奇怪な牛鬼が街中を練り歩く!愛媛県の宇和島牛鬼祭り・八鹿踊りとは
松山市から車で2時間の場所にある宇和島。現存12天守のひとつでもある宇和島城が有名で年間多くの人が訪れます。
中でも1年で一番の盛り上がりを見せる牛鬼祭りに八鹿踊り。
今回は宇和島市民の魂とも言える牛鬼祭りや八鹿踊りをご紹介します!
この記事の目次
毎年7月に開催!和霊神社の「うわじま牛鬼まつり」の魅力を徹底解説
毎年7月に和霊(われい)神社で行われる「うわじま牛鬼まつり」。
この神社は、宇和島伊達家に仕えて暗殺された山家清兵衛を祀った神社です。
愛媛県宇和島市の牛鬼ですが、牛鬼は竹で組まれた胴体、頭と尾で構成され、白もしくは赤や黒の布を被せてあります。お祭りではこの頭と尾を激しく動かし、回転させて気勢をあげます。
お祭りの当日、町へ降り立つと早速竹のブーブーというブーヤレの音や牛鬼が口を鳴らすカッカッという音、太鼓の音が響いていました。
牛鬼はお世話になっている家やお店などをまわりながら、ひとまず商店街へ集まります。
商店街では各チーム競うように様々な牛鬼を披露していました。
「うわじま牛鬼まつり」の主役「牛鬼」西日本各地に広がる牛鬼伝説とは
さて、お祭りの主役のような牛鬼ですが、「鬼」と付くだけあって、かなりの強面です。
ちなみに牛鬼は地獄にいるとされる牛頭鬼のことを指します。
伝説では天正のころに香川県高松市の山中に牛鬼が住んでおり、村人たちを苦しめたとされていますが、宇和島に伝わるのはまさに正反対!
ウショウニやウショウニンといって、神輿の先駆けとして悪魔を払い、旅所への道を清める役割をもつとされているのだとか。
まさに毒を以て毒を制すですね。
商店街でのお披露目の後は宇和津彦神社へ向かいます。
夜になると川への走り込みなども見ることができるのだとか。
うわじま牛鬼まつりだけじゃない!宇和津彦神社の秋祭りと八ツ鹿踊り
ちなみに宇和島で有名なお祭りのもうひとつが「宇和津彦神社の秋祭り」。毎年10月29日に行われます。
このお祭りでメインとなるのが八鹿踊り。
八鹿踊りは、児童8人が鹿の頭をかぶり、その面から垂らした紅葉染めの布で上半身を隠し、胸に抱えた小太鼓を打ち鳴らしならが歌って踊る伝統芸能です。
八鹿踊りの由来は、旧仙台藩領に伝わる「鹿踊り」とされています。
慶長19年(1614年)奥州の伊達政宗の嫡子である秀宗が徳川家康により宇和島藩10万石の大名に取り立てられたことから始まります。
秀宗は4歳で豊臣秀吉の人質になり、やがて秀吉の猶子として元服。
秀吉の秀の文字をもらい秀宗と名乗りました。
しかし関ヶ原の戦い、大阪夏の陣・冬の陣が終わり、家康が実権を握ると、徳川家の人質となりました。
秀宗が宇和島藩の大名になることとなり、おつきのものが沢山ついてきたといいます。
上士58騎をはじめとして、町民、職人、馬丁など様々!
このほかにも風流な郷土の鹿踊を踊る人がおり、それを取り入れて鹿踊りができたと言われています。
和霊神社の夏の「うわじま牛鬼まつり」や、宇和津彦神社の「秋祭り」に登場する、牛鬼や八ツ鹿踊りをご紹介してまいりましたが、いかがでしょうか。
宇和島の魅力がたくさん詰まった2つのお祭り。ぜひ夏や秋のお出かけの参考にしてみてくださいね。