南会津の名産が集まる直売所と 昔から続く日本酒と郷土料理の歴史
福島県南会津町の名産品といえば、トマトやアスパラ、そして日本酒。
昔から家庭に根付く郷土料理もあります。
これらを買うことができ、味わうことのできる場所を、その歴史とともに紹介します。
この記事の目次
地元の農家の新鮮な食材が集まる 南会津「まちの駅ふるさと物産館」
会津鉄道「会津田島駅」から徒歩5分。
すぐ隣には田出宇賀神社と会津田島祇園会館が見える国道289号線沿いにある、「まちの駅 ふるさと物産館」。
2011年にできたため、建物が新しく綺麗です。
南会津の農家の人が作った採れたての野菜がここに毎朝集められ、購入することができます。
すべての作物に生産者の名前と作物が記載され、南会津産と表示されています。
南会津の名産でもある南郷トマト。
加工品も多く販売していて、トマトジュースやアスパラガスのドレッシング、郷土料理のしんごろうなども置いてあります。
農家からそのまま集まる野菜だけではないので飽きず、店員さんと話している間に時間があっという間に過ぎていました。
所在地 : 福島県南会津郡南会津町田島宮本東41-1
地域の人に愛されている日本酒 南会津で最も歴史ある「会津酒造」
会津鉄道「会津田島駅」から車で約6分。
赤いポストと「會津」の文字が目印の会津酒造。
日本酒造りが盛んな南会津には4つの酒造がありますが、中でも会津酒造は1688年から1704年までの元禄年間に創業したといわれている最も歴史ある酒造です。
中に入ると畳や囲炉裏がある開放的な空間。
会津酒造でつくっている日本酒の販売もしています。
元々は南山荘という本家が醤油や味噌を作っており、分家としてできたのが会津酒造の始まりで、現在まで約330年経ったそう。
南会津では、会津田島祇園祭の際に濁酒(どぶろく)という発酵させただけの白く濁った酒を奉納しています。
地域のお米を使って地域の人々が飲むために作っていた日本酒作りが現在でも南会津で盛んな理由は、今でも地域の人に文化として日本酒が根付いているからだということがわかりました。
所在地 : 福島県南会津郡南会津町永田字穴沢603
http://www.kinmon.aizu.or.jp
昔の家庭料理をお店でも 郷土料理が味わえる「会津田島祇園会館」
会津鉄道「会津田島駅」から南に徒歩約5分。
会津田島祇園祭についての展示がしてある会津田島祇園会館。
ここに併設されているレストランでは入館料なしで食事を楽しむことができます。
食事は地元のおばあちゃん達が作る、野菜が多く味付けが薄い、まさに家庭の味。
会津田島祇園祭の様子を撮ったVTRを見ながら食事することができ、地元の人が集まる場所となっていました。
里山バイキングというバイキング形式があり、地元の旬な食材を使った料理や漬物などが並び、好きなものを選ぶことができます。
そして、バイキングの他に食べることができるのが南会津の郷土料理。
つゆじ、にしんの山椒漬け、棒たらの中から選ぶことができます。
現在では特別な行事の際に食べることもあるそうですが、若い人などは作り方を知らず食べる習慣がなくなっているそう。
そんな郷土料理を観光客の人にも地元の人にも食べてもらいたいという思いが込められています。
今回紹介するのは「棒たら」。
会津地方は山々に囲まれ海にも遠かったため、昔は交通の便も悪く新鮮な魚が中々手に入りませんでした。
そのため魚は塩漬けや干物など保存のきくものが多く使われていました。
干物の固い棒たらを使って柔らかくなるまでゆっくりと煮込み、砂糖と醤油で味付けしたものが、この棒たらです。
食べてみると、骨がついたままの状態のたらであったにも関わらず、全て食べられるほど柔らかく煮込んでありました。
所在地 : 南会津町田島字元大坪30-1
http://gionkaikan.biz-web.jp
南会津で作られた野菜や日本酒、料理が楽しめる場所を紹介しました。
日本酒や郷土料理が南会津でどのように生まれたのかを知ることで、人と食が地域といかに密接に関係しているかがわかりますよね。
ぜひ訪れて地元ならではの料理やお酒を楽しんで見てください。