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文化の停滞が生み出した芸術!小樽ガラス「北一硝子」を堪能する旅へ

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    今回は小樽の有名な工芸品、小樽ガラスをご紹介します。実は小樽ガラスは、産業に密接につながりのある歴史がありました。そこで訪れたのは、小樽ガラスが使用されるようになる発祥でもある「北一硝子」を訪れました。小樽のレトロな雰囲気と伝統的な工芸品が生み出す空間が楽しめる「北一硝子」へ出発です。

     

    生活に密着した小樽の文化から始まった北一硝子の歴史とは

    明治から昭和にかけ、小樽はニシン漁で発展し、北のウォール街と呼ばれるなど北海道の経済の中心であり国際貿易港となります。漁業の町として豊漁の時代であった小樽では、ガラス産業が始まったのは、ちょうど同じ時期になります。
    当時は、ニシン漁に使うために開発されたガラス製の浮き玉や、夜の灯りとして石油ランプが、生産の中心となっていました。

     

    今回訪れる北一硝子の前身は、浅原硝子。大阪でガラス製造を学んだ浅原硝子の創業者が、1901年に小樽で製造所を開業し、石油ランプを製造し始め、1910年からは浮き玉の製造も行うようになったことからはじまります。1940年には最盛期をむかえるなど、北海道の産業に貢献。この浅原硝子が1971年に社名変更され北一硝子になりました。

     

     

    167本のランプがつくりだす幻想的な空間に身を任せる

     

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    小樽駅から徒歩約15分の堺町通にある北一硝子。北一硝子では、小樽ガラスのお土産はもちろん、制作体験などもできます。

     
    今回は小樽ガラスの販売を行っている3号館、工房見学、制作体験の3つを訪れました。

    まず案内していただいたのは、三号館内にある北一ホールと呼ばれる場所です。三号館は1891年に建てられた木骨石張倉庫です。この倉庫は漁業用倉庫として、みがき鰊など魚の加工品が納められていましたが、鰊漁の衰退とともに魚以外の物資が納められるようになった倉庫とされています。現在は歴史的建造物に認定されています。
    営業中は電気をつけず、167本の石油ランプのみで店内が照らされていました。石油ランプの明かりであたたかな空間が広がっており、とても幻想的でした。なんとここでは演奏なども行われています。
    ちなみに毎朝8時45分の開店時に、167個の石油ランプにひとつひとつに火を灯しています。その点灯作業は誰でも見学可能でひとつひとつともされていく様子はとても幻想的で、隠れ穴場スポットにもなっているようですよ!
    入り口には倉庫として使用されていた当時に荷物の積出や搬入のために使用されたトロッコの線路跡があります。なんと線路の横には、当時線路をつくっていた人物の足袋の足跡が残っています!
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    全て手作り!世界にひとつだけのお気に入りの1品をお土産に

     

    <写真12otaru 店舗>

     
    店内はガラス細工の販売がされています。お土産を探して、硝子製品の販売フロアを訪れました。
    和硝子が並ぶ「和のフロア」、カジュアルなグラスが並ぶ「カントリーフロア」、異国情緒溢れる製品が並ぶ「洋のフロア」がありました。

     

    定番のグラスやアクセサリーなど様々な種類のガラスがあり中でも水に浸すと色が変わるグラスがとても印象的でした。
    すべて手作りで作られており、購入する際は同じ商品を5つほど用意しお客様の好みの商品を選んでいただけます。
    手作りならではのこだわりと温かさを感じることができますよ!

     

    ガラス職人の技を間近に見ることができる!工房の見学へ!

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    次に工房を見学させていただきました。ガラスづくりの職人として一人前になるのに10年ほどかかるそうです。工房では実際に職人の方が商品を作っている様子を見ることができます。
    1つ1つじっくりと作られていくガラス製品の製造過程を見ることができました。

    ガラス製品の制作過程は大きく2つに分けて見学ができます。吹きガラスの実演を見られるホットワークと、バーナーを使って細かなアクセサリーなどを作るランプワークの2種類です。

    ホットワークは、飴状のドロッとしたガラスを巻き込んで、息を吹きグラスの形を作っていく職人の技を見ることができます!

    ランプワークでは、棒ガラスを溶かし合わせて形を作って行く様子をみることができます!
    見学する機会というのはなかなか経験することができないと思うのでお勧めです。
    ちなみに、見学できる時間が異なります。ホットワーク見学可能時間は、9時30分から16時30分です。定休日は毎週火曜日。
    ランプワーク見学可能時間は、9時30分から17時30分です。定休日は毎週木曜日。見学は無料で、素晴らしい職人技を見ることができます!ぜひ見に行きましょう!

     

     

    「花園店」で気分はガラス職人!とんぼ玉アレンジメント体験

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    最後に制作体験をさせていただきました。「三号館」から徒歩15分程度、小樽駅からは徒歩7分程度の場所にある「花園店」で行います。
    「サンドブラスト」という、硝子の表面に細かい砂を吹きつけて絵柄を彫っていく技法の彫刻体験や、とんぼ玉アレンジメント体験ができます。

     

    今回はとんぼ玉のアレンジメント体験をしました!
    まずは紐、ビーズを選び作品を作っていきます。
    まず紐の長さを自分の好きな長さに切ります。
    その後は自分が選んだ飾りを紐に通し球止めをする作業を繰り返していきます。
    作成時間は約10分ほどで完成しました。完成した作品がこちらです。

     

     

    <写真15otaru とんぼ玉完成品>
    とんぼ玉アレンジメントは簡単に作ることができます!キーホルダー以外にもアクセサリーなど様々選ぶことができます!ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

    所在地:北海道小樽市堺町7-26

     

     

    いかがでしたか?今回は店内の散策と制作体験をさせていただきました。制作体験は、わかりやすく教えていただき簡単に制作できるようになっています。旅の記念として制作体験をしてみてはいかがでしょうか。また、当時の倉庫をそのままに使用されていので、小樽の歴史を感じることができる店内となっています!ぜひ歴史にも触れながら、非日常空間を楽しんでくださいね!

     

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