太宰府天満宮と共に刻んできた歴史の流れを自然の景観から感じる
福岡県太宰府市にある太宰府天満宮は、1000年以上の長い歴史があります。
境内には、その長い歴史を共に歩んできた多くの自然があり、建物と合わさり美しい景色を形成しています。
今回は特に、そんな自然を感じさせるスポットをご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
菅原道真の歌を聞き飛来した梅の伝説 太宰府天満宮のご神木飛梅
太宰府駅から歩いて約5分の距離に、太宰府天満宮はあります。
飛梅(とびうめ)は太宰府天満宮本殿の向かって右側にある、梅の木です。
この飛梅という名前は、ある伝説が由来になっています。
境内にある石碑にこんな歌が書かれています。
「東風(こち)吹かば匂い起こせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ」
これは菅原道真が太宰府に左遷されるおり、都にあったお気に入りの梅の木によんだ歌です。
この歌は、東風が吹いたら、太宰府まで梅の花の匂いを届けておくれ、自分がいなくても春になったら花を咲かせなさいという意味があります。
そんな歌を聞いた主人想いな梅は、太宰府まで飛んできて、根を下ろしたというのが飛梅伝説です。
そんな経緯のもと、道真に由来のあるものとして太宰府天満宮のご神木となっています。
道真が生きている時代から存在する木が、今でも存在していることから、自然のスケールの大きさを感じます。
木の前には飛梅と書いてある札があります、文字の一部が鳥のようになっているのが分かりますか。
これは鳥点(ちょうてん)の筆法という書き方で、道真の鳥になって都に戻りたいという気持ちを表しているとされています。
飛梅は毎年6月上旬に、実をつけます。その実は種だけにして「飛梅お守り」として1体10万円で授与されます。
それだけ貴重で力の強いお守りなのでしょう。
所在地 : 福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号
URL : http://www.dazaifutenmangu.or.jp
古くから太宰府天満宮を見守ってきた天然記念物の木々たちに会う
太宰府天満宮には天然記念物の木が3本あります。
はじめに見に行ったのは 、夫婦楠(めおとくす)です。
夫婦楠は本殿の裏手を右に進んだところにある大きな木です。
樹齢は1000年から1500年と言われています。
名前は見た通り2本の木がまるで夫婦のように見えるからです。
カップルまたは夫婦で訪れてみてはいかがでしょうか。
本殿の裏を左側に進むと、ひろはちしゃの木があります。
なかなか聞いたことのない名前ですが、歴史的な由来はありません。
そうゆう品種だそうです。
天然記念物になるだけあって樹齢は約700年で、日本最大のひろはちしゃの木だそうです。
木が立っている場所もあり、知っている人は少ないのではないでしょうか。
落雷のせいで、幹の上を失い中は空洞になってしまっています。それでも青々とした葉をつけまだまだ現役でした。
最後に本殿から向かって左に抜けていくと、立派な大楠が目に飛び込んできます。
この楠は境内の楠の中でも最大の大きさで、樹齢は夫婦杉と同じく1000年から1500年と言われています。
この木については、多くは語りません、ただただ圧巻のスケールです。
ぜひその目でスケールの大きさを感じてください。
太宰府天満宮の隠れたみどころ 大切にされている自然たちを見つける
これまでに紹介したものの他にも、ぜひ見て欲しいものがあります。
その1つが皇后の梅(きさいのうめ)です。
これは太宰府天満宮本殿に向かって左側にあり、飛梅と対をなしています。
1922年に、大正天皇の皇后である貞明皇后がご参拝の際に、葉山御用邸から持参したものを手植えしたものだそうです。
飛梅が白い花をつけるのに対し、皇后の梅は紅色の花をつけるので、2月から3月にかけての見頃に行くと、紅白の梅があなたを歓迎します。
次に菖蒲園(しょうぶえん)です。
こちらは参道から来た時、太鼓橋を渡らずに右に進むと姿を現します。
3万本もの菖蒲が植えられ、菖蒲園の中にある石碑は、「紫は水に映らず花菖蒲」という歌で、菖蒲の花が水面に映る様を歌っています。
菖蒲は6月の上旬から中旬までが見頃となっており、その時期には夜間にライトアップもされ、幻想的な空間を生み出します。
梅が有名な太宰府天満宮ですが、菖蒲の花も見に行ってはいかがでしょうか。
最後に、見つけたものは、楼門から入って左側にあります。
なんと楠が建物を突き破っていました。
名もなき楠ですが、太宰府天満宮が自然を大切にしているとことが、伝わってきました。
太宰府天満宮には、こんなにも多くの自然があります。
それはこの神社が自然を大切にしているということに他なりません。
この地を見守ってきた木々たちを見ることで、太宰府の長い歴史をじっくりと感じ取ってみてください。