HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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美山かやぶきの里が誇る 古くからの伝説が残る神社 知井八幡宮

  • 美山かやぶきの里内にある神社、知井八幡神社(ちいはちまんじんじゃ)。

    この美山の地の形成に関わる古くから言い伝えられてきた伝説や境内の様子。

    さらにはこの神社の特徴の一つとも言える、本堂に施された数々の彫刻を巡ります。

     

     

     

    美山かやぶきの里内で歴史的建造物に触れる 知井八幡神社について

     

    JR山陰本線の日吉駅(ひよしえき)から南丹市営バスに揺られ約50分、かやぶきの里にやってきました。

    「北」停留所から赤橋を背にして、由良川沿いを歩くこと約5分、知井八幡神社が見えてきました。

     

    〈01_miyama_知井八幡神社手前〉

     

    まず小さな橋を渡り、石段を上がっていきます。

     

    〈02_miyama_知井八幡神社手前の橋〉

     

    社頭の前で立ち止まり、振り返ると里全体を一望できます。

     

    〈03_miyama_歩く道〉

     

    実は2017年の秋、本殿が再建されて250年という記念すべき年です。看板がありました。

     

    〈04_miyama看板〉

     

    この本殿は京都府指定文化財となっています。

    社頭をくぐり抜け境内に足を踏み入れます。

     

    〈05 miyama社頭〉

     

    そのまま、まっすぐ進むと拝殿が見え、右手には手水舎があります。

     

    〈06_miyama 手水舎〉

     

    手水舎のすぐそばには、絵馬がかけられています。

     

    〈07_miyama 絵馬〉

     

    本殿へと続く階段を上ると、右手には御神木の大杉が見えます。

    とても大きく見上げるのも大変です。

     

     

     

    美山北(知井地域)に古くから伝わるまちの形成に関わる伝説とは

     

    この神社の起源はとても古く、このまちの形成に関わるある伝説が残されています。

     

    〈08_miyama 境内〉

     

    〈09_miyama 境内〉

     

    この伝説は「京北の昔がたり」に「八つ頭の大鹿退治」と題し、また「美山・伝承の旅」に、「大鹿退治」と題し記されています。

    713年、元明天皇の時代、八つの頭を持つ、「八股角鹿」という大鹿の化け物が現れ、都に災いをもたらしていました。

    そこで命を受けた甲賀三郎兼家は、丹波北部に潜むこの大鹿を退治しに向かいます。

    その後、甲賀三郎とその家来がこのまちを開いたとされています。

    丹波についた兼家は、京北弓削の八幡宮社で加護を祈り、弓矢の準備をしました。

    準備を整えた兼家は山へと入りますが、山深くどちらへ向かえばいいのか分からず困ってしまったそうです。

    そこに二人の童子が現れ、その案内で八丁山へと向かいました。

    すると天地鳴動して八頭の大鹿が洞窟から飛び出し、兼家目がけて飛びかかってきました。

    彼は怯まずに弓を放つと巨鹿に命中します!

    矢を負った鹿は山を下るまで逃げましたがついに力尽きてしまします。

    血で岩や道をそめたそこは、赤石ケ谷というそうです。

    追いつめた兼家は鹿を岩の上で斬ります。

     

    〈10_miyama 境内〉

     

    大鹿を退治した兼家は佐々里の里へと下り、祠をたてて八幡大明神を祀り神の加護に謝します。

    これが今の知井八幡神社ということだそうです。

     

    〈11_miyama 境内〉

     

     

     

    美山かやぶきの里 知井八幡宮本殿に施された数々の彫刻

     

    知井八幡神社では毎年宵宮・例祭・神幸祭(神輿巡行)が行われます。

    集落の中を神輿を担いで練り歩くことで厄払い、家内安全を祈願します。

    その神輿も境内にはありました。

     

    11-2_miyama

     

    この本殿には細かい彫刻がなされており、京都府の指定文化財にもなっています。

     

    12_miyama

     

    菊の花、鳩、虎、象、麒麟、獅子、獏、鳳凰、鶴、鯉など本殿のいたるところに、これらが彫刻されています。

     

    13_miyama

     

    繊細な彫刻ひとつひとつにどのような想いが込められているのでしょうか。

     

    〈14_miyama 左 獏 右 麒麟〉

     

    彫刻は古くからずっとこそに居て、多くの人々が来るのを見守っているのでしょうか。

    とても神聖な気持ちになりました。

    皆さんも訪れた際は、是非探してみたください。

     

    〈15_miyama 鶴〉

     

    知井八幡神社  所在地 : 京都府南丹市美山町北

     

     

     

    美山かやぶきの里内にある歴史的建造物のひとつ、知井八幡神社。

    土地の形成に関わる古くから残る伝説があり、京都府の指定文化財にもなっています。

    細かな彫刻が沢山施される本殿や祭事の際に使用する神輿、沢山の見どころと魅力がつまった神社です。

    ぜひ知井地区を代表する知井八幡宮に訪れてみてはいかがでしょうか。