第5番札所 無尽山 荘厳院 【地蔵寺】四国八十八箇所霊場を徹底解説
高野山や東寺を賜ったことで有名な空海。出身は讃岐(現在の香川県善通寺市)とされ、四国の各地で修行を行いました。
その御跡である四国八十八箇所霊場のひとつ地蔵寺。今回はこの地蔵寺のご本尊やおすすめスポット「五百羅漢」をご紹介します。
この記事の目次
源頼朝や義経が信仰したご本尊を持つ5番札所地蔵寺の歴史を紹介
嵯峨天皇(在位809〜23)の勅願により、弘仁12年(821年)空海自らが1寸8分(約5.5cm)の勝軍地蔵菩薩を刻み、本尊として開創したと伝えられる地蔵寺。
ちなみにご本尊である勝軍地蔵菩薩は甲冑を身にまとって馬にまたがるお姿。
祈願することで戦に勝利できるというすごい菩薩様です。さらには戦に負けそうになった時には身代わりに矢を受けてくれるようなサービスまで!
平安時代から鎌倉時代にかけて全国に広まり、現在も多くのお寺がご本尊にしています。
なんと源頼朝、義経をはじめとする、武将からの信仰も厚かったのだとか。
そうした大繁栄により阿波、讃岐、伊予の3ヶ国に約300を数える末寺が創られました。
5番札所地蔵寺のここがおすすめ!五百羅漢を見に奥の院羅漢堂へ!
さて、地蔵寺でのお目当て、五百羅漢に行ってみたいと思います。
本堂裏の石段を上がって向かいます。
階段から見下ろす景色はなかなかのものでした。
ちなみに天正年間(1573〜92)の間に長宗我部元親による兵火で、これらの堂塔はことごとく焼失してしまった歴史が残ります。
その後に、歴代の住職や僧侶、信者たちの尽力により堂宇が整備拡充され、いまでも寺領は40,000平方メートル(12,000坪)にもおよぶ大きなお寺となったのだとか。
ここから見る景色も多くの方の努力のたまものなのですね。
階段を登りきると、奥の院。コの字型をした羅漢堂があります。
木造では日本最大といわれる、さまざまな表情を浮かべた等身大の五百羅漢像が納められています。
ちなみに羅漢とはお釈迦さんの弟子であり、仏道修行して阿羅漢果という人間として最高の位を得た人のことをいいます。
その羅漢さんを500人集めたのが五百羅漢。
HISTRIPの記事でいくと島根県大田市にある世界遺産、石見銀山遺跡などの五百羅漢が有名ですね。
仏ではないので笑ったり、泣いたり、怒ったり、色んな表情の羅漢がおられます。ちなみに自分とご縁のあった故人の姿が見つかるともいわれますよ。拝観料は200円でした。
地蔵寺ご詠歌:六道の 能化の地蔵 大菩薩 導き給え この世後の世
最後に、地蔵寺の御詠歌(ごえいか)をご紹介します。
-六道の 能化の地蔵 大菩薩 導き給え この世後の世-
六道とは、仏教において、衆生がその業の結果として輪廻転生する6種の世界(あるいは境涯)のことを表しており、 天道 人間道 修羅道 畜生道 餓鬼道 地獄道などがあります。
能化とは指導者、先生、師範のような存在のことを表します。
この世もあの世も輪廻転生する際に幸せな世界に導いてください。そいうった意味があるとのことでした。
四国八十八箇所霊場、5番札所、地蔵寺をご紹介してまいりました。いかがでしたか。
今回ご紹介しきれなかった境内に生えている樹齢300年にも上る銀杏の木や、五百羅漢など魅力いっぱいの地蔵寺。
ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。