願いを聞いて病を治す不思議な町 南会津・永田の三十三観音巡り
福島県南会津町会津田島駅から車で約10分のところにある永田。
ここには日本遺産に指定された観音様を巡る「永田三十三観音」や、七不思議が存在します。
今回は人間の願いを聞き入れ叶えてくれるパワースポット・永田を散策します。
この記事の目次
日本遺産に指定された南会津「永田三十三観音」の起源とその由来
会津田島駅から車で約10分に位置する永田。
白い鳥居をくぐり、階段を上ったところに看板が見えます。
ここが永田三十三観音の入り口となっていて、三十三観音巡りの起源と、永田三十三観音の由来が記されています。
観音様は人が救いを求めると直ちに救済する菩薩のことであり、人を救うために33種の化身をすると言われています。
西国三十三番札所はその功徳に与るためにできたもので、1番は紀伊の国から33番は美濃の国まで33か所全ての観音様を尋ね歩きます。
永田三十三観音は、永田の本宅、第29代渡部又左衛門がその西国三十三番札所を巡礼した際に33か所ぞれぞれの墓場の土を拝受し持ち帰り、1806年(文化3年)から3代にわたって永田の山に埋めながら仏像を彫刻してできました。
交通手段も発展しておらず、西国三十三番札所を回るのが極めて難しかったため、それらを永田に集結させたのです。
そんな永田三十三観音は、今年4月に「会津の三十三観音めぐり」として日本遺産にも指定されました。
全国を約1時間で巡る!?南会津「永田三十三観音」を実際に散策
先ほどの看板を右側に進んで最も高いところまで登っていきます。
登り道ですが歩くのは辛くなく、大きな木々に囲まれているので気温が低く夏でも少し涼しく感じました。
一番上にある鷲神社にたどり着きました。
ここから永田三十三観音はスタートします。
それぞれの仏像の横には、どの国の何寺からの土が埋められているのかと、短歌が記載された札が建てられています。
歩いていると、仏像が必ず道の方に向いていないことに気がつきます。これは、仏像が各々埋められている土の寺の方向を向いているためであり、そのため通る道とは全く異なる方面を向く仏像を見ることができます。
その例が第32番。
歩く方面とは反対側に像があるのを見つけることができました。
このように歩きながら全てを巡った最後の第33番は、入口の看板のすぐ左にあります。
約1時間で三十三観音を一周することができました。
願いを込めながら33の仏像全てを見て回ることで全国から選ばれた寺を回ったことになるのはお得に感じる一方で不思議な感覚でした。
鷲神社所在地 : 福島県南会津郡南会津町永田鷲山
南会津 永田に隠された七不思議 三十三観音で見られる不思議を紹介
永田には七不思議が隠されています。
その中でも、永田三十三観音を巡る中で発見できる3か所を紹介します。
まずは永田三十三観音の入口前にある、「大石灯籠」(おおいしどうろう)。
文化11年(1814年)に鷲神社の常夜灯として建てられたこの灯籠は、火を灯し祈ることで病が癒えると言われています。
灯篭の上の部分が人間の頭、下の部分は足というように灯篭が人間に対応していると考え、自分が治したい部分にあたるところを触ると良いそうです。
続いて、鷲神社のすぐ隣にある、「疣清水」(いぼしみず)。
この泉の水をいぼのある皮膚にかけるといぼが治ると言われています泉の横には実際にいぼが治ったことを感謝する張り紙を何枚も見ることができます。
自然と湧いている水のため成分がわからないにも関わらず、実際に治った報告があるのを見ると本当に不思議だと感じました。
最後に紹介するのは「金蔵院祭霊跡碑」(こんぞういんさいれいあとひ)。
永田三十三観音の第28番近くの釈迦堂の隣にあります。こちらには幼子の病を治す力があるという言い伝えがあります。
七不思議も人間の願いが込められていて、病を治すものが多いのはそれだけ人間の最大の悩みなのかなと思わされます。
西国の33か所の寺が集まった三十三観音に、病が治ると言われる場所まである永田。
あなたもパワーが詰まったこの地を、願いを込めて巡ってみませんか?
菩薩様がその願いを叶え、病を治してくれるかもしれません。