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北条氏に豊臣秀吉!天下統一の舞台となった神奈川県小田原の魅力

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    小田原駅を出ると、街中のいたる所で見かけるのがさまざまな形をした模様。大森氏、北条氏、大久保氏…。そう、家紋です。そんな有名な武士たちが大きな戦をしたのが小田原という街です。山や海、自然に囲まれた小田原の街。いったいどんな歴史が眠っているのでしょうか。

     

     

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    450年の歴史!小田原城とも関係が?地元の方に愛される大稲荷神社

    小田原駅西口の大稲荷神社

     

    小田原駅西口を出て約徒歩5分。狭い小道を抜けた先にたたずむのが、こちらの大稲荷神社(だいなりいじんじゃ)。どっしりと構えた赤い鳥居を抜けると、木々に囲まれた階段がどこか異世界へと連れて行ってくれそうな、そんな風景が広がっています。神社のすぐそばにある、カンカンカンと鳴る踏み切りの音が風に運ばれ、のどかでさわやかな空気の中でお参りすることが出来ます。

     

    こちらの神社は北条時代から450年近く続いている歴史ある神社で、小田原城の鬼門除稲荷として、地元の方には「だいなりさん」と呼ばれ、親しまれています。境内には「錦織神社」という神社があり、名前が同じであるテニスの錦織圭選手の影響で、訪れる方が増えているようです。

     

     

     

     

    命がけで領民を守った!小田原の心優しい武将 ・氏照の墓所

    北条氏政・氏照の墓にある幸せの鈴

     

    小田原駅の東口を出ると、「おしゃれ横丁」という、昔ながらのラーメン屋や居酒屋などが立ち並んだレトロな商店街があります。どこか懐かしい気持ちに浸りつつ、カフェや飲み屋のある細い路地を抜けていった先にひっそりとあるのが、「・氏照の墓所」。注意していないと通り過ぎてしまうような、小さなお墓です。こちらには北条氏政、氏照、そして氏政夫人が眠っているとされており、お墓の手前にある生害石と呼ばれる石の上で氏政、氏照が自刃したとされています。

     

    なぜ命を絶たなければならなかったのでしょうか。実は氏政と氏照は、豊臣秀吉に攻められ小田原城に籠城することを決意しました。しかし、長引く攻防戦の中、これ以上領民たちにつらい思いをさせられないと、自分たちの命をかけて開城することを選んだのです。そういった優しい想いは領民たちにも伝わって、氏政と氏照はとても慕われていたといいます。鈴に願いをかけて持ち帰り、願いが叶ったらここに結びに戻って来る。そうして集まったたくさんの幸せの鈴が、氏政、氏照公への供養となると信じられています。

     

     

     

     

    難攻不落? 戦国時代最大の巨城、「小田原城」のスケールやいかに!

    小田原城へつながる学び橋

     

    同じく小田原駅東口、・氏照の墓所から反対方面に歩くと見えてくるのが、鮮やかな赤い色でまっすぐと伸びた小田原城の「学び橋」。そこから見える城壁の様子からしても小田原城の広さが伝わってきます。戦国時代最大の城郭と言われた小田原城の広さを体感したい方は、馬出し門から銅門、常盤木門、そして天守閣という順で一周するのが一番いいそうです。実際に歩いてみると、門から門までには、かつては屋敷があったというほどの非常に広い敷地があり、天守閣につくまでには一苦労。途中に歴史見聞館があるのでそこで足を休めながら小田原の歴史について知識を深めるのもいいかもしれません。

     

    中には北条氏に関するパネルや小田原合戦についての人形劇など、濃い内容がいっぱい詰まっています。資料館で当時の臨場感を味わい、当時の武将たちはこの道を行き来していたのか、大変だなあ、と当時のことを想像してみると、今にも武将たちの声が聞こえてきそうです。

     

     

     

     

    戦国一の城のてっぺん!「」から望む、四季折々の小田原の街

    下から望む小田原城天守閣

     

    しばらく歩くといよいよ天守閣です。天守閣の中にも数多くの資料が置いてあり、歴史ドラマやクイズを見て楽しみながら学ぶことが出来ます。そして小田原に関する知識もそろそろ深まったところ。

    登り続けてついに、小田原城天守閣の頂上へ。外へ出ると、小田原の街が一望する世界が広がり、風が心地よくて気持ちが良いです。それにしても本当に小田原城は広い!上から眺めて改めてその広さを実感できます。秀吉軍が他の軍と組んで総攻めするまで、誰も倒すことが出来なかったのも納得の規模です。

    ちなみに小田原城では1~2月には梅の花、3~4月には桜、5月はふじの花、6月は花菖蒲、8月にはハスの花、11月には紅葉が楽しめるそうなので、ぜひ一度、自然の中にそびえたつ小田原城を見に訪れてはいかがでしょうか。

     

     

     

     

    一夜で築かれた城? 天下統一まであと一歩!秀吉の小田原「一夜城」

    さて、小田原城について説明してきましたが、難攻不落ともいわれた小田原城も終わりを告げます。そんな小田原城を倒したのがあの有名な武将、豊臣秀吉です。秀吉が小田原城の北条氏に対抗して石垣山に建てたのが、一夜城です。一夜城までの電車やバス等は無いので、小田原駅から電車で2分のところにある早川駅から、徒歩、車、タクシーのいずれかで行きます。今回は徒歩40分といわれる道のりを、歩いて行ってみました。一夜城に着くまでに8人の武将の説明版が順番に立っているのでそこを目指して歩きます。

    石垣山一夜城までのハイキングコース

     

    「美しい日本のあるきたくなるみち500選」にも選ばれているハイキングコースを行くのですが、これがなかなかきついのです!きつい坂道が続くので途中からは無心でひたすら足を動かしました。体力に自信のない方はぜひぜひ車でいらしてください。しかしながら、到着した時の達成感は徒歩に勝るものはありません!山から見下ろす景色、広い空、広い海、気分は爽快です!こんな眺めの素晴らしい場所に築かれた一夜城ですが、もちろん一夜で建てられたわけではありません。城を完成させた後、周りを囲っていた木々を一気に切り倒し、それを一夜にして城が出来上がったと小田原城の武士たちが勘違いしたことから一夜城と呼ばれました。

     

    石垣山の一夜城跡

     

    実際の一夜城はもう遺跡となっており草木が生い茂ってしまっていますが、岩の大きさ、敷地の広さからも、当時の迫力を感じることが出来るのではないでしょうか。

     

     

     

     

    人気シェフの絶品スイーツ!小田原の「一夜城ヨロイヅカファーム」

    一夜城の向かいにある一夜城ヨロイヅカファーム

     

    そんな一夜城と道路を挟んで目の前にあるのが「一夜城ヨロイヅカファーム」。あの鎧塚俊彦シェフが手掛けた店として名高いパティスリーです。ハーブ園やベリー園などの農園が併設されており、シェフの食材へのこだわりがつまっています。お店には、すべて買ってしまいたくなるほどのきれいなケーキやジェラートがいっぱい。奥に進むとカフェやランチを楽しむ場所もあります。せっかくなので今回は『アシェット一夜城(小田原スイーツプレミアム)』を頂いてみました。

     

    一夜城ヨロイヅカファームで頂くショコラと早川レモンのスイーツ

     

    濃厚なオーガニックショコラに爽やかな早川レモン。そこに紅茶のアイスが添えられており、食べてしまうのがもったいないほど美味しく、旅の疲れを癒してくれました。外に出ると海が一望でき、ベンチなどもあるのでゆっくり景色を楽しみながらジェラートを頂くこともできます。帰りは一面に広がる海を見ながら、下り坂を歩いて帰るのもいいかもしれませんね。

     

    以上、小田原の街を紹介してまいりました。

     

    教科書で何となく読んでいたものを、実際に肌で感じることができる小田原。その地域で育まれた歴史を読み解き、当時の暮らしを想像しながら歩いていると、武士たちの気持ちに想いをはせることができます。強く偉大であるような、でもちょっと切ないような武士の姿も発見できるのではないでしょうか。自然と歴史がまじりあう、とても素敵な街。

     

    武士の息遣いが聞こえてくるような、そんな小田原という街に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。