石見銀山の温泉地 世界遺産極上の湯を味わい尽くす旅を温泉津温泉で
世界遺産石見銀山の構成資産である島根県大田市温泉津(ゆのつ)。
石見銀山の興隆とともに、日本海沿岸の主要港となり、港として栄えるだけでなく、約1300年も前より湯治場として多くの人々を癒してきました。
現在も受け継がれる文化と食文化の海の幸と山の幸を体感しに出かけましょう。
この記事の目次
古き良き時代への郷愁を感じる世界遺産石見銀山の湯治場 温泉津温泉
大阪より新幹線を利用し、岡山まで約50分。
岡山からJR伯備線で出雲市駅まで約180分電車で揺られ、さらにJR山陰本線に乗り換え特急で約30分で大田市駅へ。
大田市駅からさらにJR山陰本線で約40分で温泉津温泉駅にアクセスが可能です。
温泉津温泉駅から徒歩約15分で温泉津の港町へ着きます。
電車から降り約15分歩くと、レトロな雰囲気が漂う、落ち着いた街並みが広がります。
島根県の中西部沿岸の入り海に築かれ、世界遺産の石見銀山の外港として発展した港町である大田市。
島根県大田市の石見銀山は世界遺産に登録されています。
世界遺産の構成資産は、「石見銀山遺跡とその文化的景観」となっており、大森地区や600余りも残されている間歩、
そして間歩で掘り進めるうちに、粉塵を吸い、灯りをともす菜種油の油煙を吸い、
酸素が乏しい高湿度という環境での重労働でなくなった多くの人々を供養するための羅漢寺、
石見神楽、銀積み出し港の沖泊(おきどまり)への道である温泉津温泉地区などが世界遺産登録の構成資産になっています。
世界遺産の登録理由は大きく3つあります。
日本からヨーロッパへもたらした経済的影響のひきがねとなったこと、銀生産の遺跡がのこっていること、文化的景観を自然と共生していまに伝えていることになります。
石見銀山で生産された大量の銀は、アジアだけでなくヨーロッパ諸国との経済的、文化的交流をもたらしました。
それは、大航海時代の16世紀にヨーロッパで当時制作されたアジアや日本地図を見てわかります。
石見銀山を指して「銀鉱山王国」と記されるほどの影響力を持ちます。
また採掘から精錬まで小規模で行われたことから、鉱山開発や銀生産にかかわる遺跡が非常に良好に残されています。
石見銀山には「間歩(まぶ)」と呼ばれる銀鉱石を採掘するための坑道が大小合わせてなんと600か所以上も存在しています。
多くの人々が小規模のグループで銀鉱山の採掘をしていたことがわかります。
銀鉱山にかかわる遺跡は、その集落も含め自然環境と一体となった文化的景観を形成しています。
環境に配慮し自然と共生した土地利用が今に伝えられているのです。
世界遺産の構成資産の中から、温泉津についてピックアップしてお伝えします。
温泉津は、石見銀山の興隆とともに日本海沿岸の主要港となり、戦国時代には沖泊と一帯的に石見銀山の銀積み出し港として栄えました。
そんな温泉津のまちなみと温泉津温泉についてめぐってみます。
のがわや旅館で体感約1300年の歴史を持つ重伝建温泉津 湯治の湯
JR温泉津駅から車で5分、伝統的建造物群保存地区である温泉街の中にのがわや旅館はあります。
温泉津のまちは、石見銀山、沖泊港と共に同時に世界遺産に登録されています。
のがわや旅館は、1924年(大正元年)から続く旅館で、多くの人々をお迎えしてきました。
駅に到着時、電話を入れれば車で迎えに来てくれます!
事前に到着時間を知らせていれば駅で待っていてもらえるようです。
帰りも駅まで送っていただきました。
のがわや旅館の外観はこちらです。
趣のある佇まいです。奥にいらっしゃるのが、のがわや旅館の旦那さんです。
ひとりで泊まったお部屋です。非常に落ちつく空間でした。
お風呂は、ゆっくりと湧出する限られた温泉を地域で大切に使っているそうで、
「岩風呂」「石風呂」「貸切風呂」の3つが用意されていました。
温泉津の温泉はその多くがシャンプーやボディーソープなど、体を洗うものが用意されていません。
フロントで購入可能ですが、こだわりのある方は持参することをおすすめします。
「貸切風呂」というのはその名のとおり貸し切りで入れる温泉です。
性別関係なく入れるということで、恋人たちや家族にはうれしいお風呂ですね。
わたしは旦那さんのご厚意でこの「貸切風呂」に入らせていただいたのですが、こちらにはシャンプー、リンス、ボディーソープが容易されていました。
お湯はうっすら緑がかっているように見える濁り湯です。古くから温泉治療でも用いられてきた名湯で、肌がすべすべになります!!
温泉津の温泉の始まりは諸説あり、旅の僧が、湯に浸かって傷を治している狸を見つけたとか、
縁結びの神様大国主命が病気のウサギをお湯に入れて救ったことから始まったともいわれています。
お湯に入って頂ければ、肌がスベスベするのが実感できます。
発見されてから約1300年の歴史を持ち、湯治場として評判の由緒ある温泉です。
現在もその薬効の高さから入浴者のたえることがありません。
外湯は「元湯泉薬湯」と「薬師湯」の2箇所あり、
両方とも源泉に一切手を加えない、生の温泉が浴槽に入っています。
山が迫り海が広がる温泉津 美しく絶品な名産品を心ゆくまで楽しむ
お風呂から上がって、部屋で一休み。
泊まったお部屋には、分厚いファイルが用意されていました。
なんとこのファイルの中には温泉津全体の観光情報がぎっしり載っています。
旅館からの徒歩時間まで細かく書いてあるので これがあれば温泉津観光は間違いなしです。
お部屋でくつろいでいると、食事の時間になりました。のがわや旅館の夕食はお部屋まで、全て運ばれてきます。
大田市は山にも海にも恵まれた土地で、山の幸も、海の幸も、両方を楽しむことが出来ます。
のがわや旅館の食事は、その日とれた魚などの食材をふんだんに使用したこだわりの料理です。
こちらは黄身寿司というもので、ふんわり甘い黄身でできたペーストのうえにサーモンがのせてあります。
あまじょっぱいような絶妙な味で、びっくりするぐらいおいしかったです!
サワラ、バイ貝、タイ、白子、ウニ、鴨肉、キノコなどを使用した料理が次々に運ばれてきます。
至れり尽くせり、とはまさにこういうこと。
至福の時を過ごすことができました。
温泉津を訪れる際は、歴史、文化的景観、街並み、温泉、そしてグルメ、余すことなく楽しんでください。
所在地 : 島根県大田市温泉津町温泉津ロ30 URL http://www.nogawaya.com/”
世界遺産石見銀山の興隆、日本海沿岸の主要港となった温泉津の歴史をお伝えしてきました。いかがでしたか。
約1300年もの間愛され続ける世界遺産の温泉地では、いまも変わらない暖かいおもてなしと極上の温泉が息づいています。
ぜひ、文化と歴史を体感しに温泉津に出かけてみてはいかがでしょうか。