今も当時の趣が残る佐原「小江戸」と呼ばれる情緒ある町をぶらり旅
江戸の古くから利根川の水運で栄え、北総の小江戸とも呼ばれる千葉の水郷「佐原」。
この町には、当時の趣が残り、今でも人々に大切にされ続けている町並みがあります。
今回は歴史的文化財だけではない、佐原の町並みを紹介します。
この記事の目次
佐原に路地は欠かせない 歴史を感じる趣ある道に足を踏み入れて
成田空港から京成本線で京成成田まで行き、JRに乗り換えてJR佐原駅まで向かいます。 電車に乗ること約38分で到着しました。
新幹線をご利用の方は、JR東京駅からはJR千葉駅で乗り換えて約1時間43分でJR佐原駅に着きます。
駅からゆっくりと佐原の町を歩いていると、まるで時代劇の舞台の中を歩いているかのような感覚になります。
昔ながらの情緒ある佐原の町並みには、20~30年ほど前までは芸子さんが歩いていたといいます。
佐原へ来たら、商家や民家などの建物を見てまわるだけではなく、是非路地裏に入ってみてください。
佐原には細い道が多く、小道に入ってみると趣ある道が続いています。
奥へ進んでみると小さなお稲荷さんがあったり、昔ながらの看板があったりと、中へ入ってみると面白い発見があります。
今は大分少なくなってしまったそうですが、佐原には江戸からずっと残っている道があるといいます。
かつて、東北や北海道の物資を運ぶときは太平洋を南下し、銚子で海用の大きな船から川用の小さな舟に乗り換えました。
その際の中継地となったのが佐原でした。
宿場ということで、当時は旅籠や酒場、遊郭が大変賑わっていたといいます。
そんな佐原の当時の面影が残る道が今でも残っているということなので、佐原に来た際は表の通りだけでなく、是非路地裏に入って江戸の頃から残る道を探してみてはいかがでしょうか。
かつて水運で栄えた佐原 そんな佐原の歴史を物語る「だし」とは
佐原駅から約10分ほど歩いた場所に小野川が流れています。
江戸時代、利根川にそそぐ小野川沿いとその周辺には、問屋や醸造などの商工業者が軒を連ねていました。
時を経た今でも、活気に溢れた当時を彷彿とさせる古い商家や民家が建ち並びます。
歩いていると、階段状の石積みが目につきます。
これは「だし」といって、荷物の上げ下ろしに使われた船着き場でした。
昔は川沿いの店はすべて江戸との舟運で商売をしていたため、必ずお店の前にはだしがあったといいます。
かつてはここで舟にお酒やお米、醤油などを積んで利根川まで持っていき、そこで大きな船に積み替えて江戸まで持っていきました。
写真のだしは、県有形文化財に指定されている「正上」(しょうじょう)の前のだしです。
昔は各家々の前にだしがありましたが、江戸のころからのだしが当時のまま残っているのは、この正上のものだけだといいます。
川沿いを歩いていると他にもだしがありますが、それらは一度つぶされた後に作り直したものです。
川沿いは四角い石が積み上げられていますが、よく見てみると所々長細い石が積まれている箇所があることに気が付きます。
長細い石が積まれている部分は、取り壊される前はもともとだしがあった場所だといいます。
小野川沿いを歩くときは、石の形の違いに注目しながら、かつてはだしがあった跡を探してみてはいかがでしょうか?
所在地:「正上」千葉県香取市佐原イ3406
公式HP:いかだ焼本舗 正上 http://www.m-macs.com/33551/shoujyou/
迫力ある日本最大級の大土蔵 佐原に古くからある「与倉屋大土蔵」
「正上」の向かい側の道を樋橋がある方向へ進み、突き当りを右に曲がると、白壁の大きな建物の「与倉屋大土蔵」に到着します。
与倉屋大土蔵は1889年に建てられました。
日本最大級の大土蔵で、なんと500畳もあるそうです。
与倉屋は醤油の醸造で栄え、この大土蔵は醤油蔵として使われていたそうです。
片側の道に高い壁がずっと続く光景は中々迫力があります。
壁の色味や屋根の欠けた瓦が、より一層時代を感じさせます。
現在、倉庫の中には佐原の大祭で使用されていた山車が保管されています。
時期によっては、コンサートやイベントが行われるなど、今も町に生きる建物であるのを感じます。
こちらの店の向かいの蔵は、戦後まで年貢米の貯蔵庫として使われていました。
この与倉屋がある通りは人通りが少ないですが、他にも昔ながらの立派な建物が建ち並んでいるので是非足を運んでみてください。
所在地:千葉県香取市佐原イ1730
佐原には、名所以外にも昔ながらの魅力的な場所やものが、たくさんあります。
佐原を訪れた際は、町並みを形成するものに注目してみたり、人通りが少ないところへ入ってみてください。
そうすればきっと、より佐原の魅力に触れることができるのではないでしょうか。