おもてなしの心が染みる温かい町・熊本~日奈久~温泉街をぶらり
八代海の海岸沿いにある温泉街といえば、日奈久(ひなぐ)温泉です!
海の幸も豊富な熊本県・八代市(やつしろし)にある日奈久温泉では、昔ながらの木造建築が数多く残り、細い路地をめぐると思いがけない出会いを楽しむことができます。
地域の人々によって、大切に守り育まれてきた歴史ある町を体感する旅を提案します。
この記事の目次
海岸沿いの日奈久温泉街を目指しローカル肥薩おれんじ鉄道で出発
JR八代駅に隣接するローカル線・肥薩おれんじ鉄道に乗り換え、日奈久温泉を目指します。
自然溢れる緑の車窓を眺めていると、約12分で日奈久温泉駅に到着!
ホームに降り、「ひなぐ温泉」の暖簾をくぐると、日奈久地区の「日奈久おきん女会」に所属する町人が駅員として温かく迎え入れてくれました。
笑顔で迎え入れてくださる町人に、今日はどんな出会いがあるのだろうと楽しみな気持ちになりました。
駅を出て左へ約10分ほど進むと、日奈久温泉のからくり灯篭が見えてきます。
日奈久温泉は、熊本県下で最も古い温泉として、1409年より現在に歴史を紡いできました。
俳人・種田山頭火が愛好した町としても知られる名所で、至るところに俳句がかけられています。
温泉街には、細い路地がいくつもの木造建築が軒を連ねており、一足踏み入ればどこか懐かしい雰囲気が漂っていました。
熊本名産の日奈久ちくわ!出来立ての香りと柔らかさが魅力のグルメ
日奈久温泉街に入り、からくり灯篭から徒歩約1分のところにある「とらや」を訪れました。
海岸沿いにある日奈久温泉では、海の幸が豊富で、新鮮で活きの良い魚を使った日奈久ちくわはこの地域の名産です。
主に、スケトウダラやイトヨリダイのすり身をふんだんに使い、一本一本丹念に焼き上げられたちくわ。
お店の中からは、ちくわを焼き上げるほんのり甘い香りが漂ってきました。
一口いただくと、今まで食べたことがないほど柔らかく、もっちりとした食感で驚きました!
ポテトサラダが中に入ったちくわサラダや、ギョーザ天などアレンジメニューも楽しむことができます。
日奈久ちくわと並んで、是非試していただきたいのが、このちぎり天です!
ハモのすり身を使ったこのちぎり天は、元々とらやのご主人がお酒の肴として作り始めたものが、日奈久で広まったそうです。
温泉街めぐりに欠かせないグルメ、お好みのちくわを是非探してみてください。
とらや 所在地 : 熊本県八代市日奈久上西町327
開湯600年の歴史!日奈久温泉・松の湯で身も心もほぐれるひととき
日奈久温泉駅より、徒歩約15分で到着の「松の湯」を訪れました。
松の湯は、もともと1868年に建てられた佐敷警察署・日奈久分署の建物だったそうです。珍しい経歴ですね!
その後、1931年に共同温泉が創業され、現在の松の湯となりました。
仲の良いご家族が切り盛りしており、皆さんとても朗らかな方で、つい番台で色々とお話をしてしまいました。
第2・4火曜以外は毎日営業されていますが、三代目番頭の松本さんが
「どこか旅行に行ったりもしてみたいけど、やっぱり日奈久がいい。日奈久は飽きない。」と話してくださったことが、印象的でした。
この日も、地元の方々が次々と松の湯を訪れ、笑い声が飛び交う憩いの場となっていました。
湧き出す温泉にあわせて、脱衣所よりも低い位置に作られたレトロなタイル張りの浴槽と、湯気を自然に排気するために天井のかたちにも工夫がされていました。
実際に入浴させてもらうと、体がすっぽり入る深い浴槽にほど良い熱さの湯がたっぷりと張られていて、ついつい長湯していました。
一度訪れると、また必ず入浴したくなる、素敵な温泉でした。
松の湯 所在地 : 熊本県八代市日奈久中西町380-1
日奈久を訪れて、歴史ある町づくりの中心には、いつも地域の人々の存在があることを実感することができました。
今回訪れた「とらや」「松の湯」以外にも、多くのちくわ専門店や温泉が立ち並んでいます。
お店によってもこだわりが様々です!是非、お気に入りの一軒を探しながら、町の人とのふれあいも楽しんでみてください!