坂本のまちを2100年間見守る日吉大社 自然豊かな境内を歩く
滋賀県大津市坂本は日吉大社と延暦寺が共存し、神仏習合のまちとして栄えました。
そんな神仏習合の歴史を今に伝える日吉大社の社殿と雄大な境内の自然を肌で感じてみませんか。
まちの中とは思えない古くからの自然も多く残り、坂本のまちを守り続けている日吉大社へぜひ足を運んでみてください。
この記事の目次
神と仏がともに生きるまち 坂本の歴史と天台宗の護法神 日吉大社
JR比叡山坂本駅から日吉大社の参道「日吉馬場(ひよしのばんば)」を歩くこと約15分。
日吉大社の赤い鳥居が見えます。この鳥居をくぐって奥へ進みます。
日吉大社は最澄が開いた天台宗の護法神(ごほうしん)としての一面もあり、
4月に行われる山王祭(さんのうまつり)は、延暦寺と日吉大社が一緒に行い
神仏習合の伝統を守りぬいています。
途中、境内を流れる大宮川のせせらぎを感じることができます。
大宮川は比叡山に源を発しており、大宮川などによりできた扇状地に坂本のまちは立地しており、
6・7世紀の遺跡なども発見されるなど古くから人々が住み栄えていました。
大宮川の説明、もう少し神社との関わりやまちとの関わりに焦点を当てて記しましょう
すると、他の鳥居とは少し変わった鳥居が現れます。
「山王鳥居(さんのうとりい」です。鳥居の上の形が変わっています。
形が手と手を合わせた合掌の形に見えることから、「合掌鳥居」と呼ばれることもあります。
これは神道と仏教との神仏習合を象徴するもので、とても珍しいものです。
また、境内の中にある鳥居であることから「内神門」という呼び名など様々な呼び名があり、
日吉大社を象徴していると言える鳥居です。
この山王鳥居や4月には春の訪れを告げる山王祭(さんのうまつり)が日吉大社にはあり、神と仏が生きるまち 比叡山坂本を体現していると感じました。
ぜひ、神仏習合のまちを実際に歩いてみてください。
坂本のまちを守る神の使い 神猿の伝説と威厳高い社殿を巡り歩く
山王鳥居をくぐり、自然豊かな境内を少し歩くと檻があります。
この檻の中には、猿が2匹います。
神猿(まさる)です。
なぜ神社の中に猿が飼われているのかというと、
日吉大社では古くから猿を魔よけの象徴や神の使いとして大切にしています。
「神」という漢字が猿年の申という字を使っているためという説も古文書にはあるそうですが、
正確な理由はわからないそうです。
日吉大社境内のあちこちに猿にまつわるものがあります。
西本宮の楼門の屋根にも猿の飾りがあったり、
東本宮の前には猿が腰かけている姿に似ていることからその名がついた
「猿の霊石」があります。
写真は東本宮楼門と東本宮の本殿です。
境内には西本宮と東本宮の2つ大きな社殿がありますが、
信長の比叡山焼き討ちの際に日吉大社もすべて焼き払われてしまい
復建の際、西本宮が先に建て直され、その後東本宮が建てられたために、
西本宮よりも東本宮には高級な材木が使われているそうです。
こんな裏知識も踏まえて社殿を見ていくと一層面白いと思います。
歴史が守られ、つながれていることを肌で感じることができました。
坂本のまちとは別空間 境内を通る川のせせらぎと雄大な自然を感じる
さて、境内を歩いて回っていると
木々と清流が織りなす自然を肌で感じることができます。
西本宮から東本宮に向かう途中にある白山宮(しらやまぐう)には
小さな社殿が横に並ぶ写真に収めたくなるようなスポットがあります。
これらは白山宮の末社(まっしゃ)です。
末社とはその境内または境外にある小規模な神社のことです。
切り株とコケと歴史ある社殿が合わさるととても神聖な景色を見せてくれます。
また、境内には大宮川が流れているだけでなく小さな清流もたくさん見ることができます。
小さな滝は心癒されること間違いなしです。
東本宮までの道は大木に挟まれ、脇には小川が流れる道を通ります。
とてもまちがそばにあるとは思えない別世界にいる感覚です。
ぜひ、日吉大社境内の優美な自然を感じてみてください。
日吉大社 所在地 : 滋賀県大津市坂本5-1-1
古くからこの地を見守る日吉大社の歴史と自然豊かな境内を巡る旅はいかがでしたか。
山王祭は7基もの神輿が比叡山を駆け巡る大迫力のお祭りなのでぜひ一度は見たいものですね。
自然と伝統が織りなす神秘的な空間をぜひ一度、自分の足で回ってみませんか。