HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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湯葉ではなく「湯波」と記す日光の名産「湯波作り」を体験してみよう

  • 栃木県日光市に訪れたらぜひ立ち寄ってもらいたい名産を2つ紹介します。
    独特の厚みと弾力がある日光の湯波を手作り体験しました。また、天然水のかき氷も絶品です。
    日光の気候や地形からできた名産品を旅のお供にしてみませんか。

     

     

     

    古くから山岳信仰で栄えた日光の精進料理 湯葉を実際に作ってみよう

    新宿駅から特急1号で約2時間でJR東武日光駅から電車で約13分下野大沢駅下車。

    駅から車で約10分。湯葉作りが体験できる日光ゆば製造株式会社日光工場に到着します。

     

    <写真1nikko 日光ゆば製造株式会社>
    最寄駅からは少し距離がある為、車かタクシーで移動することをお勧めします。
    今回は名物日光ゆばの購入と湯波作りを体験するために訪れました。

    日光は古くから山岳信仰で栄えていたため、精進料理であるゆばが盛んに作られ、老舗も多くあります。ゆばは漢字では湯葉、あるいは湯波どちらでも書くことがありますが、日光では「湯波」と書きます。一枚の葉のように薄い京都のゆばは湯葉、薄い膜を何枚にも重ねて波の模様のように巻かれた日光のゆばは湯波と、異なる漢字を使用するそうです。
    日光市で湯波が多く食べられる理由は、京都と一緒で精進料理がきっかけとなっています。
    お店の方によるとゆばが日光の名物になったのは最近のことだと言います。
    1999年「日光の社寺」が世界文化遺産に登録され、観光客が増加した際に、老舗がゆばを日光名物として売り出したことがきっかけでした。
    現在ではゆばが様々なアレンジを加えられながら、日光の各地で売られています。ただし、日光市内でゆば作り体験ができるのは日光ゆば製造株式会社日光工場だけです。
    ゆばは豆乳を加熱した時にできる膜をすくい上げてできます。
    ここでは写真のような湯葉を作る機会でゆばをすくい上げる工程を体験できます。

     

     

    <02nikko ゆば作り1>
    沸騰している豆乳を団扇で扇ぎながら膜を作っていきます。膜が出来たら爪楊枝を隅に持って行きます。

     

     

    <03nikko ゆば作り2>
    爪楊枝を端から丁寧に真っ直ぐに引いて膜を集めます。

     

     

    <04nikko ゆば作り3>
    端から端に引き終わったらゆっくりとそれを持ち上げます。これがゆばです。

     

     

    <05nikko ゆば作り4>

     

     

    自分で作った湯波の触感を味わい 日光の地形と気候を感じてみよう

     
    その後、すくいあげたゆばをその場でいただくことができます。

     

     

    <06nikko 試食、刺身ゆば>
    今回はわさび醤油でいただきました。
    とてもクリーミーでとろけるような食感でした。画像の左の湯葉はお店の方に出していただいた刺身のゆばです。
    日光のホテルでは一般的に刺身ゆばが出されているそうです。

     

    <07nikko 日光ゆば>
    日光ゆばの特徴はこの薄い膜を何枚も重ねて層にし、層の間に豆乳を挟むことによって厚みのある湯葉に仕上げていることです。京都でも湯葉は有名ですが、大きな違いはこの厚みです。

     

     

    <08nikko 店内販売>
    さらに。このお店では様々な日光料理を販売しています。

    刺身ゆばの他にも餃子に湯葉を加えた湯葉餃子、煮物として食べる湯巻ゆば子供にも食べやすい湯葉ナゲットなど、様々なアレンジが加えられた湯葉料理を購入できます。
    また、東武日光駅周辺にも日光ゆばまんじゅうっが土産として販売されています。日光に訪れた際は自分にあったゆば料理をお土産に買ってみてはいかがでしょうか。

    日光でゆばが名物になっているということを取材前は知りませんでしたが、ゆばと日光の歴史とリンクしていることわかり、納得がいきました。
    またゆばを作るという貴重な体験を通して、ゆばが一つ一つ丁寧に作られていることを知りました。
    日光観光に来たら歴史的建造物見学するだけでなく、をゆばを食べて、美味しく歴史を学んでみませんか。
    所在地:日光ゆば製造株式会社 日光工場直売店
    栃木県日光市猪倉赤堀3589

     

     

    平安時代から伝わる伝統料理 日光そばと日光市独特の湯波の特徴

     
    東武日光駅前にはたくさんの蕎麦屋さんがあります。
    今回はその中でも「あずまや」というお店にお邪魔しました。お昼時だったので店内は大変混雑していました。

     

     

     

     

    <写真13-2nikko 日光そば2>

     

     

     

    特に人気なメニューは日光市の特徴ある厚みのある湯波が入った「」です。

    日光と京都での食べ方の違いは、日光は元々油で揚げて煮物にいれたりして食べられていました。

    京都はお刺身や乾燥湯葉などにして食べられていたので始まりは同じでも食べ方に違いがありました。

     

     

    <写真13nikko 湯波>

     

     

     

    湯波となる膜の部分を折りたたんで二重にして引き上げているので、湯波に厚みが出て、弾力が出て食べ応えある触感になります。

     

     

     

    <写真13nikko 湯波>

     

     

     

    また、老舗の湯波屋さんは瓦屋根の造りとなっており、お店で作られた手作りの湯葉を購入することができます。
    <写真14nikko ふじや>

     
    平安時代ぐらいのころから日光では蕎麦が食べられていました。小麦・大麦の畑が豊富であったことと、おいしい水が取れることから古くから伝わる伝統料理となりました。

    蕎麦屋さんは午前中から営業していますが、ほとんどの蕎麦屋さんは閉店時間が早く、16:00や17:00ごろには閉まり始めてしまうので、お昼の時間に訪れることをお勧めします。

     

     

    日本で5か所しか獲れない!?日光の天然氷からできた絶品かき氷

     
    続いて新宿から日光1号で約2時間半、東武日光駅から徒歩約5分のところにある、甘味処「日光茶屋(にっこうちゃや)」を訪ねました。

    趣ある館内で今話題の天然氷を楽しむことができます。

     

     

     

    <写真09nikko 日光茶屋>
    東京にも新店舗が次々とオープンして人気の高い天然氷ですが、製氷機の誕生により天然で作られた氷を仕入れられる場所は日本で5か所と少なくなってしまいました。そのうちの3か所が栃木県で作られているので栃木県では天然氷がご当地スイーツとして有名となりました。

    こちらの天然氷は日光市内で作られた氷を使用しています。

     

     

    <写真10nikko 天然氷>
    今回はお店の方一押しの「甘露(かんろ)」をいただきました。綿あめのようにふわふわしていて、食べるタイミングによって触感が変化します。

    見た目は写真映えしませんが、味はシンプルで綿あめを食べているような感じでした。
    特にこだわっている点は、氷のふわふわ感を表現することです。

    季節やその日の気候によって削り方を変えたり、トッピングは上にはかけず、中に仕込ませることによってふわふわ感を崩さないよう工夫しています。

    削り方や気候によって味や氷の触感が変わるため、その違いを楽しんでもらえるよう、日光茶屋さんではかき氷を夏の暑い季節限定ではなく、一年中提供しています。

    特に人気な味はとてもシンプルな味付けの甘露シロップをかけたものです。見た目は真っ白ですが、綿あめのように甘く、口の中に入れたらすぐに溶けてしまうほどふわふわな触感です。

     

     

    <11nikko 甘露>
    日光市で食べれば1000円未満とお得なので、日光市に訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。

     

     

    <12nikko メニュー>

     

     

     

    日光市は多くの寺社仏閣があることから精進料理が今も残っています。

    土地や気候、おいしい水を活かして食べられ続ける伝統料理を是非是非味わってみてください。

    東武日光駅付近に立ち寄れるので、日帰り旅行の方にもおすすめです。