美しい歴史の町並みに思わず現代の時を忘れる歴史旅 雲仙市国見町へ
長崎県・島原半島の西部に位置する雲仙市。
雲仙と言えば、普賢岳(ふげんだけ)など自然のイメージを持つ人も多いかもしれませんが他にも名所がたくさんあります!
一度訪れるとその魅力に引き込まれてしまう神代小路で、遠い昔へタイムスリップしましょう!
この記事の目次
島原鉄道でのんびり目指す重要伝統的建造物群保存地区~国見町~
島原鉄道に乗り、島原駅から約25分、諫早駅(いさはやえき)から約50分で到着の「神代町駅」(こうじろまちえき)を目指します。
車窓をキャンバスにして有明海や懐かしい田園風景が楽しめ、ゆるやかに走るレトロなワンマン・島原鉄道に乗ると旅気分も高まります。
島原農業高校の放送部による車内アナウンスにも、ほっこりとした気持ちになります。
ワンマン電車の車窓から緑の台地を楽しみながら、神代町駅に到着です。
島原半島と佐賀を結ぶ海路の要衝だったこの地は、中世より神代氏が納めていました。
その後、佐賀鍋島藩の領地となった神代は現代まで残る歴史を辿っていくこととなりました。
早速、神代の町を歩いてみましょう。
所在地:859-1302 長崎県雲仙市国見町神代乙
一歩足を踏み入れると江戸時代中期から変わらぬ景観 雲仙市神代小路
神代町駅から徒歩約10分、改札を出て右へ線路を越え進むと国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている神代小路地区(こうじろくうじちく)に到着します。
神代小路までは手書きの案内もあるので、それを目印に進んでみてください。
最後の案内を右へ曲がった後、左折すると時が止まったかのような美しい風景に驚き、立ち尽くしてしまいました。
整然と連なる武家屋敷の石垣が、背景になる空とのコントラストで際立ち、江戸時代へタイムスリップした気分です。
神代小路には江戸時代のままの地割がよく残っているだけでなく、屋敷を囲む生垣や石垣、水路などここまで美しい町並みが保存されているのは、地域の方々の努力の結晶に他なりません。
所在地:長崎県雲仙市国見町神代
整然と連なる武家屋敷に佇む~旧鍋島邸~を訪れる 雲仙歴史旅を満喫
神代小路の本小路に入り徒歩約1分で到着する「旧鍋島家住宅」を訪れました。
このひと際目を引く長屋門は1865年に完成し、その北側に鍋島邸の主屋が建っています。
本小路の街道まで伸びる30メートルの石垣と、15間×2間の長大な長屋門は圧倒的な存在感を放っていました。
屋敷の庭園には、最古のもので樹齢90年以上にもなる緋寒桜(ひかんざくら)があり、2月頃に開花するそうです。
明治の版籍奉還まで続いた神代領で、代々の領主が暮らしてきた歴史がある旧鍋島邸は、主屋・御座敷・隠居棟・土蔵・長屋門と敷地内の建物ほとんどが国の重要文化財に指定されています。
御北と呼ばれる江戸末期の建物に、明治期・昭和期の近代和風建築である書院座敷が相まっており、旧領主の邸宅に相応しい風格が感じられます。
1587年豊臣秀吉による九州国割を経て、1608年初代領主・鍋島信房から4代目領主・崇就の時代に造成された神代小路。
領主たちも四季折々の表情を見せるこの庭園から、美しい神代の町並みを眺めていたかもしれないと思うと、歴史を身近に感じることができました。
旧鍋島家住宅 所在地:長崎県雲仙市国見町神代丙103-1
美しい神代小路の町並みに、歴史を刻む本物の文化遺産を体感できる長崎県雲仙市国見町。
武家の文化が見え隠れする情緒溢れる神代小路を訪れる際は、島原鉄道の車窓から次々と移り変わる美しい窓の景色も、是非見逃さないでください。