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【日本のお城】天守閣の役割とは

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    「城」といえばどんなイメージをされますか?姫路城のような豪華絢爛な天守?竹田城のような石垣?
    じつは、天守が「城の歴史」に登場するのは、織田信長が築城した安土城が登場してから。今回ご紹介するのは、天守が登場するよりもずっと前の、様々な時代の日本各地のお城たち!
    お城が変遷していった背景にある日本人の心の様子とともに追っていきましょう!

     

     

     

    日本のお城とは~古代から中世のお城をご紹介!~

     

     

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    日本のお城の歴史は深く、なんと7世紀には山城が築かれていました。もちろん姫路城や松本城のように立派な天守閣があるお城ではなく、戦うため専門のお城でした。

     

     

     

    山城には戦の期間だけ立てこもり、それ以外は山麓に居住していたそうです。その古代のお城が見られるのは、西日本のみ!!
    飛鳥時代から奈良時代にかけて築かれたお城が今も残ります。

     

     

     

    なぜ西日本に集結しているのかというと、百済(現在の朝鮮半島)から亡命してきた貴族が建築の指導をした事から、西日本が発展したようです。
    朝鮮半島の山城と類似点が多くみられるのだとか!
    代表的なものには島根県の大野城や鬼ノ城(きのじょう)があります。

     

     

     

    大野城を旅した記事はこちら

    ▶▶古代日本を守ってきた九州要の史跡を巡り人々の変わらない心に触れる

     

     

     

     

     

     

    古代から中世にかけてお城の使われ方や形は変わっていきました。
    平安時代後半から国内の情勢が不安定になり、しばしば内戦が起こるようになります。

     

     

     

     

    代表的なものに、楠木正成の「千早城」や「赤坂城」(どちらも現在の大阪府)などを各地の武士が倣って各地に山城を築いていったとされています。

     

     

     

    天守閣とは~織田信長からはじまった天守閣のお城~

     

     

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    天守閣が初めて石垣や瓦など整えて本格的に建てられたのは、織田信長が築城した安土城と言われています。
    ここからのイメージは、いわゆる姫路城や熊本城などの、お城となります。

     

     

     

     

    織田信長が天守閣を持つお城を築城したことによって、それまでの常識は覆されます。
    戦うためだけに建てられたお城から、戦いはもちろんのこと、権威を示すという役割も兼ね備えたお城になっていくのです。織田信長が築城した安土城にならって、全国で天守閣を持つお城が次々に築城されていきました。

     

     

     

     

     

    戦国末期には権力構造が明確になり、特に力のある大名は家臣を城下に住まわせるため城と城下町をさらに巨大化させていきます。なんと小田原城は山城から城下町を内包するほどに巨大化し山城と城下町をすべて含めて総構えとする平山城に変化していきました。

     

     

     

     

    豊臣秀吉は、大阪城を築城し、黒漆喰で覆われた外観に金箔をふんだんに使用した内観を造り、戦の際に利用できるお城の機能や権力の誇示はもちろんのこと、さらに客人を招き、物見櫓から景色を展望できるお城としても機能させました。

     

     

     

     

     

    国宝5城の紹介

    古代の山城から、天守閣をもったお城までをご紹介してきました。
    ここで、国宝に選定されている5つのお城をご紹介します!

     

     

     

     

    兵庫県姫路市の姫山と呼ばれる山に建つ姫路城。

    ユネスコ世界文化遺産に登録され、日本100名城にも選定されている国宝のお城です。

     

    現在の姫路城は、徳川家康の次女督姫(とくひめ)を妻とする池田輝政により、1609年に建築されたものです。

     

     

    太平洋戦争で姫路が空襲被害にあった際には、奇跡的に焼失を免れ、現在に至るまで補修や修復を行いながら、当時のままの姿を残しています。

     

     

     

     

     

    国宝に指定されている彦根城。
    天守をはじめ、重要文化財の各櫓、下屋敷の庭園である玄宮園、内堀・中堀などが当時の姿を留めています。
    松本城

     

    長野県松本市にある日本の国宝、松本城。安土桃山時代末期-江戸時代初期に建造された天守は真っ黒で、烏城とも呼ばれています。

     

    松本城を旅した記事はこちら

     

    ▶▶長野県の観光スポット「松本城」をまるごと楽しむ知識をご紹介!
    犬山城

     

    国宝犬山城は、室町時代の1537年に建てられ、天守は現存する日本最古の様式です。

    木曽川のほとりの小高い山の上に建てられた天守最上階からの眺めはまさに絶景。周辺には犬山城下町の古い町並みや、多くの観光施設があります。

     

     

     

     

    松江城

     

    松江城(まつえじょう)は別名を千鳥城とも言う、宍道湖からすぐ近くの輪郭連郭複合式平山城です。

    日本さくら名所100選、都市景観100選の他、日本100名城、国の史跡、そして標高29メートルの亀田山に建つ松江城の現存天守は国宝です。
    日本のお城は、死や戦を意味する黒漆喰の時代から、徳川家康が築城した江戸城のように生を意味する真っ白な城へと変化していきました。戦の無い世の中には、真っ黒なお城は必要が無いのです。

    世の中が平和になっていくのと同じように、お城の姿も変わっていったのです。
    日本人の心ともいえる日本のお城にぜひ訪れてみてくださいね。