東京世田谷区 招き猫が埋め尽くす豪徳寺と歴史でつながる松陰神社
東京の歴史旅に連れて行ってくれるのは、地元の人にもなじみが深い路面電車「東急世田谷線」です。東急世田谷線沿いには、世田谷区でも有名な「豪徳寺」と「松陰神社」があります。歴史でつながる2つの神社をひも解いてご紹介します。
この記事の目次
猫好き必見 実はあんなところにも隠れ猫が?世田谷区の「豪徳寺」
東急世田谷線宮の坂駅から目と鼻の先にあるのが「豪徳寺」(ごうとくじ)です。
境内を進むと三重塔があり、そこには干支が彫刻されてるので通り過ぎず是非見てみてください。
三重塔をよく見ると、二段目の屋根の下に「毬を抱いた猫」がいます!
本物の猫が毬をもって私たちを覗いているようでとてもかわいいです。
知らなければ見過ごしてしまいそうですが、実は他にも何匹か猫が隠れているので、是非隅々まで三重塔の猫を探してほしいと思います。
さらに奥へ進んでいくと招き猫の販売店があり、さらにその奥に見えてくるのが、奉納されたたくさんの招き猫達です。
本当にたくさんいます。いったい何匹いるのでしょうか!四方八方が招き猫で埋め尽くされている様相は思わずクスッと笑ってしまいます。
招き猫は通常右手を挙げていますが、実は左の手を挙げている猫もいます。
右手を挙げていれば「金運」を招き、左手なら「人」を招きます。招き猫に願いをかけて、願いが叶うとこちらにに奉納するのが良いそうなので、好きなサイズの招き猫を買って、願いをかけてみませんか。
所在地 : 154-0021 東京都世田谷区豪徳寺2丁目2−24−7
招き猫に招かれたのは誰?世田谷区豪徳寺の国指定遺跡「井伊家墓所」
豪徳寺の境内には、国指定史跡である井伊家の墓所があります。
井伊家と言えば、安政の大獄や桜田門外の変の井伊直弼です。
学校で必ず習うので有名ですよね。
墓所の一番奥にその井伊直弼の墓があります。
井伊直弼は桜田門外の変で首をとられましたが、生きているように見せかけるために、直弼と体格の似た遺体と首をくっつけた、という話も耳にしたことはありますか。
当時の技術で腐らないようにできたのだろうかと疑問に思うかもしれませんが、なんと塩漬けにして腐らないようにしたそうです。
当時の人のアイデアには目を見張ります。
もう一人、井伊家の中で豪徳寺になくてはならない存在が、井伊直孝です。
井伊直孝が鷹狩の帰りに木に座っていた時にで猫が手を招いてきました。
そこで猫のもとへ行くと、直孝が座っていた木に雷が直撃したそうです。
助かったことに感謝した井伊直孝は豪徳寺に多くの資金を寄進したのが、招き猫のルーツだと言われています。
諸説ありますが、この写真の門が直孝が猫に招き入れられた門だと言われています。
所在地 : 154-0021 東京都世田谷区豪徳寺2−24−7
偉大な吉田松陰を求めて 松下村塾で有名な世田谷区「松陰神社」
東急世田谷線の松陰神社前駅から北に約1分歩くと到着するのが「松陰神社」(しょういんじんじゃ)です。
松陰神社の中でやはり注目したいのは「松下村塾」です。
松下村塾は吉田松陰の叔父である玉木文之進が建てた私塾で、松陰が後を引き継いで教鞭をとりました。
世田谷の松陰神社にあるこちらの松下村塾は模造ですが、先生と生徒の距離感や、部屋の雰囲気が分かり、授業をしている様子が目に浮かびます。
模造の松下村塾は最初に松下村塾が開かれた萩から建築資材を取り寄せて建てました。
吉田松陰が実際に生徒に教えていたのはわずか2年半ですが、この松下村塾から明治維新で活躍した高杉晋作や山縣有朋、伊藤博文などの逸材が生まれました。
吉田松陰は井伊直弼による安政の大獄で投獄され獄死しますが、多くの若者に影響を与え、逸材を世に送り出した功績を称えられています。
鳥居の先にお墓がある情景は珍しいので是非お立ち寄りください。
所在地 : 154-0023 東京都世田谷区若林4-35-1
公式HP : 松陰神社
「安政の大獄」で紐解く豪徳寺と松陰神社と溢れんばかりの招き猫をご覧いただきましたがいかがでしたか。
安政の大獄で命を奪った井伊直弼と、命を奪われた吉田松陰が偶然にもこんなに近くに眠っているのです。
東京で気軽に立ち寄れる、歴史旅に出かけてみませんか。