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世田谷区一有名な「常盤伝説」を巡る旅 愛された常盤姫の悲しい結末

  • みなさまは常盤伝説をご存知でしょうか。東京都世田谷区には常盤姫にまつわる悲しい言い伝えがあります。世田谷区では有名な逸話で世田谷区の花が「鷺草」(さぎそう)である理由です。今回はそんな「常盤姫ゆかりの地を巡る旅」をご紹介します。

     

    世田谷区の住宅地にひっそりと佇む 哀愁漂う常盤姫のお墓「常盤塚」

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    東急世田谷線の若林駅から世田谷通りを右折して約5分のところにあるのが「常盤塚」です。

     

     

    住宅地の中できれいなピンク色の花を目印にしましょう。

     
    吉良頼康は大平出羽守の娘である美しい常盤姫を側室にし、才色兼備の常盤を深く寵愛していました。

     

     

    そして常盤が子供を身ごもったことに他の12人の側室が妬み、常盤が頼康の家臣である内海掃部(うつみかもん)という美しい男と密通しているという嘘の訴えを頼康に伝えたのです。

     

     

    頼康は内海家を討ち、常盤を城から追い出しました。

     

     

    しかし側室の訴えが嘘であり、常盤が潔白であることを知った頼康は急いで常盤のいるところへ向かったものの、常盤は命を絶った後でした。

     

     

    傍には胎児の遺体もあり、その胎児をまとっていた膜に吉良家の紋章が浮かび上がったといいます。

     

     

    頼康は常盤を葬った塚に松を植えて常盤塚としました。
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    吉良家を北条氏の血筋の人に継がせるために、吉良の跡継ぎをめぐる悲しい話が真実を織り交ぜながら創作されたものだろうと言われています。

     

     

    しかしながら常盤塚の前に立ち常盤姫のことを想うと、とても切なくなります。

     

     

    所在地 : 154-0011 東京都世田谷区上馬5丁目30−18

     

     

     

     

    名前の由来が面白い 常盤姫の子どもが眠る世田谷区「駒留八幡神社」

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    東急世田谷線の若林駅から環七通りを南に進み約5歩くと右手にあるのが「駒留八幡神社」です。

     

     

    常盤塚のすぐ近くです。

     

     

    「駒留八幡神社」とは、鎌倉時代に領主であった北条左近太郎入道成願が八幡大神を勧請するときに、自分の乗った馬が留まったところに社殿を造営したことから馬という意味の駒をとって「駒留八幡」と呼ぶようになったと伝えられています。

     

     

    先ほどの常盤伝説で、常盤を信じずに城から追い出し、結果的に殺してしまったことを悔やんだ頼康は、常盤を弁財天として、胎児を若宮八幡として祀りました。

     

     

    そして嘘の訴えをした12人の側室を処刑して、若林付近に埋め、常盤の塚と合わせて「十三塚」と呼びますが、現在残っているのは常盤塚だけになります。

     

     

    駒留八幡神社は胎児を祀っていることから、若宮八幡宮と呼ばれたこともありました。
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    境内には他にも、厳島神社や駒留稲荷大社などの境内社があり、色の違う複数の鳥居があるので見た目にも楽しむことができます。

     

     

    所在地 : 154-0011 東京都世田谷区上馬5丁目35

     

     

     

     

    世田谷区の花「鷺草」の由縁 鷺草伝説ゆかりの奥沢城跡「浄真寺」

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    田園都市線の九品仏駅から北に歩いて約3分で「浄真寺」に到着します。

     

     

    三棟の三仏堂に阿弥陀如来像がそれぞれ3体、合計で9体安置されていることから浄真寺は「九品仏」とも呼ばれています。

     

     

    今の九品仏という地名の由来にもなります。広い境内を進むと普段はあまり見かけない花を目にします。
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    世田谷区の花でもある「鷺草」です。真っ白で美しい姿に目を奪われます。

     

     

    境内の一角にも鷺草公園があり、夏にはきれいな花を咲かせます。

     

     

    鷺草とはどういった関係があるのでしょうか。

     

     

    かつて浄真寺の場所には、世田谷吉良氏の家臣の中でも最も優れたといわれている大平氏の城である「奥沢城」がありました。

     

     

    その大平出羽守の娘が常盤姫だったのです。

     

     

    頼康の信頼を失って城から追い出された挙句に自殺してしまった時に、常盤は遺書を書いて大切に育てた白鷺の足元に付けて奥沢城へ放ちました。

     

     

    しかし、たまたま奥沢城付近で狩りをしていた頼康がその白鷺を打ち落とし、手紙を見て常盤の無実を知ってあわてて常盤のもとへ向かいましたがすでに常盤は息絶えていました。

     

     

    白鷺が落ちた場所から一本の草が生え、鷺に似た可憐な花をつけたのです。

     

     

    この常盤伝説が由来で、鷺草が世田谷区の花となりました。

     

     

    美しい鷺草に隠れていた歴史に胸が苦しくなりますが、その歴史を知ってから訪れれば浄真寺の違った景色が見えてきます。

     

     

    常盤姫に想いをはせながら広い境内をゆっくり歩くと、かつてあった奥沢城と人々の暮らしが目に浮かぶようです。

     
    常盤姫の伝説はとても悲しい逸話ですが美しく愛されたからこそだと思うと、時を超えて会いたいとさえも思ってしまいます。

     

     

    実在した場所に立つと常盤姫がそこにいるかのような気がしてしまいます。

     

     

    世田谷区の花が歴史上の逸話に関係しているというのも感慨深いです。

     

     

     

    世田谷区に訪れた際には是非、常盤伝説ゆかりの地を巡ってみてはいかがでしょうか。

     

     

    所在地 : 158-0083 東京都世田谷区奥沢7−41−3