長野県の観光スポット「松本城」をまるごと楽しむ知識をご紹介!
長野県の中央部に位置する松本市。
長野県は、日本アルプス、多数の温泉、スキー場、ハイキング トレイルなどなど魅力がいっぱい!その中でも長野県の観光名所、国宝五城にも選定される松本城についてご紹介します。
知れば松本城をもっと楽しめる!そんな歴史旅をご提案!
この記事の目次
実は松本城は松本城という名前ではなかった!?もとの名前とは?
広大な松本盆地に築かれた平城、松本城。
その歴史は古く、松本城の前身である深志城は今から500以上も前の1504年に築城されました。
深志城は、あまりにも古いため、その文献が残っておらず、謎につつまれているのだとか。
唯一分かっていることは、室町時代の島立一族が築城したことだそうです。
46年後、風林火山で有名な武田信玄が信濃への侵攻をはじめます。侵攻の際に拠点としたのが深志城でした。
1550年、当時の城主であった小笠原長時(おがさわらながとき)を追い出し、武田信玄が深志城を治めたのです。
約32年もの間、深志城を治めた武田信玄でしたが、1582年崩壊の時がやってきます。織田信長が武田信玄を打ち破ったのでした。
上杉謙信の後ろ盾もあり、小笠原洞雪が深志城の城主になりました。
そのタイミングで深志城から松本城に名前が変わったとされています。
その後1590年にもともと徳川家康の配下であった石川数正によって現在の松本城が築城されました。
(※豊臣方に寝返ったとされているため、松本城は豊臣への忠誠心である黒色なんだとか。このお話は以下でお伝えします!)
6家23代が治めた松本城~松本城にゆかりのある人物とは~
松本城は、石川数正以降、なんと6家23代が城主をつとめ、明治維新を迎えました。
1614年に起きた大阪の陣の後は、松平氏、掘田氏、水野氏、戸田氏、と城主が目紛しく交代していきます。
徳川家が天下を取り、内乱が安定すると、松本城は幕府直轄となり1726年から戸田氏が145年もの期間、松本城の城主として代々居城。
大政奉還を迎えることとなりました。
平和の象徴!月見櫓と辰巳附櫓
松本城の最大の魅力は、日本最古の五重六階の天守を持つ国宝の五棟天守群!
松本城の天守群は、大天守(だいてんしゅ)・乾小天守(いぬいこてんしゅ)・渡櫓(わたりやぐら)・辰巳附櫓(たつみつけやぐら)・月見櫓(つきみやぐら)と五つから構成されています。
ちなみに天井がとても低くなっており、これは建物内で抜刀出来ないようにとの工夫なんだとか。
もともと戦国時代における天守閣とは、権力の誇示であったり、戦の備えを入れておく櫓としての役割をもっていました。
徳川家康が天下を取ったことで平和な時代になり、その役割は次第に変化し、天守閣は威嚇的な黒色から、平和を表現した白色へと姿を変えていきました。
しかし、松本城は見ての通り真っ黒!
姫路城が「白鷺城」と呼ばれているのに対して、松本城は「烏城」と呼ばれるほど!
さらにその特徴は建築にも表れています。
松本城の大天守・渡櫓・乾小天守は、戦国時代の荒々しい特色が出ています。
大天守・渡櫓・乾小天守の三棟には、弓矢や鉄砲を打つ際に使用する鉄砲狭間や、矢狭間。さらに上から石を落とすための石落としがあります。
しかし松本城も実は平和を象徴する部分があります。
その建築物が、辰巳附櫓・月見櫓。
この二棟は、江戸時代の初め、平和になった時代に築かれました。
戦う備えをほとんど持たず、朱塗りの回縁や船底型の天井があり、月見櫓は優雅な雰囲気を醸し出す造りとなっているのです。
その様子は、平和を象徴しているようでした。
松本城は荒々しさと平和と2面生を持った城だったのですね。
松本城はなぜ黒い?隠された秘密をたどる
1606年に築城された江戸城。その外観はこれまでの城の歴史に新たな風を吹かしたお城でした。それまでは権力の誇示や戦の荒々しさを表現した黒色の外観が常でした。
それは、織田信長が初めて天守閣を本格的に建ててからずっと変わらない、常識であったのです。
しかし江戸時代に建てられた多くの城は、現在の姫路城のように真っ白!
その理由は、江戸城にありました。徳川家康がこれからは戦の無い平和な時代であることを表現するため、白い漆喰で固めた真っ白な江戸城を築城したのです。
そうしたことから江戸城にならって全国でこぞって真っ白な城が築城されるようになりました。
松本城はといいますと。。。「築城した石川氏の豊臣家への忠誠心から」と言われています。
もともと石川数正は、徳川家康の配下にありましたが、豊臣方へと寝返ります。豊臣方が大阪夏の陣で負けると、また徳川の下で忠誠を誓ったのです。
豊臣への忠誠心を色にのせてお城を黒く表現したのでしょうか。
HISTRIPが選ぶ!おすすめ写真スポットをご紹介!
さて、ここからはHISTRIPがおすすめする松本城を隅々まで楽しむことができる写真スポットをご紹介!
HISTRIPは公式Instagram(@histrip_japan)も運営しており、そのフォロワーさんにご協力いただきました。
まずはここ!
松本市役所展望室
松本市役所には城下町を見渡せる展望スペースがあります!まずは西庁舎のエレベーターで5階へ。
優雅に佇む松本城を上から見下ろすことができます!
天守は大天守と辰巳附櫓が見えます!
贅沢な時間ですね。
お次はこちら。料金所の近くにある写真スポット!
松本市のマスコットキャラクター「アルプちゃん」がいるいる場所が目印です。ここでは、松本城を正面からとらえることができます!
一押しポイントが、ぐるっと松本城をまわった先にあるスポット。
お堀の水に映る逆さ松本城はとても美しいですよ!
最後に松本城を撮影することをライフワークにしていらっしゃる@alps_ken さんの四季によって楽しめる松本城をご紹介させていただきます。
春の松本城
夏の松本城
秋の松本城
冬の松本城
どのお写真もとても素敵で、松本城は1年中楽しめるお城であることがわかりますね!
いかがでしたか。松本城の戦をイメージさせる荒々しさと、平和の象徴である軍事施設の機能を持たない建築様式の2面生はお楽しみいただけましたか。
さらに四季を通して楽しめる松本城を、ぜひ一度訪れてみてくださいね。