南会津に残る「人と馬が一緒に暮らした家」前沢曲家集落を散策
日本のふるさとの風景が残る福島県・南会津町。
その南会津町舘岩地域に前沢集落はあります。
2011年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された前沢集落。
馬を家族同様に大切にし、一緒に暮らした前沢の人々の暮らしを感じる旅に出かけませんか。
この記事の目次
日本の原風景を感じさせる南会津町の「前沢曲家集落」を散策しよう
会津鉄道・会津高原尾瀬口駅からバスで約50分、車で約35分。
「前沢向」のバス停を降りると目の前に前沢集落が見えます。
案内所で入園料を払い、舘岩川を渡ると、前沢集落が広がっています。
前沢集落は、1500年代末に中世会津武士が拓いた集落として地元の人々に言い伝えられています。
この前沢集落は、1907年に全戸を焼失する大火に遭いました。
その後、各戸が同一大工集団によって一斉に新しい技法で建築され、今に残る茅葺き屋根の曲家と直屋は統一感のある景観を生んでいます。
茅葺屋根の母屋と馬屋が一体となったL字型の中門造りの家屋を、舘岩では「曲家」(まがりや)と呼びます。
こちらのお宅では、茅葺屋根の修復を行っています。
このように屋根の修復「差し茅」を部分的に行うことで家屋を維持しているそうです。
集落内には曲家資料館や、共同運営の販売所、交流館もあり、
集落の方々の暮らしを感じることができます。
現在も人々の暮らしが息づく前沢集落は、山々を背にして自然に恵まれており、
日本のふるさとの原風景といえます。
日常から離れ、どこか懐かしさを感じられること間違いなしです!
前沢曲家集落 所在地 : 福島県南会津郡南会津町前沢
http://tateiwa-tic.jp/maezawa/
南会津町・曲家集落の知恵や文化は何か?曲家資料館を見学しよう
前沢集落内にある曲家資料館で曲家での生活を体感してみましょう!
会津鉄道・会津高原尾瀬口駅からバスで約50分、車で約35分。
「前沢向」のバス停を下車し、前沢集落の中を進んでいきましょう。
曲家を移築して資料館として活用している曲家資料館は、曲家内の様子や造りを見学できるのは、この資料館のみです。
前沢集落は積雪量が1mを超える豪雪地域の山村集落です。
冬は雪で閉ざされてしまうこの集落では雪国で暮らす工夫がありました。
雪国ならではの工夫は、まず曲家(中門造り)のL字型の造りに隠されています。
曲家は長方形の母屋に突出したかたちで土間へつづく通路が伸び、それに面して馬屋と便所があります。
外へ出ることなく、馬の様子がわかり、便所にもいけるという工夫がされているのです。
昔の人々の暮らしに必要不可欠な馬が、前沢集落では家族同様に大切にされていたこともわかります。
また、前沢集落では軒高・棟高が高くなっており、明治時代の意匠や技術が感じられます。
資料館に入ると囲炉裏で火が焚かれています。
昔の暮らしでは毎日の3度の食事を囲炉裏を使って作ることで、けむりが屋根をいぶして乾燥させる効果があったそうです。
雪が屋根の上に積もったり、雨で屋根がぬれても茅葺の屋根の状態を維持する工夫ですね。
曲家資料館 所在地:福島県南会津郡南会津町前沢337
南会津町の重要伝統的建造物保存地区・前沢曲家集落を一望できるスポットへ
前沢曲家集落を散策した後は、集落を一望できる展望台に行ってみましょう!
会津鉄道・会津高原尾瀬口駅からバスで約50分、車で約35分。「前沢向」のバス停で下車します。
集落の出入り口から舘岩川にかかる前沢橋を渡り、駐車場沿いを歩きます。
目の前にみえる国道352号線を渡ると、展望台への入り口に着きます。
横断歩道はないので車に気を付けて渡りましょう。
展望台へは階段を約10分ほど登ります。
道中は少し急ですが、道にはチップが敷き詰められておりフワフワした道になっています。
また、階段も整備されており、山中を進んで行きます。
さあ、展望台につきました!
展望台には目印や看板がありませんが、階段を登って行き止まりに着きます。
そこで後ろを振り返ってください!
木々の間から前沢曲家集落を一望でき、少し昔の日本にタイムスリップしたような感じになりました。
四季それぞれの集落の風景を望むことができます。
展望台 所在地 : 福島県南会津郡南会津町前沢
南会津町の前沢集落を訪れる旅はいかがでしたでしょうか。
曲家と直屋が混在する特徴的な前沢集落は、山々に囲まれた山間部の農村集落の暮らしを感じることができます。
南会津を訪れた際は、絶景お立ち寄りください。