HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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高知の歴史的神社を訪れる 重要文化財の土佐神社と山内一豊ゆかりの地

  • 雄大な自然とともに歴史の跡を色濃く残す、・高知市。

     

     

    今回は重要文化財である土佐神社と、土佐山内家ゆかりの山内神社・その近郊を紹介します。

     

     

    緑の中にいきいきと佇む、歴史深い2つの神社の由緒を知る旅に出かけましょう。

     

     

     

    守り継がれる国の重要文化財土佐神社 ここにしかないトロッコ賽銭箱

     

     

    <写真01_土佐神社楼門>

     

     

    高知駅から「土佐一宮」で下車して徒歩約20分、もしくは、バス停「一宮神社前」で下車し、徒歩約5分で「土佐神社」(とさじんじゃ)に到着します。

     

     

    土佐神社は、雄略天王時代に創建され、土佐の総鎮守です。

     

     

    味鋤高彦根神と一言主神を御祭神とし、家内安全、農産繁栄、建設、交通安全、病気平癒などなど幅広いご利益を授けてくださいます。

     

     

    <写真02_楼門からの参道>

     

     

    春には桜並木となる参道を進むと、次第に神聖な空気が漂い、気持ちが引き締まりました。

     

     

    <写真03_鳥居>

     

     

    木造の立派な鳥居をくぐり、正面の本殿は、1570年長宗我部元親公が再建建立しました。

     

     

    <写真04_社殿正面>

     

     

    現社殿は素晴らしい入母屋造りで、国の重要文化財です。

     

     

    その手前には拝所があります。

     

     

    <写真05_拝所=トロッコ賽銭>

     

     

    拝所の左に、何やら線路?らしきものを見つけました。

     

     

    宮司の小笠原さんにお話を伺うと、正月・大祓式(6月30日)・大祭(8月24日・25日)は、なんと先ほどの拝所をこのレールに乗せ移動させるそうです。

     

     

    そうすることにより、少しでも社殿に近づき、お参りができるそうで、いつからか「トロッコ賽銭箱」と呼ばれているそうです。

     

     

    とてもユニークで、粋なはからいに、思わずへぇ~!と頷いてしまいました。

     

     

     

    文化財を守り続ける 土佐神社をこよなく愛する気持ちが歴史を紡ぐ

     

     

    <写真06_順路>

     

     

    土佐神社の社殿から左へ進むと、立派な1本の大杉があります。

     

     

    <写真07_大杉>

     

     

    以前、このあたりにはタンクがあったとのことで防火用の水槽として活用されていたそうです。

     

     

    <写真08_礫石>

     

     

    土佐神社の創祀については明らかでないそうですが、境内にあるこの礫石(つぶていし)にそのルーツがあります。

     

     

    その昔、大神の鎮座地を定めるため投げた石が、ここにとどまり、厚く祀られたことが始まりだそうです。

     

     

    <写真08_礫石アップ>

     

     

    迫力のある礫石は、土佐神社とその参拝客の行く手をあたたかく見守ってくれているようでした。
    文化財を””後世に伝えていく””、そのために何よりも「お宮を大切に、環境整備に力を入れています」と小笠原さんは想いを語ってくださいました。
    土佐神社の””あまり派手すぎず、それでいて素朴で落ち着く唯一無二の空間””は、そんの想いが形になっていると感じました。

     

     

    「楼門から続く参道を、これからさらに桜並木のアーチにしたい」と、未来への意気込みもお聞かせいただきました。

     

     

    毎春が待ち遠しい土佐神社を、是非訪れてみてくださいね。

     

     

    土佐神社 所在地:高知県高知市一宮しなね2丁目16-1

     

     

     

    土佐藩初代藩主山内一豊を祀る山内神社 緑に囲まれながら歴史を知る

     

     

    <写真09_山内神社入口>

     

     

    つづいて高知駅から路面電車に乗り、県庁前駅を下車して徒歩約5分、鏡川沿いにある「山内神社」を訪れました。

     

     

    1806年、土佐山内家初代藩主の一豊公と妻・見性院、2代藩主忠義公を祀るために、高知城内に藤並神社が建立されました。

     

     

    廃藩置県が行われた1871年に、藤並神社の御旅所のあった現在地に社殿が造られ、歴代の藩主が祀られてきました。

     

     

    第二次世界大戦の戦火で両社とも焼失してしまったため、現在の社殿は1975年に再建されたものです。

     

     

    <写真10_亀石>

     

     

    山内神社は、東西の参道から入ることができる珍しい神社でもあります。

     

     

    東参道から入ると、中央に大きな亀石があります。

     

     

    <写真11_社殿>

     

     

    緑の木々に囲まれた境内に社殿はあり、とても心が落ち着きました。

     

     

    <写真12_山内容堂>

     

     

    南側には、土佐藩15代藩主の山内容堂像が建てられています。本名は山内豊信です。

     

     

    酒豪としても有名だったようで、大政奉還を喜び、右手にしっかりと杯をもつ様子が何とも嬉しく、誇らしげに見えました。

     

     

    山内神社 所在地:高知県高知市鷹匠町2-4-65

     

     

     

    貴重な長屋建築 山内容堂の下屋敷 生き続ける土佐藩の歴史を学ぶ

     

     

    <写真13_旧山内家下屋敷 南から>

     

     

    山内神社のすぐ隣には、土佐藩15代藩主山内容堂の下屋敷の一部が現存しています。

     

     

    こちらは、指定重要文化財建造物となっており、16代藩主・山内豊範が1665年完成させました。

     

     

    近世の長屋建築のなかでも、規模が大きく、大変貴重なものです。

     

     

    長屋に沿って歩いてみると、南北に長い武家長屋の外観をじっくりと見渡すことができ、歴史を身近に感じます。

     

     

    <写真14_旧山内家下屋敷 北から>

     

     

    一階は7区画でそれぞれ異なった間取り、二階は3区画に分けられています。

     

     

    この140年余りの間に度々改造されましたが、調査と解体修理によって復元されたそうです。

     

     

    <写真15_旧山内家下屋敷 アップ>

     

    長屋の隣に、歴代の土佐藩主を祀る山内神社が建てられたことで、初代藩主一豊も、一族の繁栄をきっと誇らしく感じることができたでしょう。

     

     

    高知城で山内一豊について学んだあとは、是非、山内家のその後を学べる下屋敷周辺に足を運んでみてくださいね。

     

     

    旧山内家下屋敷長屋 所在地:高知市鷹匠町1丁目3-35

     

     

     

    高知市の重要文化財をめぐる歴史旅はいかがでしたでしょうか。

     

     

    今につづくストーリーを、守り語り継ぐ現地の人々から直接その想いを伺えることも旅の醍醐味ですね。

     

     

    高知城散策とともに、土佐神社や、華々しい歴史をもつ山内家ゆかりの地を訪れてみませんか。