千代田区皇居外苑は多くの遺構とクロマツが象徴的な特別史跡江戸城跡
皇居外苑とは特別史跡江戸城跡として多くの遺構が存在する、日本を代表する公園です。
そこで今回は東京都千代田区に広がる皇居外苑地区の魅力をご紹介します。
この記事の目次
皇居外苑の象徴二重橋と江戸城に残る貴重な伏見櫓の絶景コントラスト
皇居外苑といえばご存じの方も多い「二重橋」(にじゅうばし)です。
東京メトロ有楽町線桜田門駅から約2分ほどの場所にあり、皇居前広場から正門を抜け、宮殿までの濠に二つ橋が架かっています。
この二つの橋を総称して二重橋の名で親しまれていますが、本来は手前の橋を正門石橋、奥の橋を正門鉄橋といい、二重橋はこの正門鉄橋のことを言います。
さらに二つの橋の奥に見えるのが伏見櫓です。
伏見櫓は、豊臣秀吉が京都伏見に築いた伏見城の一部を使用したことからこの名がついたといわれています。
多聞櫓が備わったこの伏見櫓は、江戸城に残る3つの櫓の一つとして大変貴重な櫓です。
まず皇居外苑を訪れたら外せない名所の一つです。伏見櫓を背景に重厚感ある二重橋を眺めてみてくださいね。
皇居外苑の国重要文化財・外桜田門と別名内桜田門で知られる桔梗門
桜田門駅からすぐの場所に外桜田門はあります。一般的には桜田門の名で知られる国重要文化財に指定されています。
外側の高麗門と内側の渡櫓門の二重構造で外枡形という防御性の高い城門です。
城門の中でも有名な桜田門といえば「桜田門外の変」が頭に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
桜田門外の変とは朝廷の許可を得ずに日米修好通商条約を結んだり、安政の大獄で人々を次々に処罰するなど、勝手な政策をとっていた大老・井伊直弼に不満が募っていた水戸浪士らが、1860年に井伊直弼を桜田門外で暗殺した事件を言います。
桜田門を正式には外桜田門と言いますが、実は内桜田門も存在します。
それが1614年に造られた桔梗門で、別名を内桜田門といいます。
桔梗堀と蛤濠の間に桔梗門橋が架かっており、皇居外苑から東御苑に通じています。
残念ながら桔梗門橋を渡り門を抜けることはできませんが、しっかりと残る石垣や橋を囲む濠、そして手前にある桜田二重櫓も一緒に眺めることができる最高の場所です。
皇居外苑にただずむ鎌倉・南北朝時代で後醍醐天皇を奉じた楠木正成像
二重橋駅すぐに東京三大銅像の一つと言われる、楠木正成の銅像があります。
楠木正成とは、鎌倉時代から南北朝時代にかけて活躍した武将として知られています。
幕府の権威は失意し、世の秩序が乱れていた鎌倉時代末期、後醍醐天皇は鎌倉幕府倒幕のため京都で挙兵しました。
幕府軍の軍事力に恐れ後醍醐天皇側に加わる者は少ない中、楠木正成は南朝の後醍醐天皇を奉じて鎌倉幕府打倒に貢献し、建武の新政の立役者となったという歴史があります。
馬に乗ったこの姿は、1333年に隠岐の島から還幸途中の、後醍醐天皇を兵庫で迎えた時の勇姿だといわれています。
この楠木正成像はこれまで数々の戦に天皇側として戦ってきた楠木正成を称えここ、皇居外苑に立てられています。
さらに銅像は皇居に向かって建てられており、何が起きてもすぐに駆けつけられるようにという意味が込められています。
まさに建武新政の忠臣と言われた楠木正成らしい銅像です。
ぜひ外苑内にただずむ、躍動感ある楠木正成像を見てみてください。
所在地 : 100-0002 東京都千代田区皇居外苑1-1
公式HP : 皇居外苑
皇居外苑の魅力ある名所めぐりはいかがでしたか。
紹介した名所以外にも、一帯に広がる大芝生の約2000本のクロマツは皇居外苑の象徴的な景観です。
江戸の歴史に触れるだけでなく、安らぎの空間としても人気の場所です。ぜひ近くにある東御苑とともに訪れてみてはいかがでしょうか。