倉敷美観地区が3倍面白くなる!「倉敷物語館」で倉敷の文化を学ぶ
1979年に重要伝統的建造物群保存地区に選定され、大切に保存されている岡山県の倉敷川畔美観地区。
古代は海だったこの地に、どのように町ができ人が集まったのでしょう。
旅の始まりに倉敷の町の物語を知り、もっと素敵な歴史旅にしてみませんか。
倉敷美観地区に訪れたらまず立ち寄りたい「観光案内所」
JR倉敷駅南口から倉敷中央通りを歩くこと徒歩約10分。
白壁の特徴的な建物が見え、岡山県随所の観光地である倉敷美観地区の入り口に到着します。
その入口からすぐ左に位置するのが2009年4月に開館された倉敷物語館です。
人力車の出発点にもなっていて、前に2台ほど停まっているのが見えます。
南側入口にある立派な長屋門は、館内や美観地区で開かれるイベントのチラシが置かれ、情報コーナーとして利用されています。
長屋門は、当時倉敷代官所の許可がなければ建てられない門。
実は倉敷物語館は、江戸時代に水田や塩田、金融業で財を成した名家として知られる大橋家の一族、東大橋家の旧住宅を市が改修した建物なのです。
他にも土蔵を利用した展示室、多目的ホール(貸室)、テラス席でゆっくりすることもできる「ぽっ♪カフェ」があります。
情報コーナーにあるイベントのチラシを見ながら、旅の計画を立てるのがおすすめです!
木造2階建ての母屋には2階に和室(貸室)と会議室(貸室)があります。
その和室から外を見ると、本瓦葺き(ほんかわらぶき)の屋根やなまこ壁といった独特な建物の特長が際立って見えます。
季節のイベントがたくさん!まちに訪れるみんなの交流の場「倉敷物語館」
倉敷物語館の1階にある展示室では、倉敷の歴史や文化を年表や写真パネル、模型で学ぶことができます。
倉敷物語館では、毎月季節に合わせたイベントが開かれています。館の方にお話をお聞きした中で、毎年大人気の切子明かりのワークショップがとても魅力的に感じました。
2月下旬~3月中旬にかけて美観地区全体で開かれる春宵明かりの期間、毎週土曜日に開催されているのだとか。
手作りのぼんぼりにあかりを灯す「切子明かり」が作れるのは、ここでしかできない体験。切子明かりを持って夜の倉敷川畔を散歩すると、温かな光と一緒に、より夜の倉敷が楽しめそうですね。
こうしてイベントが開かれるのには、年中行事を通して地域の方と観光客の方が一緒に季節を味わえる空間をつくり、いろんな方にもっと倉敷を好きになってもらいたいという想いがあります。
外観は格式高く入りづらいイメージを持たれる倉敷物語館ですが、季節を楽しめるイベントとともにゆっくりと過ごせる空間です。倉敷物語館でしか味わえない地域の温かなイベントに合わせて訪れてみてはいかかでしょうか。
倉敷物語館 所在地 : 岡山県倉敷市阿智2丁目23番18号
公式HP : http://kmc.jp.net/service/monogatari
倉敷の歴史文化の変遷を学べる「倉敷物語館」母屋展示室
さて、倉敷物語館の木造中央2階建て母屋の1階にある展示室の中に入ってみます。
南側入口から入った廊下の壁には、倉敷物語館に改修した旧住宅の持ち主、東大橋家を紹介するパネルが掛けられています。東大橋家が新禄(しんろく)の中で中心的な役割を果たした様子がつづられていました。
右側には、倉敷の干拓と川の歴史を紹介するパネルが。古来海だった地で大規模な干拓が進められ、海辺の港町から、内陸の川を利用し海運を行う町へと変わる様子が図で分かりすく学ぶことができます。
その奥には明治・昭和時代に栄えた町の様子を紹介するパネルや、古地図と見る美観地区の歴史が紹介されています。セピア色の写真や古地図から歴史が感じられます。
正面には、細部まで丁寧に再現された倉敷中央部鳥瞰絵図。1963年の様子と2005年の様子2つを比べてみると、倉敷物語館が東大橋家住宅に代わってできた様子はもちろん、倉敷紡績の旧工場が倉敷アイビースクエアに改修された様子など移り変わりを見つけ楽しむことができました。
さらに、倉敷観光DVDが見られるコーナーがあり、日本遺産として認定された倉敷市のストーリー「一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~」も紹介もされています。
美観地区の町並み保存の歴史や倉敷の祭りの様子が写真で紹介されていて、とても分かりやすく倉敷特有の文化を学ぶことができます。
その下には美観地区の一角を再現した模型があり、その細かさにとても驚きました。
中央には小さな和紙で作られた、秋季例大祭、御神幸行列、倉敷千歳楽、鬼びょうたんなどの数えきれない人形の数々が展示されています。
和紙の温かみの中にも行列の迫力や祭りの熱気が伝わってくる見ごたえのある作品です。
館の方とお話しする機会も頂きました。
美観地区に、大正・江戸時代に建てられたものの中に西洋建築が溶け込むように存在するのは、屋根の傾斜の角度などが決められており統一感を出しているからだというお話を聞くこともでき、とても印象に残りその後の町並み散策がより楽しめました。
お話を聞いている間に、ガイドの方と一緒に訪れる観光客の方々や、地域の方が展示室に訪れ倉敷の歴史を感じている様子がうかがえました。
写真や年表、細部まで丁寧に作り上げられた模型など様々な形を通して倉敷の歴史・文化を感じられる一室。
旅の始めに倉敷物語館の母屋展示室を訪れ、倉敷の様々な想いを感じ旅を進めてみると、見方が広がり様々な発見があるはずです。
倉敷物語館 所在地 : 岡山県倉敷市阿智2丁目23番18号
公式HP : http://kmc.jp.net/service/monogatari
重要伝統的建造物群保存地区である倉敷川畔美観地区。
その歴史や文化を様々な形で感じていただけましたでしょうか。
海が干拓され海運を行う町となり、代官所が置かれ、その当時から変わらない町並みが今も大切に保存されています。
魅力的な町並みを回る前に、その背景を学んでより素敵な歴史旅をお楽しみください。