北野異人館「洋館長屋」で触れるフランスの文化
兵庫県神戸市にある北野には異人館街があり、今でも多くの外国人の方が住まわれている、多国籍なまちです。
そんな中でも今回はフランスに焦点を当てて、日本にいながらフランスの文化に触れる、そんな旅に出かけてみませんか。
洋館長屋で感じる エスプリに富んだ調度品からみるフランスの文化
三宮駅から歩いて北野坂を上って約15分。
北野通り沿いに目を引くトリコロールのフランス国旗が見える、ここが洋館長屋です。
洋館長屋という名前は、左右非対称に並んで建てられた二軒がつながった風変わりな外観が日本の長屋のように見えることから名づけられたそうです。
元々は外国人向けのアパートであったそうですが、現在はフランスの美術品や調度品が展示されています。
そのため別名、仏蘭西館とも言います。
さっそく中へ入ってみましょう。
2階へ上り、まず目に入ってくるのはフランスの美術品です。
中でもアール・ヌーヴォーを代表する作家であるエミール・ガレやルネ・ラリックの作品の美しさに見入ってしまいます。
次へ進むと特徴的な調度品が飾られたお部屋が並んでいます。
可愛らしい子ども部屋もありました。
訪れた時に偶然イベントが開催されており、お部屋でドレスを着た貴婦人がいらっしゃいました。
この日は18世紀のフランスの宮廷ドレスの「ローブ・ア・ラ・フラアンセーズ」を身に纏っていました。
一緒に記念撮影もできるそうです。
また進むとルイ・ヴィトンの歴史の紹介とともに、19世紀末に作られたルイ・ヴィトンの船旅用のトランクがあります。
中にはハンガーのようなものがあり、見た目は今のデザインと変わらないように見えます。
2階から1階へ降りると、こちらにもフランスに関する調度品の数々があります。
真っ赤で不思議な形をしたソファーは、上から見ると花びらのように見えることから花弁状ソファーと言われています。
その隣にはナポレオン時代の古典ピアノがあります。
燭台(しょくだい)がついているめずらしいもので、鍵盤の数は今のピアノよりも少ないです。
フランスの民話「美女と野獣」をイメージしたテーブルです。
目を楽しませる美しいフランスの美術品や調度品に思わず見惚れてしまいました。
展示物にフランスの歴史を色濃く感じ、フランスに思いをめぐらす館でした。
所在地 : 兵庫県神戸市中央区北野町2-3-18
http://kobe-ijinkan.net/france/
色鮮やかなフランスの雑貨を見るなら「メゾン・ド・プロヴァンス」へ
洋館長屋から北野坂を下りること徒歩約3分。
色鮮やかな店内につい目を奪われてしまう「メゾン・ド・プロヴァンス」があります。
(写真提供:メゾン・ド・プロヴァンス)
店内に入ると「ボンジュール。サバ?」と明るく声をかけてくださる店員さんが。
店内にはプロヴァンス地方をはじめ、フランスの様々な雑貨があります。
日本の人はフランスというとパリだけをイメージしがちなので、プロヴァンスなどフランスの色んな地域の雑貨も知ってほしいそうです。
店員さんにお話を聞くとフランスの方はオリーブやラベンダーを好み、上手く活用されているそうです。
オリーブの実を塩漬けやペーストにして食べたり、オイルを絞ったり、というのは想像しやすい活用方法です。
しかし、フランスではそれ以外にも、搾った後を活用して石鹸を作る際に使用したり、オリーブの木から食器を作ったりしています。
オリーブの木からできた食器は40年余りも使えるそうです。
ラベンダーは香りを香水やオイルにするだけでなく、フランスを象徴するモチーフとしても多く使われていました。
こうしたフランスの素敵な雑貨をもっと広めたい、応援したいと、2016年の11月にオープンされたそうです。
(写真提供:メゾン・ド・プロヴァンス)
雑貨だけでなく、お隣には「ビストロ・カフェ・ド・パリ」というパリのレストランのような空間で、ビストロ料理を気軽に楽しめる系列店もあります。
ぜひこちらでもフランスの文化を感じてみてはいかがでしょうか。
(写真提供:メゾン・ド・プロヴァンス)
店員さんにお話を伺っていると、店員さんはご近所の方にたくさん声をかけられていました。
また、お話していると様々なことを明るく楽しく話してくださいます。
思わず元気の出るようなカラフルなフランスの雑貨と明るく楽しい店員さんに会いに、ぜひ「メゾン・ド・プロヴァンス」に立ち寄ってはいかがでしょうか。
所在地 : 兵庫県神戸市中央区山本通1-7-21
http://maison-de-provence.jp/
北野で触れるフランスの文化に魅了される旅はいかがでしたでしょうか。
異国情緒あふれる北野だからこそ、フランスをはじめとする様々な文化に触れることができます。
異人館だけでない北野の魅力を感じる旅をしてみては?