HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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かつては「伏水」とも呼ばれた日本酒処「伏見」で酒造めぐりの旅

  • 京都府・伏見はかつて「伏水」とも呼ばれていたのはご存知ですか?

     

     

    その上質な地下水を使って造られた日本酒は現代も広く愛されています。

     

     

    今回はそんな伏見の中書島駅周辺の酒造を3つご紹介します。

     

     

    試飲や利き酒を楽しみながら、趣深い街並みを旅してみませんか。

     

     

     

    名水あるところに名酒あり!日本名水百選に選ばれた伏見の「伏水」

     

     

    伏見は、昔「伏水」とも呼ばれるほど地下水の豊かな土地です。

     

     

    一升の日本酒をつくるのになんと、八升の水がいるといわれており、酒造りにおいてどれだけ水が重要かがわかります。

     

     

    おいしい日本酒造りに欠かせないものがもう一つあります。

     

     

    それは、お米です。

     

     

    旨みの深いお米は良質な水がなければ育ちません。

     

     

    米作りが有名な地では日本酒造りも有名なことが多いですが、それも納得ですね。

     

     

    <写真01_alt:樽>

     

     

    ここ伏見では今も良質な地下水がこんこんと湧き出ており、「日本名水百選」にも選ばれています。

     

     

    後にご紹介する月桂冠大倉記念館ではその名水を試飲できますよ。

     

     

    <写真02_alt:伏水>

     

     

    おちょこで一口いただいてみたところ、口当たりがなめらかでやさしい味がしました。

     

     

    桃山丘陵からゆったり流れるこの地下水が、伏見のお酒特有のきめ細やかでふくみのある味わいを生み出しているんですね。

     

     

     

    中書島駅からの道中も昔懐かしい 登録有形文化財の伏見「松本酒造」

     

     

    さて、伏見の酒造めぐりをするには京阪の伏見桃山駅か中書島(ちゅうしょじま)駅が近いですが、中書島駅は降りた瞬間から街並みに昔懐かしい趣を感じられますのでおすすめです。

     

     

    今回は数ある酒造の中でも有名な3つの酒造を訪れました。

     

     

    1つ目は、中書島駅の西側に流れる高瀬川沿いを北上していくと現れる、一際大きな迫力ある建物。

     

     

    <写真03_alt:松本酒造全体>

     

     

    これが、松本酒造です。

     

     

    1791年の創業以来、日本酒だけを造り続けており、「本物の日本酒」を造ることにどこまでもこだわっています。

     

     

    その長い歴史と汗と叡智が認められ、2007年11月に「近代化文化遺産」に認定されました。

     

     

    登録有形文化財にも認定され、その建物は歴史的文化的に非常に価値あるものとして認められています。

     

     

    <写真04_alt:松本酒造壁>

     

     

    この色あせつつある木の壁からにじみ出る趣と、感じ取れるその長い歴史に、松本酒造の職人たちの魂を感じます。

     

     

    駅から少し歩きますが、写真で見るのと実際目で見るのとでは感じられる迫力と空気感が全く違いますので、ぜひ足を運んでご自身の目で見て感じてみてくださいね。

     

     

     

    趣が滲みでる伏見の酒造通りに面する「キザクラカッパカントリー」

     

     

    中書島駅の北側は酒蔵だけでなく、坂本龍馬にまつわる通りや建物もあり、見どころの多いエリアとなっています。

     

     

    酒蔵特有の白壁と木の黒壁がそのエリアをぐっと趣深くしていて、歩いているだけで楽しめます。

     

     

    <写真05_alt:黄桜が面する酒蔵通り>

     

     

    その中でも酒蔵が集まる通りに面しているのが、キザクラカッパカントリーです。

     

     

    黄桜と言えばみなさんこちらを思い出すのではないでしょうか。

     

     

    <写真06_alt:黄桜河童の絵>

     

     

    黄桜と言えば、「河童」ですよね。

     

     

    ここでは懐かしのCMを見て昭和の香りを感じることもできます。

     

     

    2代目の社長が「かっぱ天国」というマンガを読んでCMに河童を使うことが決まったそうですが、ここキザクラカッパカントリーでは、河童の起源や歴史について知れるユニークな資料館もあります。

     

     

    私がおすすめしたいのは、屋外にある地ビールや日本酒のちょい飲みスペースです。

     

     

    今回頂いたのはこちら。

     

     

    <写真07_alt:黄桜にごり酒>

     

     

    にごり酒特有の口当たりと、米の甘みが口の中で広がります。

     

     

    ここで少し呑んでほろ酔いになりながら街をぶらり歩きするのも大人の楽しみですね。

     

     

    珍しいお酒の利き酒もできる伏見のブランド酒造「月桂冠大倉記念館」

     

     

    最後にご紹介するのは、月桂冠大倉記念館です。

     

     

    <写真08_alt:月桂冠大倉記念館>

     

     

    ここでは日本酒の造り方や、日本酒の発展について詳しく知ることができます。

     

     

    館内を回った最後には、利き酒がふるまわれるのですが、このお酒は最後にもち米を入れて甘みを足す「四段仕込」という製法で造られているそうです。

     

     

    <写真09_alt:4段仕込の日本酒>

     

     

    ちょっと現代とは異なるボトルの形をしていますよね。

     

     

    日本酒造りが盛んになった頃、日本酒は樽で売られていましたが、殺菌のためにサリチル酸を使っていました。

     

     

    月桂冠はそれを使わないために、日本酒を瓶で売り始めたのです。

     

     

    そして1910年には、鉄道の発展に伴って、車両の中でものめるように写真のような蓋がコップにもなる瓶での販売を開始しました。

     

     

    鉄道の発展とともに日本酒の普及も進んでいったのです。

     

     

    このお酒はこの大倉記念館での限定販売となっています。

     

     

    他にも珍しいお酒がたくさん並んでいるので、お土産にもピッタリですよ。

     

     

     

    豊かな自然が生む名水「伏水」。

     

     

    その地下水とお米と、熟練の職人技が造り出す伏見の日本酒。

     

     

    その歴史と趣に酔いしれてみませんか?

     

     

    ■所在地

     

     

    [松本酒造]京都市伏見区横大路三栖大黒町7

     

     

    []京都市伏見区塩屋町228

     

     

    [月桂冠大倉記念館]京都市伏見区南浜町247番地