学問の神様菅原道真の墓を巡る 太宰府市のランドマーク太宰府天満宮
天神菅原道真を祀る全国の天満宮約12,000社の総本宮、太宰府天満宮には中国をはじめ海外からも多くの観光客が訪れています。
今回はそんな多くの人を惹きつける太宰府天満宮の魅力を探る旅に出かけましょう。
この記事の目次
日本と大陸の文化融合の象徴 重要文化財末社志賀社本殿に立ち寄る
西鉄太宰府駅から徒歩約10分の太宰府天満宮の鳥居を抜けると、心字池(しんじいけ)にかかる朱色の橋に着きます。
橋は三つあり、過去・現在・未来を意味すると共に神の世界と人の世界を分ける意味もあるそうです。
また、心字池は禅宗由来の技法です。
神仏習合の跡がここにも残っているのですね。
心字池の上を通り身を清めてもらいながら進んでいくと、二つの太鼓橋に挟まれた平橋の右手に国の重要文化財である末社「志賀社本殿」(しがしゃほんでん)はあります。
この志賀社には海の神様である綿津見三神が祀られています。
博多港からの出航に際し、旅程の無事や漁の成功を祈願するために建てられました。
現在の本殿は室町時代に再建されたそうで、和風・唐風・天竺(てんじく)風の三様式が組み合わさった精巧なつくりになっています。
大きく張り出した屋根が特徴的ですが、これは唐風と言われているのだそうです。
志賀社本殿は大宰府が大陸文化と日本の和の文化が融合し発展してきたことを教えてくれますね。
所在地 : 福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号 太宰府天満宮内
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/sanpai/keidai
太宰府天満宮宝物殿で菅原道真ゆかりの品々を巡りその生涯を知る
三つの橋を渡りきり、参道を外れて右手に進むと太宰府天満宮の「宝物殿」が見えてきます。
さぁ見学、の前にちょっと寄り道してみましょう。
宝物殿の壁にそって行くと大河ドラマにもなった黒田如水(官兵衛)が使用していた如水の井があります。
実は現在残っている太宰府天満宮の建物の多くは黒田如水によって修復され保存されたのだそうです。
さて、宝物殿に戻って中へ入っていきましょう。
この宝物殿では菅原道真縁の品々が保存されています。
こちらは道真が愛用したとされる龍牙硯(りゅうげのすずり)と道真の生涯を描いた絵巻物十二幅です。
この絵巻物を見るだけでも道真がどんな生涯を過ごしたのか伝わってきますね。
この他にも太宰府天満宮に関わる様々な品が展示されています。
また、受付前のミュージアムショップには様々なグッズや書籍が販売されているのでこちらもおすすめです。
天満宮とそこにまつわる品々を大切に守り伝えていこうという人々の思いが感じられる宝物殿でした。
さあ、宝物殿で道真の生涯に触れたあとはいよいよ参拝です。
宝物殿 所在地 : 福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号 太宰府天満宮内
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/sanpai/keidai
天神として親しまれる菅原道真のお墓 太宰府天満宮本殿に参拝する
参道に戻り、手水舎で手と口を清めます。
この手水舎は天満宮背後の宝満山(ほうまんざん)から切り出された一枚岩だそうです。
楼門をくぐると本殿が正面に現れました。
本殿の内部には鏡がありますが、その鏡の真下が道真のお墓だとガイドの方に教えていただきました。
わたしも列に並びお参りをしました。
参拝の後、本殿周りをぐるりと一周。
本殿の後ろには道真の父母や子供を祀った摂社がずらりと並んでいます。
今もなお道真を支え続けていることを感じました。
また奉納された絵馬も所狭しとかけられています。
学業成就・健康祈願、その願いは様々ですが平安時代から今日に至るまで人々から親しまれている一つの証ではないでしょうか。
学業の神様菅原道真を祀る天満宮、その総本社へ足を運んでみませんか?
太宰府天満宮 所在地 : 福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/sanpai/keidai
番外編 左遷後菅原道真が幽閉生活を送った榎社にも足をのばそう
太宰府天満宮に参拝し、時間があったので榎社(えのきしゃ)にも足をのばしてみました。
観光バスまほろば号「大宰府政庁跡」から約15分ほど歩くと、踏切のそばに静かにたたずんでいます。
この榎社は道真が左遷された際に生活をしていた場所で、彼は大宰府権帥として赴任したものの実質的にはここで幽閉されていたと言われています。
太宰府のまちにおける最も大きな祭りは9月末に行われる「神幸式(じんこうしき)」。
この日に道真のご神霊はお世話になった浄妙尼のもとへ里帰りし、一夜を過ごすのだそうです。
道真の左遷後の生活が偲ばれるようなひっそりとした場所でした。
こちらにも足を運んでみてはいかがでしょうか。
榎社 所在地 : 福岡県太宰府市朱雀6丁目18-1
天神として信仰される道真の生涯と文化融合の地である大宰府のまちの歴史が絡まりあい、多様な表情を見せる太宰府天満宮。
そんな神社がもつ魅力を堪能していただけたでしょうか。
訪れた人を魅了してやまない地であること間違いなしです。