    こちらでは夫婦がうどん屋を営んでおられました。

     

     

    写真<21_alt:うどん屋>
    長屋門の特徴的な外観。ぜひ本家と分家どちらにも立ち寄ってみてください。

    所在地 : 茨城県桜川市真壁町桜井373

     

     

     

    真壁の登録文化財を巡ると、当時の町の繁栄ぶりが伝わってきます。
    時代に沿って転業し、発展してきた商業の歴史が真壁にはありました。
    残された建物はその象徴であり、かつての人々の思いが込められています。
    隆盛を誇った商家の先祖たちが残した、今に息づく立派な蔵や門をぜひその目でご覧ください。