HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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武田信玄と関わりが深い土地 山梨県身延の魅力を散歩旅から知る

  • 山梨県身延線(みのぶせん)で巡る鉄道の旅。

     

    今回は甲斐常葉駅(かいときわえき)から出発し、天然記念物に囲まれた常葉諏訪神社や武田信玄の信仰が厚かった常幸院を巡ります。

     

     

    レトロ感漂う駅 身延線「甲斐常葉駅」で自然に包まれ癒される
    <写真01_alt:alt甲斐常葉駅>

    身延線久那土駅から電車で富士方面に2駅乗ると着くのが甲斐常葉駅(かいときわえき)です。

     

    この駅は旧下部町の玄関口にあたる駅で、構内は広く多くの側線が延びていますが、現在使われているのは島式ホーム1面2線が中心で、駅舎も待合室機能しか持たないコンパクトなものに改築されている無人駅です。

     

    駅の待合室は左右非対称で、デザイン面でなかなか凝ったつくりになっているのが新鮮で興味深いところです。
    <写真02_alt:alt甲斐常葉駅②>
    駅舎はかまぼこのような形をしていてレトロな雰囲気があり、ホームからの景色は手前に集落、奥に山が構えていて自然に包まれていると感じることが出来ます。

     

    甲斐常葉駅から北東へ徒歩10分ほど歩くと地元の利用客が多い静かな常葉温泉がありますので、お時間があれば是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

     

     

    まるで黄色い絨毯! 町の天然記念物に囲まれた「常葉諏訪神社」

    <写真03_alt:alt常葉諏訪神社>
    甲斐常葉駅から徒歩約10分のところにある「常葉諏訪神社」(ときわすわじんじゃ)は、1805年に秋拝殿を建立しました。

     

    伝承として、信州川中嶋合戦(しんしゅうかわなかしまかっせん)の軍功により、武田信玄公から御旗にちなむ社名を許され、その額を社前に掲げています。

     

    そんな常葉諏訪の境内にそり立っている大きな樹木たちは、町の天然記念物となっています。

     

    入稿時に04_常葉諏訪神社②の前に追加挿入-1

     

     

     

    <写真04_alt:alt常葉諏訪神社②>
    秋にはイチョウの木から落ちた葉が地面に広がり、鮮やかな黄色い絨毯がひかれたような異空間が私たちを迎えてくれます。

     

    そのイチョウの黄色い絨毯によって作られる境内の空間はなんとも幻想的で、長旅の疲れが抜けていくような感覚に陥ります。

     

    あなたもこの幻想的な空間に足を踏み入れてみませんか?

     

     

     

     

    武田信玄の信仰が篤かった? 地域とともに時を刻む寺院「常幸院」

    <写真05_alt:alt常幸院>
    さらに常葉諏訪神社から徒歩約10分の場所にあるのは「常幸院」(じょうこういん)です。

     

    集落の中で広い敷地を持ち、堂々と建つ黒い両部鳥居とともにある常幸院は、曹洞宗(そうとうしゅう)という宗派の寺院で、常幸院伽藍(じょうこうじがらん)と呼ばれる寺院の建物は、1901年に建てられたと言われています。

     

    <写真06_alt:alt常幸院②>
    常幸院では「常葉川灯籠流し」が2012年から始まりました。

     

    毎年8月に行っており、地元住民や帰省中の人たちが先祖の戒名や感謝の気持ちを記した灯篭を流し、先祖をみ仏の世に送ることが目的とされている行事です。

     

    この行事はこども禅の集いという子供たちの集まりの活動の一つとしても行われていて、子供たちが「禅」という世界に触れ、身近に感じることのできる良い機会となっています。

     

    また、この寺院は武田信玄の信仰が篤かったという点もあり、歴史ファンには興味のそそる点ではないでしょうか。

     

    地域と密接に関わりながら時を重ねる寺院に、あなたも足を運んでみてください。
    レトロ感漂う町や人と建物がともに歩んできた歴史、創りあげているものなど、昔からの良さに新しいものが加わることで新たな時代を地域一体となって作っているように思えるこの町にはまだまだ魅力がありそうです。

     

    自然や歴史と共に生きるこの身延の地に来ることによって肌で感じることができる歴史を、あなたにも感じて欲しいのです。