高知県足摺岬に佇む謎の巨大遺跡!唐人駄馬巨石群の歴史や成り立ちとは
高知県土佐清水市、足摺岬の山の中に不思議な巨石群が林立する「唐人駄場遺跡」。唐人とは異人、駄場とは平らな場所という意味を持ち、この周辺では縄文~弥生時代の石器や土器などが多数出土していることがわかっています。
今回は古代の巨石信仰をめぐる歴史旅をご紹介します!
謎のストーンサークル「唐人駄場巨石群」その歴史とは
縄文時代早期から弥生時代にかけての石器や土器片が数多く出土した遺跡、唐人駄馬巨石群。
土佐清水市街から足摺半島へ向かう「椿の道」の中間点付近を右折して約1キロメートル行った場所に位置します。
唐人石と呼ばれる高さ6~7メートルもある花こう岩が山中に点在し、古代ロマンあふれるパワースポットとして人気を集めています。
足場が組まれている所は登ることができますが、足元はすくみます!
巨石の上からの太平洋の眺めは素晴らしく、晴れている日にはオーストラリアが見えるとか見えないとか…
ちなみに、この遺跡からは縄文時代の石器、土器片が出土しているようです。
しかし、遺跡に無知であった人々がストーンサークル周辺を破壊して整地してしまったのだとか。
なぜこの森の中に、このような巨石群が存在するのでしょうか。自然現象か人工物か謎多き巨石群を散策してみます!
太古のパワーを感じながら唐人駄馬を散策!ストーンサークルやその魅力とは
早速実際に巡ってみました。
車を停めた場所にある看板には順路が示されていました。
ゆっくり見て回って30分というところでしょうか。
こちらは唐人岩。
海を渡ってくる人たちの目印になったのだとか。唐人とは異人、光り輝く神の居場所という意味があります。
花崗岩の中に含まれる石英が太陽光によって反射し、海からでもこの場所がわかるといった研究もされているようです。
亀石。
亀が首を上げたように見えると言われています
千畳敷石。
案内板によると古代に巫女たちが神楽を舞った伝説から「神楽石」とも言われるそう。
自然による浸食とは思えないほど、鋭く切れた「鬼の包丁石」をはじめ、
組成が異なる二つの岩が並ぶ「祭壇石」など、不思議な形や伝説が残る岩が次々と現れます。
巨岩の密集するパワースポット唐人駄馬に想いをはせる
足摺半島最古の人類の足跡を記したこの遺跡群はなんと縄文早期(7000年程前)の玦状耳飾(三角形に近い形の耳飾り)が出土したそうです。
さらに縄文前期(6000年程前)の擬似縄文土器片につづき、石斧、石錐、石鏃、スクレイパー(ヘラ状の器具)などが出土し、縄文早、前、中期また弥生の土器片、有史時代の須恵器片と併せて、原始、古代の人々が生活していた跡が残るそうです。
ちなみに縄文前期頃には、いまよりも15〜20mも海が高かったそうです。
この時代に狩りをして歩いた原始人の人々は、冬も暖かく、南向のなだらかな斜面陵丘の続くこの地に住居を定め、海辺に魚貝を獲り、山野に猟をしたのではないでしょうか。
足摺岬にある唐人駄馬遺跡群の歴史をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
足摺岬には、空海が辿った足跡であるお遍路のお寺、第38番札所、金剛福寺や弘法大師(空海)七不思議などもあり、観光スポットや歴史旅スポットが盛りだくさん!
ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。