太宰府市の歴史に思いを馳せる 門前町での太宰府歴史グルメ巡り
福岡県太宰府市には、歴史や伝説に由来を持つグルメが多く存在します。太宰府を散策する際に、そんなグルメを食べて歴史に思いを馳せてみましょう。太宰府への思い入れが強くなること間違い無し。今回は太宰府門前町周辺のグルメのうち、3つご紹介します。
この記事の目次
菅原道真の逸話を感じながら食べるここだけの味 太宰府名物梅ヶ枝餅
太宰府門前町には、梅ヶ枝餅を出すお店が何十件とあり、梅ヶ枝餅を作っているのを眺めながら、観光客が列を作っています。
その中でも長い列が目を引く、太宰府駅から徒歩約5分の老舗かさの屋に行きました。
梅ヶ枝餅とは、粒餡を餅の生地でくるみ、香ばしく焼き上げたものです。
割ってみるともっちりとした餅の皮の中に、粒餡がたっぷり詰まっており、上品な甘さが口いっぱいに広がります。餅を使っているからか、満足感もあります。
初めて梅ヶ枝餅を知った人の多くは梅ヶ枝餅という名前なのに、梅が入っていないのはどういうことかと疑問に思うかもしれません。
梅ヶ枝餅は、その昔、道真が太宰府に左遷させられ、軟禁状態だった時に、老婆が餅を梅の枝に刺し、格子の隙間から差し入れたという伝説に由来しているのです。
かさの屋に勤める石内さんに梅ヶ枝餅に対する思いを聞きました。
かさの屋は百貨店などに出すことがあるそうで、他の地域に行った時に、梅ヶ枝餅の知名度がまだまだであると感じると話してくださいました。梅ヶ枝餅を全国的に知ってもらいたいと考えているそうです。
ちなみに梅ヶ枝餅を販売できるのは、決まった家系の人だけらしく、まさに太宰府だけの名物と言えます。
かさの屋 所在地 : 太宰府市宰府2-7-24
URL : http://www.kasanoya.com/index.html
老舗製麺所が復活させた 明治期のさいふまいり名物さいふうどん
さいふうどんの「さいふ」という名前は、天満宮周辺の宰府という地名からきています。
そこから天満宮にお参りすることをさいふまいりといい、その際のお土産がさいふうどんというわけです。
それを復活させたのが、木村製麺所です。
太宰府駅から歩いて約5分のところにあり、門前町の通りから少し外れています。
さいふうどんの麺は、小麦を殻ごと石臼で挽いた粉で作っているため、少し麺に色が付いています。
それによってより小麦の風味を感じます。
柔らかくふんわりとした麺に、じわーと口に広がっていくあごだしのつゆが合わさり絶品でした。
その他に、ごぼう天とアスパラ天をいただきました。
ごぼう天は人気があるそうで、噛むほどにごぼうの風味が口いっぱいに広がっていきその人気に納得の味です。
アスパラ天は普段食べているものとは比べ物にならない甘みを感じさせる一品でした。
麺だけでの販売もしているので、さいふまいりのお土産にどうぞ。
木村製麺所の店主の松藤さんにお話を聞かせてもらいました。
さいふうどんは、地元太宰府の魅力をさらに引き出すために復活させたそうです。
そして、手広い販売をしないことによって、伝統の品位を落とさないブランド化を計っているそうです。
伝統を守り広めていくため思いが感じられますね。
木村製麺所 所在地 : 福岡県太宰府市宰府3丁目4−31
URL : http://kimura-saifuudon.wixsite.com/saifuudon
老舗菓子処の作る文化人や茶人たちが愛した皇室賢所献上菓子宝満山
銘菓宝満山は、老舗・梅園菓子処の代表的な銘菓で、霊峰宝満山から名前をつけています。
皇室に献上されていたという歴史があり、その証も残されています。
太宰府駅から天満宮に向かって徒歩約2分ほど歩くと、梅園の大きな看板が目を引きます。
この看板は創業昭和23年から修繕しつつ使い続けているもので、年季を感じさせられます。
銘菓宝満山は、ういろうをフワフワとさせたような食感で、濃厚な卵のコクとしっかりとした甘さが特徴のお菓子です。
海外の人に説明する際に使うそうですが、和製プリンという言葉がしっくりきました。
たくさん食べたいというよりは、少しずつ味わって食べたいというものですね。
ブランデーや梅酒をかけて食べるとリッチな味わいになるそうです。
お茶などを飲みながら食べるのが美味しくいただけるお菓子だと思います。
多くの文化人や茶人が愛したお菓子として、「電気の鬼」と言われた財界人であり、近代3茶人の1人である、松永安左エ門は特に宝満山を気に入っており、梅園の店内では、松永安左エ門からの手紙を見ることができます。
その他にも、作家の松本清張、川端康成、大仏次郎や元総理大臣吉田茂にも好まれていたそうです。
梅園菓子処 所在地 : 福岡県太宰府市宰府2-6-16
URL : http://www.dazaifu-baien.jp
どれも、歴史や思いの籠ったグルメばかりです。
太宰府を訪れた際は、ぜひこれらを食べながら、お話を聞いてみてください。
ここに書かれている以上の歴史やエピソードが聞けるかもしれません。
美味しいものを食べて歴史まで感じられる一石二鳥の旅を楽しんでください。