玉島の歴史や文化をお散歩しながら五感で体感してみませんか？

岡山の新倉敷駅から歩くこと約30分。

バスを利用する場合、玉島中央町行で「文化センター入口」下車から徒歩約5分でたどり着く歴史と文化を感じる港町・玉島は有名映画のロケ地にもなった町です。

今回は玉島の商店街の雰囲気や昭和を感じる旅を紹介します。

この記事の目次

国の登録有形文化財「西爽亭」が物語る歴史と建造物の魅力を体感

今から約350数年前、備中松山藩主水谷勝隆らによって開拓が進められ水路を設置し、内陸部との物資往来の拠点ともなり「玉島」という商業港を抱える都市ができたそうです。

玉島にある西爽邸（旧柚木家住宅）は、柚木家が1781年、備中松山藩主板倉勝政から御用を拝命したころに建てられた建物であり、熊田恰が自刃した建物です。

西爽亭には常設展示がはなく、建物自体が展示物になっています。

座敷の中を隅々まで見渡すと、普段目にすることのない物や装飾、形や素材がたくさんあります。
例えば、うさぎのくぎ隠しが入り口ではお辞儀をしており、奥の部屋では上座をむいているというものや、部屋の境には竹梅の透かし彫りの欄間など。

また、西爽亭の庭もとても素晴らしく、見れば見るほど魅了されていくでしょう。

西爽亭から羽黒神社へ向かう道、古き良き老舗のお茶屋さんやお菓子屋さんがある商店街付近で気になるものを見つけました。

玉島港橋広場という小さな広場の奥に旧水門のパーツを使ったギアのモニュメントがあります。

玉島の地は江戸時代の初期より、干拓堤防と湊湾施設が建設され、広大な農地を控える交易の拠点として発展してきました。

干拓により建設された低平地は干潮時には、雨水・生活排水・農業排水を海に流し、満潮時には海水が町や農地に流入するのを防ぐため、水門が設置されたそうです。

この水門は、戦後復興期・高度経済成長期・バブル時代にかけて玉島の街を支え続けていました。

1993年には、役目を終えた後しばらく形だけを留めていたが、その昭和レトロな雰囲気が次第に注目を集め、有名映画のロケ地としても使用されました。

長い間町を支えてきた旧水門は、今モニュメントとして町を見守り続けているようです。

玉島には老舗のお茶屋さんやお菓子屋さんがたくさんあります。

地元の人はコーヒー感覚で気軽にお茶を味わう人が多いそうです。

なぜお茶文化が根付いたのでしょうか？

それは海上交通の要衝として、また周辺で栽培がさかんであった綿花の他に、ニシン粕などの取引でも繁栄した玉島。

裕福な町人たちの間に文化の華が開き、商談や接待に京好みの茶をたしなんだことから、特に茶の湯が盛んになったそうです。

今でも往時の旧家には茶室が残っているそうです。
旧水門のある広場から徒歩約3分ほど奥にある７代目親子が営む老舗「器楽堂老舗」の茶室では伝統文化を気軽に体験することができます。

店内には茶道具、掛け軸、お茶のほかにお香も販売されており、とても良い香りと落ち着く古き良き雰囲気に包まれます。

そこでいただくお茶は、伝統文化を体験できるだけでなく、心が落ち着き、ほっと一息つける場所です。

また、ここではお茶の道具だけではなく、お香なども販売されています。

１年をあらわす花のお香は香だけでなく、目でも楽しむことができます。
倉敷から少し離れた玉島は、地元の方々の温かみ溢れ、歴史と文化を五感で感じることができます。

商店街や瀬戸内の景色など深い魅力にはまることができる、玉島をお散歩してみてはいかがでしょうか。