室津に現存する建造物と歴史の歩みと受け継がれる伝統行事について
兵庫県たつの市にある港、室津をご存知でしょうか。
室津は港町として約1300年の歴史があります。行基によって奈良時代に5つの港が整備され、そのうちの1つが室(室津)(むろつ)だったのです。
参勤交代で西国の大名たちの疲れを癒し、多くの人々を迎えた港の歴史旅をお楽しみください。
この記事の目次
港町室津 荘厳な雰囲気漂う賀茂神社 シーボルトも愛した景色
賀茂神社は、電鉄網干駅からバスで約25分揺られ、室津海駅館に到着後徒歩5分ほどで到着します。
室津は港町として約1300年前から歴時を持っています。
江戸時代に一番の栄華を迎え、参勤交代で西国からの大名のほとんどが船で室津に到着し、そこから陸路江戸へ向かいました。
ここは、宿場町として栄え、多くの旅人の疲れを癒しました。
そんな歴史ある室津にある賀茂神社(かもじんんじゃ)を紹介します。
賀茂神社といえば、京都の上賀茂神社を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実は、、京都上賀茂神社の御厨の一つです。
祭神、賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)を祀る神社で、平安時代に平清盛が厳島に訪れた際に海上祈願として立ち寄った神社であるといわれています。
800~900年ごろに建設され、長い歴史の中で今もなお現存しています。
国の重要文化財として使用されている立派な唐門を過ぎると、神社内は閑散としており、じっくりと独特な建築様式と厳かな雰囲気を味わうことができます。
神社を通過して下って行くと瀬戸内海が広がっています。
江戸時代には多くの外国人が上陸し、オランダの医師シーボルトも1826年に室津を訪れています。
シーボルトは自身の著書『日本』で、『これまで日本で見たもっとも美しい景色のひとつ』と褒め称えたそうです。
その景色が、賀茂神社から見下ろす播磨灘の風景という記録も残っています。
参勤交代や外国人の渡航に関わり、情報や物にも栄えていた重要都市歴史ある港町、室津のシンボルで歴史を感じませんか。
賀茂神社 所在地 : たつの市御津町室津75
江戸時代に栄えた海のみえる町に残された歴史をたどる ~海駅館~
室津海駅館は、電鉄網干駅からバスで約25分揺られ、アクセスが可能です。
タクシーまたは本数が少ないですが神姫バス大浦行「室津」下車で徒歩約5分で行くこともできます。
たつの市立室津海駅館は、たつの市指定文化財に登録され、江戸時代後期に嶋屋(しまや)(三木)半四郎(はんしろう)が建築しました。
「切妻平入り本瓦葺き二階建て」という室津ならではの町屋の建築様式を味わうことができます。
船の模型や江戸時代に参勤交代や朝鮮通信使の通過した経路がわかるパネルが展示されており、室津が国内や海外でつながりがあったという歴史を垣間見ることができます。
館内の方にお聞きしたところ、室津は町内での人々の結びつきが強く、行事も積極的に参加されるそうです。
毎年8月に行われるたつの市の伝統行事「八朔のひなまつり」にちなんで室津海駅館では地元の手芸家の方が手作りされた市松人形も展示されています。
たつの市立室津海駅館 所在地 : たつの市御津町室津457
大型町家の代表建築物に隠された歴史の数々の秘密とは~民俗館~
室津民族館は、室津海駅館から徒歩2分で到着します。
通常入館200円のところ、近くにある海駅館との共通券が300円とお得です。
室津民俗館は、室津の誇る大型町家として知られます。
なんと客室22室、畳数150以上の規模を誇ります。
「兵庫住宅百選」や県指定の文化財に登録されています。
入り口は「吊り上げ式二重戸」、箱階段は2階へと続く隠階段になっており、特徴的な町屋の建築様式が見どころです。
江戸時代に姫路藩御用達をつとめた「魚屋」という屋号を持つ旧豪商の建物です。
当時漁業を行う際に使用していた道具や地図、革細工関係の資料も展示されています。
海駅館とともに商業の中心地として栄えた室津ならではの文化に触れることができるでしょう。
室津民俗館 所在地 : 兵庫県たつの市御津町室津306
たつの市の海岸地域にある室津の歴史ある神社仏閣や建築物から、時代をまたぐ日本歩みや古くから継承された室津の文化をのぞくことができます。
室津ならではの眺めを楽しみながら町屋の並ぶ参道を散策してみるのはいかがでしょうか。