戦国武将 豊臣秀吉が愛したねねと一緒に有馬の地で二人の軌跡を辿る
温泉街として有名な兵庫県有馬は訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。特に寒くなる秋冬には、温かい温泉を求めて、家族旅行などで多くの観光客が訪れます。有馬は温泉以外にも歴史深い町で、かつては豊臣秀吉にも愛されました。今回は有馬の歴史を巡り、秀吉ゆかりの地を紹介します。
この記事の目次
有馬温泉駅を降りてスグ 有馬の恩人 豊臣秀吉 そのきっかけを学ぶ
三宮からバスで約45分。
有馬温泉駅を降りて、少し歩くと見えてくるこの秀吉像です。
豊臣秀吉は「有馬の恩人」と言われています。その理由は、1597年の大規模な改修工事です。この工事のきっかけは前年に起きた、慶長伏見大地震です。
建物だけでなく、温泉も被害を受け、地震後に温泉の温度が急上昇するという事態に見舞われました
秀吉はこの地震の被害を受けた有馬の復活を援助し、以後有馬は安定してお湯を提供することができています。
その恩人の秀吉を称え、この像は建てられました。
駅を降りてすぐのところに秀吉像があることからも、有馬と秀吉の強い関係を知ることができます。
秀吉像は「湯けむり広場」にあります。
滝を湯けむりに見立てて、名前が付けられました。この滝の裏側にも回れますので、有馬に来た記念に写真を撮るのはいかがでしょうか。
駅を降りてすぐのところにあるこの湯けむり広場。
滝すらも温泉の湯けむりにみたてるところから、駅を降りた時から訪れた方に「温泉街に来た」ということを実感して楽しんでもらおう、というおもてなしの心を感じました。
所在地 : 651-1401兵庫県神戸市北区有馬町
武将 秀吉が最も愛した女性ねね 現在でも続く2人の関係とは?
秀吉像から川沿いに約1分進むとすぐ見えてくるのがねね像です。
ねねは秀吉の正妻で、秀吉と共に有馬を訪れています。
ねねは有馬で大火事があった際、焼失してしまった薬師堂の再建のために寄進しています。
薬師堂は温泉寺として現存しています。
そのねね像の視線の先には…先ほど訪れた秀吉像が見えます。
当時には珍しい恋愛結婚であった2人。
秀吉はねねを愛し、常にねねの身体を気遣っていたそうです。
そのようなことを知り秀吉像を見ると、秀吉も遠くを見ているような気がしますね。
2人は現在でも見つめ合っているのです。
所在地 : 651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1400
有馬の歴史ある名所を絵と和歌で紹介「有馬六景」とその1つ「鼓ヶ滝」
ねね像の横にあるのが有馬六景です。
有馬六景は二度の大火で壊滅的な被害を受けていた有馬が、もう一度栄えるために描かれた詩や和歌を添えた絵です。
この有馬六景が描かれたのは約250年前にもなります。
その頃の有馬の優れたところが描かれているので、当時の有馬の様子を感じ取ることができます。
今回は6つの場所のうちの1つ、「鼓ヶ滝」(つつみがたき)に行くことにしました。
巻頭・鼓滝松風
内前(近衛摂政太政大臣内前公)
山まつのあらしになおもひびくかな
鼓ヶ滝は有馬温泉駅から南へ約20分ほど歩き、川の音が聞こえて来ると到着します。
この川の水はとても綺麗で、川底が透けて見えるほどでした。鼓ヶ滝の名前の由来は、上下2段に分かれておちる滝の音が、鼓を打つ音に似ていたためです。
現在は、岩が崩れて形が変わったため、鼓の音に聞こえませんが、2段に分かれた滝を見ることができます。
有馬の中心地から離れているため、とても静かで、滝の音だけが響く心落ち着く空間でした。
所在地 : 651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町 1230
温泉地として有名な有馬ですが、温泉以外にも、「有馬の恩人」として称えられている豊臣秀吉やその正妻ねねのゆかりの地でもあります。
有馬を訪れた時には、温泉と秀吉の歴史を巡ってみてはいかがでしょうか。