九州で最初の重伝建地区「飫肥城下町」人々が守り抜いた素晴らしき町
宮崎県といえば何が思い浮かびますか。きっとマンゴーや日向夏、プロ野球キャンプなどが思い浮かぶのではないでしょうか。
しかし宮崎県はそれだけではありません!是非とも旅してほしい歴史溢れる町があります。
今回は、かつての九州の「小京都」、日南市の「飫肥」(おび)を巡ります!
この記事の目次
伊東氏で栄えた「飫肥城下町」 ワンマン電車でどこか懐かしい旅
宮崎空港に到着すると、2月だったからか空港内はプロ野球キャンプで大変賑わいでした。
外には宮崎出身の温水洋一さんの銅像がありました。宮崎の景色に一気に気持ちが高まります。
そんな宮崎空港からワンマン電車に揺られること約70分。
鉄道博物館にでも飾られているような趣ある電車からの車窓は、自然溢れる緑や稲の黄色、ハウスや田んぼ、街とは打って変わって、田舎の景色で広がっています。
車窓からは太陽光に反射されながらキラキラと輝く広大な海も一面に広がっていました。
電車に揺られて着いた先は日南市の「飫肥駅」(おびえき)です。
飫肥は1588年から明治初期までの280年間、飫肥藩の伊東氏5万1千石の城下町として栄えていました。
飫肥藩初代の伊東祐兵が豊臣秀吉から飫肥を領地として与えられてから、本格的に建設が始まったそうです。
現在もなお、武家屋敷や趣ある石垣、町並みが残っており、昔を思い出させてくれます。
駅舎は飫肥城をイメージしてデザインされたそうで、瓦でできた屋根は城下町の始まりを漂わせます。
風情ある駅の姿に思わず声をあげてしまいました。
飫肥駅には、にこにこ姿の可愛らしい女性の駅員さんがいらっしゃいました。
ワンマン電車についてお聞きすると、なんと築40年ほどの電車らしく本当に驚きました。
「いってらっしゃい」と温かく見送られ、飫肥駅の外に出た先には、江戸時代から伝わる郷土舞踊で有名な「泰平踊り」の銅像が建っていました。
なんとも城下町らしい旅の始まりです。
地元の人が愛する町「飫肥」 人々の努力の結晶「本町商人通り」
飫肥駅から城下町までの道は、とにかく静かで心が和みます。
人通りも少なく優しい風に吹かれながら進んだ先には「岩崎稲荷神社」の真っ赤な鳥居に、稲荷下橋がありました。
「是より飫肥城下町」という看板を見て、当時の城下町の景色が思い浮かびます。
稲荷下橋を渡り、そのまままっすぐ約5分歩いていくと歴史的な街並みが広がる「本町商人通り」に到着します。
昔は、歴史的建造物が数多く残っていましたが、飫肥城内の建造物は現存しておらず、商人通りとしての町並みも失われる危機にありました。
そこで飫肥の町並みを守るために、1976年に飫肥城下町保存会を発足させ、住民が主体となり再生を行ってきたそうです。
そして1984年にこの「本町商人通り」はつくりあげられました。
この記念碑からも、当時この町を守り抜こうと立ち上がった住民達の想いをしっかりと感じることができます。
地元の方の日々の精進により1977年には「国の重要伝統的建造物郡保存地域」の選定を受け、1987年には、いきいきとした楽しい街並み30選として「手づくり郷土賞」を受賞しました。
そして2014年にも「手づくり郷土賞」の大賞を受賞しました。
愛され続けて8年 飫肥城下町を満喫できる「あゆみちゃんマップ」
本町証人通りから約5分歩くと、飫肥城観光駐車場のすぐ近くにある「飫肥城下町 案内処」に到着します。坂を上ると見えてきます。
飫肥城下町 案内処では「あゆみちゃんマップ」とよばれるマップを購入することができます。
これは8年前に始まった企画だそうで、飫肥城及び城下町すべてを満喫していただくためのものです。
全施設が入館できる共通券に、5枚の引き換え券がついています。
引き換え券は、マップに書かれいる店舗の中から5つの店舗を自分で選び、食べ物やお土産を券と交換するというものです。
自分で好きなお店を選べるのでとてもワクワクして楽しんで城下町を散策することができます。
この案内処には、「こんにちは~」と温かく迎えて下さった笑顔溢れる女性の方2人に、城下町のおすすめスポットを親切に教えてくださる男性がいました。
一気に町の温かさを感じ、本当に心が和みました。
この町には、地元に帰ったような温かさ、安心感があります。
人々の笑顔で包まれる優しくて温かい町でした。
飫肥という町を少しでも感じていただけたでしょうか。
ほんの少し紹介するだけでも、地元の人の温かい心、歴史が息づく町を感じていただけたと思います。
飫肥は歴史的街並みを味わい楽しむことができます。
そして何より、この町の人達は、温かく私達を迎え入れてくれますよ。
是非、この飫肥に足を運んでみませんか。