坂本の魅力 世界文化遺産 延暦寺と神仏習合の山 比叡山をめぐる
滋賀県大津市にある比叡山。比叡山と聞けば誰もが思い浮かべるのは延暦寺だと思います。
そんな京都の玄関口として重要であり、世界文化遺産にも登録された比叡山延暦寺の歴史を感じる旅に出かけませんか。
人里から離れた延暦寺の建物とそこでの修行の様子は歴史の重みを感じさせるものでした。
この記事の目次
険しい山道を登る坂本ケーブルと比叡山麓の延暦寺までの遠い道のり
JR比叡山坂本駅より徒歩約20分、日吉大社の参道を進み突き当たりを左に曲がるとケーブル坂本駅に着きます。
ケーブルは30分間隔で運行しています。
開業当時から約90間その姿を今に伝えている2つの駅舎は登録有形文化財に選定されました。
そのケーブル坂本駅とケーブル延暦寺駅間、日本最長の2025mを11分で結ぶケーブルです。
天気が良い日には車窓から琵琶湖の絶景が眺めることができるそうです。
あいにく天気が悪かったのですが、木々に囲まれた山の急こう配を登るケーブルは迫力があります。
ケーブル延暦寺駅に着くと、麓とは別世界に来た感じがします。
空気が澄んでいて景色も雄大です。
ケーブル坂本駅 所在地 :滋賀県大津市坂本本町4244
坂本のまちの歴史とともにある 延暦寺発祥の地 「東塔」をめぐる
ケーブル延暦寺駅から山の中を歩くこと約10分東塔に着きます。
世界文化遺産である比叡山延暦寺は、山全体が寺域であり、「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」の3地域をあわせて比叡山延暦寺と呼びます。
その中で、東塔は延暦寺発祥の地と言われています。
比叡山の総本堂 「根本中堂」(国宝)には伝教大師最澄ご自作の本尊薬師如来像があり、
その前には開創以来1200年以上消えることのなく「不滅の法灯」が灯り続けています。
堂内の写真を撮ることはできませんが、歴史と威厳を感じる素晴らしい様子でした。
また、本尊や法灯は参拝者の目の高さにあり、「仏凡一如(仏も人もひとつ)」という教えを表しているそうです。
ぜひ、その目で確かめてみてください。
※根本中堂は2016年より10年間大改修が行われていますが、改修中も堂内を参拝できます。
根本中堂の向かいにとても急な階段があり驚きます。
登りきると「文殊楼」があります。これは比叡山の総門の役目を果たす重要な楼門(ろうもん)です。
中に文殊菩薩がまつられていて、受験生の合格祈願に人気があります。
また、実際にこの文殊楼の屋根裏に登ることができ、中に祭られている菩薩様を見ることができます。
ほぼ直角な階段を登らないといけないので大変ですが、建物の大きさを実感しました。
比叡山延暦寺の歴史から鑑みる 神と仏が生きる坂本のまち
根本中堂へ向かう階段の手前に,大講堂に向かう細い道があります。
この道を進むと、
朱色の柱と大きな鐘があります。
これは「開運の鐘」で、この鐘の音は麓の坂本のまちにまで響き渡ります。
大晦日の除夜の鐘の音もこの鐘の音であるそうです。
比叡山は神仏習合の山と知られ、延暦寺(仏教)と日吉大社(神道)が相互に関わり合っています。
伝教大師最澄の教えから神仏習合が守り続けられています。
そんな点で延暦寺は宗教に対して一歩踏み込んでいると言えると思います。
比叡山延暦寺は1994年に世界文化遺産に登録されましたが、住職の方にお話を聞くと、
建物ではなく、修行や儀式のことが評価されたとおっしゃていました。
四種三昧(ししゅざんまい)や十二年籠山行(じゅうにねんろうざんぎょう)などの修行の教えを1200年守り続けていることが評価されたことであり、誇り高い歴史であると言えます。
住職の方の貴重なお話しを聞け、比叡山延暦寺の歴史と「神と仏が生きるまち」と坂本のまちが呼ばれる理由も詳しくわかりました。
そして1200年もの間、修行や教えを守り伝えている伝統に圧巻されました。
比叡山延暦寺 所在地:滋賀県大津市坂本本町 4220
世界文化遺産 比叡山延暦寺をめぐる旅はいかがでしたでしょうか.
まだまだ,紹介しきれない歴史と伝統をもつ延暦寺には魅力がたくさんです.
日本最長のケーブルに乗り,人里離れた1200年の歴史ある修行の場に足を運んでみませんか。