源頼朝が愛した椿 桜 桃と三崎の歴史と絶景を巡る旅へ出かけよう
源頼朝と聞くと鎌倉を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし神奈川県「三崎」もまた、源頼朝に「風光明媚の地」と賞賛された地であります。今回はそんな源頼朝が三崎につくった三つの御所を巡ってみましょう。
この記事の目次
源頼朝が寵愛した女性に向けて椿を植えた三崎の椿の御所「大椿寺」
京浜急行三崎口駅から京急バスで約20分、椿の御所で降りて約3分歩くと大椿寺に到着します。幼稚園が併設されていているものの境内には静かな時が流れています。大椿寺は、源頼朝が椿の御所として設置した跡地でもあり、源頼朝が寵愛していた妾の山荘があり、椿の花が邸内を埋め尽くしていたそうです。とてもロマンティックですよね。源頼朝没後に、この女性は尼となり、建長寺から旭永和尚を迎えてこの椿の御所を「大椿寺」と改めました。現在でも春先に訪れれば、頼朝が愛した椿の花が見られることでしょう。
大椿寺の境内には市指定重要文化財の埴輪があります。1958年の城ヶ島大橋の工事の際に、この大椿寺の裏山で多くの埴輪のかけらが見つかったそうです。
大椿寺の土地は源頼朝が活躍した鎌倉時代よりもはるか昔から三崎の歴史を見つめていたのでしょう。ぜひ大椿寺で歴史を感じながら椿をご堪能ください。
神奈川県指定有形文化財の銅鐘を納めた三崎の桜の御所「本瑞寺」
京急バス日の出バス停から歩いて約5分、三崎日の出通り商店街から細い道に入ったところにある階段を登りきると本瑞寺にたどり着きます。
本瑞寺は丘の上にあるため急な階段を登りますが、登りきり後ろを振り返ると、商店街のお店の連なりやその先に三崎港、さらには城ヶ島まで見え、三崎の海を一望できます。是非振り返ってみてください。
源頼朝はこの本瑞寺からの景色に心を打たれ、現在の城ヶ島に桜がたくさん植えられていたことから桜の御所と命名し、桜の木を植えたと言われています。現在も数本ですが桜の木が残っていますので、桜の花が咲き乱れる春もおすすめです。
境内には神奈川県指定有形文化財の銅鐘があります。この銅鐘は1344年の室町時代につくられたものです。直接触れることはできませんが、近い距離で見ることができるので、壮大な歴史とともに迫力を感じます。1821年の江戸時代につくられた木造の山門なども、当時のものが残っているので大変貴重です。源頼朝も愛した三崎の景色を堪能できる本瑞寺へ是非お立ち寄りください。”
将軍源頼朝や文豪北原白秋に愛された三崎の桃の御所「見桃寺」
京急バス三崎港バス停から約10分歩くと見桃寺に到着します。 桃の御所の跡地、見桃寺は住宅に囲まれた場所にひっそりとあります。お寺と聞いて連想する外観ではありませんので看板を参考にするとよいでしょう。中は入れませんが見桃寺本堂の中には市指定重要文化財の薬師如来立像が納められています。
本堂の左右には庭園があり、様々な種類の草木やたくさんの花木が植えられています。そしてその中に石碑を見つけました。見桃寺に関係が深い歴史上人物の詩人・北原白秋が直筆した唯一の石碑です。北原白秋は27歳の時に死を覚悟して三崎の地を訪れましたが、三崎に魅了されて移住してきました。移住後、北原白秋は三崎を描いた作品を多く残しています。鎌倉時代には将軍から、明治時代には文豪から愛された見桃寺の魅力を現地を訪れ感じてみてください。
今回は鎌倉幕府の将軍・源頼朝が愛した神奈川県「三崎」の三つの御所を紹介しました。椿、桜、桃はどれも春が見頃のお花です。互いに約10分あれば移動できる距離にあるので、ぜひ春の気持ち良い風を浴びながら、三つの御所を巡って歴史と美しい三崎の景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。