織田家ゆかりの城下町 栢原の歴史と自然を感じながら散策しませんか
織田信長の弟、信包や子孫が治めた織田家ゆかりの城下町、「柏原(かいばら)町」。
当時の姿がそのまま残る国指定史跡の柏原藩陣屋跡や、県指定文化財の樹齢1000年を超える木の根橋など、歴史の重みを感じます。
そんな歴史と自然が調和した町、柏原を散策してみませんか?
この記事の目次
圧巻!柏原のシンボル 県指定文化財 樹齢1000年の「木の根橋」
JR柏原駅から徒歩約5分、栢原の街の真ん中にひと際目立つ大きな木があります。
この木は「木の根橋」といって、1970年3月30日に県指定文化財として登録されました。
樹高22m、目通幹囲6mのけやきの根が、幅6mの奥村川をまたいで自然の橋を形づくっているのです。
けやきの大樹の奇形は珍しく、その形状から「木の根橋」と呼ばれるようになったそうです。
樹齢はなんと1000年以上にもなるといわれています。
どのようにして木の根橋の形状が形づくられたのか定かではありませんが、本樹の縁辺は1024年に創建された柏原八幡神社の参道にもあたり、柏原八幡宮の入り口から20メートルほどの距離に位置します。
奥村川に架けられていた土橋に沿って根が延びたものと考えられているそうです。
この立派な木の根橋を見れば、町のシンボルとなる理由がわかります。
ものすごい迫力を感じられます。
現在の奥村川は、織田信包の開いた第一次城下町時代に堀割として利用するために拡幅され深くなりました。
そのため今目にする木の根橋の周りの景観は、この時代に形づくられたのだと考えられます。
そう思うと、感慨深いものがありますよね。
町のシンボルとも言えるこの木の根橋の立派さに圧巻すること間違いありません。
県指定文化財 柏原藩主織田家旧邸長屋門と柏原藩陣屋跡から見る歴史
木の根橋を渡り、歩くこと約5分。
県指定文化財である柏原藩主織田家旧邸長屋門が見えてきます。
その正門から中を眺めると、ここにはどんな歴史があるのかと一歩踏み出したくなるような柏原藩陣屋跡が待ち構えています。
門から表玄関へと続く構えがそのまま残るのは、全国の陣屋跡のうちここ柏原陣屋のみだそうです。
柏原藩陣屋跡は、柏原藩2万石の居館・政庁として1714年の造営から途中火災に見舞われましたが、廃藩置県を迎えるまでその役目を果たしてきたそうです。
現存する建物は陣屋の表御門にあたる長屋門と表御殿の一部ですが、全国でも数少ない陣屋遺構として、大切に保存されています。
また明治以降には小学校として使用された経緯から、幕末から近代に至る学制の変遷を考える上でも貴重であるとして、1971年に国の史跡に指定されました。
柏原藩陣屋の中は、見学することもできます。
部屋がどこまでも続いているように感じられるほど広く、立派な陣屋でした。
そして道路を渡った向かい側には織田信包公の石像があり、凛々しい雰囲気を漂わせてます。こちらも必見です!
柏原藩主織田家に仕えた名家「田家」と柏原藩の歴史を見て感じて
柏原藩主織田家旧邸長屋の向かい側に、丹波市立柏原歴史民俗資料館・田ステ女記念館があります。
柏原藩伝来資料を中心に収集保存、展示する施設として1990年に開館されました。
また、1997年には柏原出身で江戸時代の女流俳人「田ステ女」の貴重な資料を集めた田ステ女記念館が増設されました。
柏原藩陣屋跡と柏原藩の歴史について常設展示されており、展示室には柏原藩陣屋の復元模型や柏原藩主であった織田家の資料が展示されています。
田ステ女記念館では、田家伝来資料を中心に展示されており、ステ女が作った俳句など数多く集められています。
田家は柏原藩主織田氏に仕えた名家で、田ステ女の父、田季繁は後1633~1698年に代官を務めました。
資料館の入館料を支払えば柏原藩陣屋跡表御殿内部も見学することができるので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
いかがでしたか?
1000年以上経過しても変わらず町のシンボルとして親しまれている木や、当時の姿がそのまま残っている織田藩陣屋跡。
織田家ゆかりの城下町 柏原には、他にもたくさんの文化財があります。
まさに歴史と自然が感じられるこの町にぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。