全国唯一の脚物家具の産地 高山「飛騨の家具」の伝統と歴史とは
日本の家具の五大産地の一つである岐阜県高山市。
高山市内の施設や店舗では、飛騨の家具が使用され、目に触れる機会も多いです。
五大産地の中でも飛騨以外はタンスや鏡台などの箱物家具からはじまった産地であるのに対し、
飛騨は家具の中で最も難しいと言われる椅子などの脚物家具の産地です。
飛騨の家具作りの歴史と伝統にせまります。
この記事の目次
高山市「飛騨の家具」の歴史と伝統を知るためにミュージアム飛騨へ
まずは、飛騨・世界生活文化センター内にある「ミュージアム飛騨」を訪れました。
羽田空港から富山空港まで約1時間、その後富山地方鉄道(バス)で約25分で富山駅へ到着します。
富山駅から、JR特急ワイドビューひだに乗り、約1時間半で高山駅に着きます。
駅を出てすぐ北にある高山濃飛バスセンターから、さるぼぼバスに乗って約20分です。
飛騨・世界生活文化センターは飛騨の民俗文化をテーマにした施設で、複数の施設があります。
「ミュージアム飛騨」はメインアプローチの階段の右奥の入口から入ることができます。
中に入ってエスカレーターに乗る前に目に入ってくるのは、館長のメッセージです。
これから見る飛騨の家具への期待値が高まります。
そのままエスカレーターに乗り、地下1階に上り、右奥に進むとミュージアムがあります。
ミュージアム内の1階には、飛鳥時代から数百年にわたり、都へ出役し宮殿や仏閣の造営に腕を揮った「飛騨の匠」の歴史が展示されています。
飛騨の代表的な千鳥格子や平城宮で使われていた机や椅子などを見ることができます。
「カラクリお堂」では、飛騨の匠の技を身をもって感じることができるので、訪れた際はぜひ試してみてください。
過去から現代に紡がれる飛騨高山の家具の文化とは その変遷を追う
地下1階には、「飛騨の家具の歴史」と、「現代の飛騨の家具」の展示があります。
「飛騨の家具の歴史」スペースでは、1920年から始まった家具作りの歴史がパネルと実物によって展示されています。
「飛騨の家具」が、日本でも世界でも売れるきっかけとなった、折畳椅子です。
「現代の飛騨の家具」スペースでは、現在飛騨に滞在しているデザイナーがつくった100脚の椅子が展示されています。
ゆったりとした椅子や正しい姿勢で座れる椅子など、形状や用途など、個性の違うさまざまな椅子があります。
展示している椅子は実際に座ることも購入することもできるため、展示も絶えず入れ替わります。
常に新しいものが並び、その全てに座ることができるという贅沢な空間でした。
唯一無二のセレクトショップORIBE STYLEで飛騨高山を堪能
ミュージアムショップ「ORIBE STYLE」には、市内には売っていない商品が多く並び、わざわざこのショップの商品を買うために訪れる人もいるそうです。
飛騨の木工製品や美濃の陶器。
そして春慶塗などの伝統工芸品から雑貨、食品まで岐阜県産のデザイン性に優れた商品が多く並ぶセレクトショップです。
ミュージアム飛騨の常設展示室で展示されている製品もいくつかこのミュージアムショップで購入できます。
これまで見学してきた家具や雑貨などの伝統工芸品ももちろんオススメですが、中でもおすすめはにんじんとりんごを混ぜたジュース「キャロりんご」です。
りんごだけでなくにんじんの甘みもしっかり感じられてとてもおいしかったです。
その他にも、一位一刀彫や春慶塗などの飛騨の伝統工芸品などの雑貨なども販売しているので、ミュージアム飛騨に行かれた際には、ぜひこちらのミュージアムショップにもお立ち寄りください。
所在地 : 岐阜県高山市千島町900-1
ミュージアム飛騨で家具の歴史と飛騨が誇る特産品を楽しむ旅はいかがでしたか。森によって生かされてきたと言われる飛騨地方。
そこで何世紀にもわたり育まれた地域文化はいつも木材と共にあったことがわかりました。
普段何気なく使用している家具がかけがえのないものに変わる瞬間をぜひ味わいに行ってみてください。