世田谷区に城と土俵?路面電車でゆったり訪れる世田谷区の意外な歴史
東京都世田谷区は住宅街の印象をお持ちの方が多いと思いますが、その世田谷で歴史巡りをしてみませんか。歴史公園や相撲の土俵跡地など、「世田谷区にあるの!?」と驚いてしますような想像以上の歴史旅を紹介します。
この記事の目次
世田谷にも相撲の歴史が隠れていた 奉納相撲で有名な世田谷八幡宮
東急世田谷線の宮の坂駅から西に向かって少し歩くとすぐに右手に「世田谷八幡宮」が見えてきます。
地元の方には「宮の坂の八幡様」と呼ばれて親しまれています。
1091年に源義家が戦地から帰る途中に豪雨に見舞われて、10日間滞在させてもらったことに感謝し、今回の戦勝が八幡大神様のおかげであるとして宇佐八幡宮の御分霊を勧請したという伝承があります。
鳥居をくぐり抜けると右手にはなんと、相撲の土俵が見えてきます。
こんなに近くで土俵を見ることができるのはなんだか新鮮です。
それにしてもどうして土俵がこの場所にあるのでしょうか。
ここには、ある大力士の伝説があります。狛江の岩戸に住む、鬼五郎左衛門と呼ばれる力士のお話です。
その力士が鶴岡八幡宮に参拝した際に、吉良頼康に従って八幡にご神体を賭けた大相撲の試合をしました。
そうしたら見事に優勝したので、ご神体を持ち帰り、それを勧請したという伝説です。昔から奉納相撲の勝敗によって来年が豊作か凶作かを占ったり、その年の豊作を感謝したりしたそうです。
その名残で現在でも学生が奉納相撲を行うイベントがあり、その日には相撲を見に訪れる多くの人でにぎわいます。力強い神社です。
所在地 : 156-0051 東京都世田谷区 宮坂1-26-3
公式HP : 世田谷八幡宮
世田谷の地にもかつて城が構えていた 世田谷城址公園から学ぶ昔と今
宮の坂駅から東に進んで徒歩約3分で左手に見えてくるのが「世田谷城址公園」です。
東京都指定文化財で、世田谷区唯一の歴史公園です。自然に囲まれているとても心地のいい公園です。
世田谷城は14世紀半ばに築かれ、当時世田谷周辺を支配していた吉良氏の居城でした。
しかし豊臣秀吉が小田原の北条氏を滅ぼした後、吉良氏は北条氏と婚姻関係にあったので、城は壊されてしまいました。
その後、世田谷城の石材は江戸城に使われたそうです。
現在、跡として残っているのは世田谷城址公園の中にある土塁と空堀のみになりますが、吉良氏が住んでいたころの世田谷城の広さは豪徳寺あたりから世田谷八幡宮当たりまでに及んでいたそうで、豪徳寺の御所桜あたりが本丸跡と言われています。
土塁と空堀しか残っていない現在の姿ですが、高い部分と深い部分を確認することができるので、こうやって敵の侵入を防いでいたんだなと感心します。それにしても世田谷区にお城があったなんて驚きです。
所在地 : 154-0021 東京都世田谷区豪徳寺2丁目14番1号
世田谷の歴史旅を締めくくるのは絶品鍋うどんでぽっかぽか「ふくだ屋」
宮の坂で歴史を巡ってお腹がすいたらここ。
宮の坂駅から線路に沿ってきたに歩くこと約5分のところにある、小さなおそば・うどん屋さんの「ふくだ屋」です。
豪徳寺も近くにあるので、通り道には招き猫がいっぱい出迎えてくれます。こちらのお店の窓にもかわいい招き猫がいますね。
明るいご店主に暖かい雰囲気のお店で、創業から60年、地元の方が足しげく通い、メニューはお蕎麦やうどん、丼ものなどの種類が豊富です。
中でもあつあつの鍋うどんは、寒い冬には体の芯まで温めてくれて、夏にもスタミナ補給にもってこいの一品です。
美味しいお味噌の味が体にしみます。鍋うどんを一人分で気軽に食べることができるのは魅力的ですね。
所在地 : 154-0021 東京都世田谷区豪徳寺1丁目7−8
世田谷区に歴史旅を紹介しましたがいかがでしたか。
世田谷区の住宅街の中にお城があったり、住宅街の中で相撲大会が行われたり、歴史巡りできる名所がたくさんあるのは意外でしたね。
世田谷区にも、宮の坂付近にもまだまだ歴史があります。
ぜひ世田谷区の歴史巡りに是非出かけてみませんか。