古来より数々の勝利を導いた! 日本三大神宮「香取神宮」の魅力
かつて茨城県の県境にあった内海「香取の海」があり、江戸時代には利根川が形成されて水郷の町として栄えた千葉県香取市。
そんな香取市に約2600年以上の歴史を持つ、香取神宮があります。
今回は古代から香取の地に降り立ち、信仰を集める香取神宮を旅します。
この記事の目次
日本三大神宮「香取神宮」 古くから香取を見守る格式高い神社とは
JR東京駅からJR千葉駅で乗り換えてJR佐原駅へと向かいます。
電車に揺られること約1時間43分、JR佐原駅に到着します。
成田空港からは京成本線に乗って京成成田まで向かい、JRに乗り換えると便利です。
なんと成田空港からは約38分となっています。
JR佐原駅から佐原循環バスの「周遊ルート」に乗って約13分、香取神宮に着きました。
バスはルートや土日祝などで運行が変わるようなので、行く前に確認必須です。
香取神宮は古くから国家鎮護の神としての信仰を集め、平安時代には伊勢神宮や鹿島神宮とともに「神宮」の称号を賜っていました。
明治以前に「神宮」の称号を受けていたのはこの三社のみで、その格式高さがうかがえます。
また、鹿島神社とは深い繋がりがあり、一対の存在と考えられてきました。
かつて香取市北部に広がっていたとされる「香取の海」。
この香取の海の入口をこの二つの神宮が占めていたとされ、かつてそこは古代に蝦夷進出の拠点としても要所であったそうです。
古代から香取の地を守ってきた香取神宮。
境内に入る前の総門からもその威厳を感じます。
重要文化財 数々の武将の篤い信仰が垣間見れる香取神宮の楼門と本殿
では香取神宮の境内を散策しましょう。
まず総門をくぐって参道を進むと楼門が見えます。
この楼門は1700年に建てられ、重要文化財に指定されています。
目にも鮮やかな朱塗りで、楼上の額は東郷平八郎の筆だといわれています。
当時世界最強と言われたバルチック艦隊を破り、世界の三大提督とまで言わしめた東郷平八郎。
数多くの武将から武運の神として信仰があったことがうかがえます。
楼門の裏には狛犬がいました。
本殿は2014年に大規模な建て替えが行われ、いまも美しい姿をとどめています。
もともとの本殿は、徳川5代将軍の綱吉によって建てられました。
平安時代には伊勢神宮と同様に20年毎の建て替えの制度がありましたが、綱吉が建てた本殿を最後に建て替えの制度は無くなったそうです。
安定の時代であった当時、徳川の御三家と呼ばれる大名がいた地域は神社などに力を注ぎましたが、この地域にはそういった大名がいませんでした。
しかし、幸いにもこの地域は幕府の直轄地であったため、幕府に直接建て替えを依頼したそうです。
屋根は檜皮葺(ひわだぶき)で、描く曲線の美しさに思わず見とれます。
屋根の上に突き出てバツになっているものを「千木(ちぎ)」、丸太のようなものを「鰹木(かつおぎ)」といって、神社の象徴的なものだといいます。
お寺の建物にはほとんどない神社特有のものだそうなので、そちらにもぜひ注目して見てみてください。
規模が大きくなるほど本殿を間近で見られるところは少ないそうですが、香取神宮では本殿の周りをぐるっと回ることができます。
是非間近で時代を反映した建築を見て、当時の様子を想像してみてはいかがですか?
春と秋に催される神楽祭 香取神宮で古来より伝わる伝統芸能とは
香取神宮にはまだまだ見どころがあります。
朱塗りの楼門が鮮やかだった分、境内に入ると本殿・拝殿が黒基調となっているため落ち着いた雰囲気が漂います。
本殿に向かって右手には大きな御神木が立っています。
なんとこちらの御神木は樹齢が1000年を超えるそうで、前に立ってゆっくりと深呼吸するととても清々しい気持ちになりました。
その御神木の奥にあるのが神楽殿です。
神楽殿はもともと拝殿として使われていましたが、現在の拝殿が新築されてからは祭事などを行う場所となっています。
この神楽殿で春と秋に行われる「神楽祭」では御神楽が奉奏されて、特設舞台で神宮舞楽を見ることができます。
行事期間中には献華式・野点席などが全国各地の名高い名家によって奉納されます。
また、神楽祭だけではなく様々な形で古来より伝わる香取の伝統芸能を楽しむ行事が行われています。
信仰を寄せた数々の武将も香取神宮の伝統芸能を目にしたことでしょう。
所在地 : 287-0017 千葉県香取市香取1697−1
公式HP : 香取神宮
古来より多くの武将に愛され、皇族からも篤い信仰を賜った香取神宮。
そこはまさに歴史が語る、力強くパワーの感じる場所でした。
勝利を手にし、歴史に名を遺した偉人たちが訪れた地へ、一度足を運んでみてください。