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丹波篠山市から車で簡単アクセス!重伝建 福住の観光コースをご紹介

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    大阪から約1時間でたどり着く篠山。昔から京都、西国、福知山に近く、交通の要所として栄えました。
    福住は、篠山城下町から京都へ向かう西京街道沿いに宿場町を形成しており、農村集落と宿場町が混じる町並みを楽しむことができます。
    せっかく訪れたのにどこを見ればいいかわからない!そんな悩みを解消する歴史旅をご紹介!
    ここでしか体験できない福住の魅力や町歩きを徹底解説させていただきます!

     

     

     

    丹波篠山市福住が重要伝統的建造物保存地区に選定された理由とは

     

     

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    重要伝統的建造物群保存地区に登録された福住は、東西約3,260メートル、南北約460メートル、面積約25.2ヘクタールと広範囲に及びます。
    篠山城下の東、東西に流れる籾井川南岸に、篠山から京都に向かう西京街道が通り、街道に沿って西から福住、川原、安口、西野々の各集落が形成されています。

     

     

     

    4つの集落のうち、福住は江戸時代に宿場町として整備されました。川原、安口、西野々は、宿場町の福住を補完するような形で農村集落として機能した歴史があります。

     

     

     

    福住が保存地区に選定された理由は、ここにありました。宿場町と農村が混じった町並みが全国的にも珍しく、価値のあるものと評価されたのです。

     

     

    篠山市福住伝統的建造物群保存地区は、福住の宿場町として発展した町並みと、街道沿いに形成された特徴ある農村に、妻入を主体としたつし二階建の瓦葺や平屋建の茅葺の伝統的建造物が周囲の田園や特徴ある灌漑と一体となって宿場町と隣接する農村集落の歴史的景観を私たちに見せてくれます。

     

     

    篠山市福住を徹底解説!宿場町「福住」

     

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    福住は宿場町として栄えました。
    現在でも街道沿いに妻入り民家を主体とした町並みが続いています。

     

     

     

    瓦葺妻入りの町屋が並ぶ福住の町並みは、とても美しくまるで京都の商人町のような雰囲気を楽しむことができますよ!

     

     

     

    篠山城下から京都に向かう篠山街道筋の宿場町だったため、江戸時代には本陣・脇本陣が置かれ、篠山藩や柏原藩の参勤交代の道として利用されました。

     

     

     

    一般的な古い伝統的な家屋の建て方は、妻入りの中階2建てで、切り妻造りとなっており、さらに漆喰塗り込めが特徴的です。
    福住では、表妻側に軒庇し(のきびさし)が付いた、一見入り母屋に見える丹波地方独特な商家の建物となっています。

     

     

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    古い町並を構成する、造り酒屋や呉服店、醤油などの店も見られ、一里塚跡とともに宿場町だった面影が色濃く残る町並です。

     

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    篠山市福住を徹底解説!住吉神社が佇む「川原」

     

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    街道沿いの集落、川原村。

     

     

    福住の町並みを抜けて西京街道を東へと向かうと、住吉神社の社務所の大きなトタン屋根が現れます。

     

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    妻入民家は、福住ほど密に揃っておらず、道路から後退した主屋が並んでいるのが特徴です。

     

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    民家の間に田畑が混在するところもあり、民家の密度の点で福住との違いが明確となります。

     

     

     

    さらに宿場町の隣の農村集落ということで、農家が旅籠を兼業し、一般の民家に旅客を泊めることもあったのだとか。
    江戸時代や明治に建てられた民家も多く、まちなみを楽しむことができますよ。

     

     

     

    篠山市福住を徹底解説!茅葺き屋根が美しい半農半宿「安口」

     

     

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    美しい町並みが特徴的な安口(はだかす)の町並み。
    ところで、安口と書きますが、「あんこう」や「やすぐち」と読んでしまいそうになりますよね。

     

     

     

    読みかたの由来は、かつて、この地域で山椒魚(さんしょううお)のことを「はだかす」と呼び、口元が鮟鱇(あんこう)に似ていることから、鮟鱇(はだかす)と呼ばれていたことからこの漢字になりました。
    漢字が難しいという理由で、簡単な当て字「安口」を「はだかす」と呼び、現在に至るのだとか。

     

     

     

    この安口の町並みは、東西に分かれており西地区は山肌に沿って街村を形成しており、大火もなかったことから、18世紀の建物が残っていると言われています。
    東地区では、茅葺民家の現存する割合がほかの地区とくらべ高く、街道に面する妻入りの三角屋根が近代の雰囲気を残します。

     

     

     

    宿場町安口村では荷物の継立が行われていた。
    江戸時代は篠山藩領でした。

     

     

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    ここ、安口の町並みの特徴は、周りの農村集落とは明らかに異なった家屋形態が特徴です。街道に沿って妻面に千本格子を残した妻入りの大型の商家の建物が連なります。

     

     

     
    宿場町と農村集落が入り混じった結果として、ほとんどの家が、妻入りの建物でも入母屋になっていました。一般的には妻入り家屋は切り妻造りが普通なのですが、ここでは入母屋の妻入りが一般的な家屋形態なのだそうです。

     

     

     

    篠山市福住を徹底解説!幕末の農村がわかる「西野々」

     

     

     

     

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    西野々の町並みは、民家と民家の間に田畑があり1軒ごとの間が空いている場所が多くみられます。
    ゆったりとした町並みは、どこかのどかなイメージでした。

     

     

     

    建物は、妻入民家と平入民家が混在する町並みです。
    幕末から明治にかけて建てられた民家がなんと10棟近く現存しており、近世の雰囲気が感じられますよ!

    いまはトタンに覆われた茅葺屋根が点在しており、当時の様子に想いを馳せる旅も楽しいですね。

     

     

     

     

     
    福住の特徴や歴史をご紹介してきました。いかがでしたか。宿場町と農村集落が一体となった全国的にも珍しい町並みは、優しく、心が穏やかになります。
    篠山に訪れた際には、ぜひ一度お立ち寄りください。