かの有名な歌枕にも詠まれる地 松島でたどる「奥の細道」と松尾芭蕉
江戸時代の有名な歌人、松尾芭蕉は東北から北陸までの約150日間の旅を「おくのほそ道」に記しました。
宮城県にある松島も、そんな彼が歩いた場所の一つです。
松島を訪れて、彼の歩いた跡を感じてみましょう!
この記事の目次
松島で百人一首にも読まれる歌枕の島 静かな時が流れる霊場・雄島へ
仙台駅からJR仙石線に乗って約40分。
松島を訪れる際の最寄り駅となる「松島海岸駅」に到着します。
今回の旅ではまず、古くから歌枕になっている雄島を訪ねてみましょう!
雄島へは松島海岸駅から歩いて約5分で行くことができます。
駅から雄島へは、案内の看板も出ているので初めてでも安心して行けます。
雄島は松島の名前の由来になったとされ、古くから歌枕として多くの歌に詠まれてきました。
かの有名な百人一首にも雄島が読まれた歌が入っています。
一方、雄島は霊場としても知られ独特の空気が流れているように感じられます。
島内に足を踏み入れるとそこかしこに苔むした仏像や卒塔婆が置かれています。
岩窟も多くあり霊場としての雄島を感じることができます。
また、雄島からは海に浮かぶ松島の島々を眺めることができ、松島の素晴らしい景色を堪能することができます。
歌枕の地として、また霊場として古くから多くの人々を魅了してきた雄島をぜひ一度訪ねてみてはいかがでしょうか。
所在地 : 宮城県宮城郡松島町松島海岸
芭蕉でさえ美しさで句を詠めなかった? 松島・雄島で奥の細道を辿る
松尾芭蕉もまた、多くの人と同様に雄島に魅了されたようです。
島へは、渡月橋を渡っていきます。
2011年の震災で破壊されたものの、現在は再建され朱塗りのきれいな橋がかけられています。
橋を渡って右手へ進んでいくとすぐに「奥の細道 松島」と書かれた碑が立っており、芭蕉が訪れたことを知らせてくれます。
そこからさらに道なりに進んでいくと芭蕉と、その弟子で奥の細道ではともに旅をした曾良の句碑が見えてきます。
芭蕉は「奥の細道」のなかで美しさのあまり一句も詠むことができなかったと記しています。
雄島には観光客も少なく、静かな時が流れています。
松島の景色を眺めながら、当時と変わらない空気を感じられるかもしれません。
芭蕉ももしかしたらこの空気に圧倒されたのかもしれませんね。
所在地 : 宮城県宮城郡松島町松島海岸
松島で芭蕉も参詣した1000年以上の歴史を持つ 国宝指定・瑞巌寺
瑞巌寺(ずいがんじ)もまた、芭蕉が訪れた場所の一つで雄島ともゆかりの深い場所です。
瑞巌寺へは松島海岸駅から雄島とは反対方向へ約10分ほど歩いた場所にあります。
瑞巌寺の歴史は1000年以上にもなり、その本堂は国宝にも指定されています。
仙台藩主・伊達政宗によって再興された本堂は、10の部屋があり、そのひとつひとつの襖絵と天井の造りがそれぞれ違い、
部屋ごとに違った顔を見せてくれます。
また境内には同じく国宝であり、寺の台所である「庫裡(くり)」もあります。
他にも約3万点もの展示がある宝物館や、雄島のような岩窟も見ることができます。
芭蕉も雄島などを訪れた後に瑞巌寺を参詣したと「奥の細道」に記しています。
実際に私も10の部屋をそれぞれ見て回りましたが、そのどれもが趣が違い、それぞれに大変綺麗なものでした。
ぜひ、雄島を訪れた後には瑞巌寺を参詣して、芭蕉の歩いた道をたどってみてはいかがでしょうか。
所在地 : 宮城県宮城郡松島町松島町内91
http://www.zuiganji.or.jp/index.html
今回は、松島で「奥の細道」の松尾芭蕉の足跡を辿る旅でしたが、いかがでしたでしょうか。
古来から霊場としても知られた松島には、今も昔も同じ静かな空気が流れているように感じます。
芭蕉も魅了された松島にあなたも足を運んでみませんか。