雲仙神代小路地区に残る鶴亀城址で南北朝時代へタイムスリップ!
美しい神代小路の町並みが残る、長崎県雲仙市国見町。
時が止まったかのような歴史を感じられる神代小路地区には、豊かな自然とともに残る鶴亀城址とその中に佇む2つの神社があります。
早速、本丸と二ノ丸史跡を訪れ歴史を散策しに行きましょう!
この記事の目次
重要伝統的建造物群保存地区・雲仙神代小路から鶴亀城址を目指す
島原電鉄・神代町駅(こうじろまちえき)下車、徒歩約12分の鶴亀城址を訪れました。
道中では江戸時代の美しい武家屋敷が軒を並べる神代小路の町並みを楽しむことができます。
堂々と佇む佐賀鍋島藩・旧領主の邸宅である鍋島邸の前を通り、一つ目の分岐を右折すると鶴亀城址はすぐそこです。
東西に350メートル・南北に450mの広さがある大きな海城跡の一つ鶴亀城址は、南北朝時代に神代貴益が築城されたと伝えられています。
海城(うみじろ)とは、水運を押さえるため海に直面して築かれた城のことを指します。
築城以来、戦国時代末期まで神代氏の居城となった鶴亀城址。
現在、鶴亀城二ノ丸跡は緑が生い茂る豊かな城跡・畑となっており、自然に囲まれながら築城当時はどのような風景だったのか想像する楽しみがありました。
雲仙鶴亀城址の本丸跡に佇む神代神社 歴史と豊かな自然を感じよう
つづいて、鶴亀城址二ノ丸のすぐそばにある「神代神社」(こうじろじんじゃ)を訪れました。
鶴亀城の本丸跡に1843年に創建された神代神社では、鍋島豊前守信房公と菅原道真公が祀られています。
鶴亀城を語る上で外せないのは、東は「みのつる川」西は「西田川」の2つの河川に囲まれていることと、さらに北側は有明海に面している立地です。
また当時の城周辺は湿地帯だったようで、海上からも陸上からも侵入が困難な立地だったため敵の侵入も難しかったことが分かります。
数々の城跡が各地に残る日本ですが、城跡そのものだけを見るのではなく、まわりの地形や特徴も一緒に観察すると昔の人々の考えや想いが伝わってくるようで面白味を感じることができました。
京都稲荷神社より奉斉した格式高き雲仙国見町の道政院稲荷神社へ
先ほど訪れた神代神社へ続く鳥居をくぐると、同じ境内の右側には「道政院(みちまさいん)稲荷神社」があります。
お稲荷さんならではの赤い鳥居が拝殿まで並んでいます。
道政院稲荷神社は1747年に創建され、神代鍋島家八代の茂興公が、桃園天皇即位式に参列した際に、京都の伏見稲荷から御神体の分身を請け負ったそうです。
翌年には新たに神殿を鶴亀城の本丸と下古賀尾上神宮に建立しました。
倉稲魂神(うかのみたまのかみ)を祀り、俗にいう5社稲荷で神格の高い稲荷様と伝えられています。
お稲荷さんと言えば、まず京都の伏見稲荷神社を思い浮かべる方も多いかと思いますが、遠く離れた場所、思わぬところで歴史と歴史は繋がっていて、感慨深かったです。
鶴亀城址や神代神社・道政院稲荷神社があるあたりは、少し歩くととてものどかな風景が広がっているので、是非周辺散策も楽しみながらリフレッシュしてください。
鶴亀城跡(神代神社・道政院稲荷神社) 所在地:長崎県雲仙市国見町神代丙179
重要伝統的建造物群保存地区・神代小路付近に残る鶴亀城址の歴史と、豊かな自然を楽しんでいただけましたか。
立派な天守が現存するお城も素敵ですが、城跡には当時の様子を想像してみる楽しみもあります。
鶴亀城址の中の神代神社や道政院稲荷神社とともに、歩いてすぐの美しい武家屋敷の町並み地区にも、是非足を運んでみてください。