HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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世界中の旅人を出迎えるJR東日本の「日光駅」と日光東照宮宝物殿

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    栃木県日光市には徳川家康の墓所があります。
    その江戸幕府崩壊後、明治時代から現在に至るまでどのような工夫を凝らして日光の観光地化を行ってきたのか、その理由を知り、そして日光の近代の歴史を知る旅に出ましょう。

     

     

     

    日光の町と世界の旅人をつなぐ 大正時代に生まれかわった日光駅

    東京駅から電車で約2時間、東武鉄道日光線の東武日光駅をバスターミナルの見える出口から出て、西にまっすぐ進みます。

    大型バスの停留所前を過ぎると、淡いピンク色の建物が見えてきます。

     

     

    <01nikko 駅舎斜め>
    東武日光駅から徒歩約2分でJR東日本日光線の「日光駅」に到着します。この建築物は現在もJR日光駅の駅舎として使用されてます。

     

    <02nikko 日光駅舎正面>
    明治時代の駅舎は平屋建てでしたが、1912年に洋風のルネサンス様式に改築したのが今の駅舎になります。
    設計者は明石虎雄と言われています。昭和に入ると日光に急行列車や国鉄が通るようになり、多くの旅人が訪れるようになりました。
    「日光の社寺」が1999年に世界遺産に登録されたことをきっかけにさらに旅人は増加しました。

     

     

    <03nikko 日光駅舎アップ>
    東武特急列車の運行が始まった為、現在は多くの旅人は東武日光駅を利用していますが、この日光駅を見に訪れる人も少なくありません。
    内部は白と茶色の2色で配置されています。

     

    <04nikko 日光駅舎内部>
    改札口の隣にはツーリストインフォメーションセンターがあり、外国人観光客の方のインフォメーションもあります。
    また様々な言語のガイドブックも配布されています。

     

     

    <05nikko インフォメーションセンター>

     

    <06nikko インフォメーションセンター内部>
    日光駅舎には2階にホワイトルーム(旧国鉄日光駅一等旅客専用待合室跡)があり、見学できます。

     

     

    <07nikko シャンデリア>
    現在は多目ホールとして写真展などのイベントで使用されています。天井から吊り下げられたシャンデリアは大正時代にできた当時のまま残されています。

     

     

    <08nikko ホワイトルーム>

     

     

     

     

    大正天皇が利用した貴賓室がありますが、非公開となっています。天皇も訪れるほど日光は歴史的な魅力が溢れています。旅のスタートとして大正の雰囲気を味わいに日光駅舎に足を運んでみてはいかがでしょうか。

     

     

    <09nikko 日光駅舎正面2>

     

     

     

    日光駅 所在地 :栃木県日光市相生町115

     

     

     

     

    歴史遺産から当時の様子を学ぶ 日光の資料館「日光東照宮宝物殿」

    東武日光駅からバスで約10分、表参道で下車し、日光東照宮の鳥居をくぐる手前にあるのが、日光東照宮宝物殿。日光東照宮400年式年大祭を記念して2014年に作られた新しい資料館です。

     

     

    <10nikko 日光東照宮宝物殿>
    日光東照宮宝物殿で東照宮の拝観券を購入することもできます。
    さらに館内の1階にカフェがあり、ここで休憩することも可能です。館内は写真撮影禁止となっているのでご注意ください。
    建物の2階が資料館になっています。最初に見えるのは毎年日光東照宮で毎年5月、10月に行われる祭典、「百者揃千人武者行列」で使われる神輿です。
    1200人が神輿と共に従えて参道を通って本殿へ向かって練り歩くお祭りで、神輿には徳川家の家紋が刻まれています。
    資料館を奥に進むと徳川家康が使用していた硯、時計や茶碗、資料集で誰もが見たことある徳川家康の肖像画を見ることができます。
    また日光東照宮に寄贈された品々や社寺が徳川家光によって改築された際の痕跡も保管されています。
    さらに明治時代に日光の社寺を保護するために奮闘した団体「保晃会」の記録も保管されており、日光東照宮の歴史の流れを理解する事ができます。

     

     

     

    <11nikko 日光東照宮宝物殿2>
    東照宮を訪れる前後にこの資料館へ来ると、より歴史を深く知る事ができるでしょう。
    もちろん資料館には英語の解説も付いているため、外国人観光客にも楽しんでもらえます。こうした資料を保存、公開する事が観光地の盛り上がりをより高めるきっかけになるのではないでしょうか。

    徳川家の遺品や日光東照宮の設計図、実際に建物できるまでの工程などを詳しい歴史の解説を交えて知ることができ、江戸時代にタイムスリップしたような気分になりました。
    さらに現在、日光東照宮は平成の大修理の真っ最中ということで、どのように修復作業を行っているのか非常に気になっていましたが、そのことについても写真付きの解説が館内に設置されています。
    修復にあたり、ただ霞んだ色を上から塗り直すのではなく、建設当時の姿を取り戻すため技術者の方々が何度も試行錯誤されている様子は、本物の美しい東照宮の装飾を見た後に知ると感慨深いものがありました。
    日光東照宮を訪れた際は是非、資料館にも足を運んでみてください。

     

     

     

    日光へ多くの偉人達を招いた歴史ある鬼怒川の老舗ホテルを訪ねる

    さて、夜になってしまいましたが、直通の特急列車で東武日光駅から約30分、鬼怒川温泉へ到着しました。

     

     

    <12nikko 鬼怒川温泉>
    私鉄の場合は東武日光駅から東武日光線で下今市駅に行き、東武鬼怒川線乗り換えて、約35分で鬼怒川温泉駅に到着します。
    東武日光駅から東武観光バスで約30分で直接鬼怒川温泉へ向かうこともできます。

     

    <13nikko 大樹>
    最近ではこの駅にSL大樹がやってくるようになり、訪れた際、駅周辺は鉄道ファンで賑わっているとのことです。

    鬼怒川温泉駅で下車し、歩くこと約5分で老舗の金谷ホテルに到着します。

     

     

    <14nikko 金谷ホテル>
    金谷ホテルは1873年に建てられた外国人観光客向けにできた日本で最初のホテルのひとつで、ホテル事業の先駆けとも言われています。

    今回は旅の最後に訪れたので夜の風景になってしまいました。
    建築家のフランク・ロイド・ライト、科学者のアインシュタイン、女性活動家のヘレン・ケラーなど多くの偉人たちが訪れ、鬼怒川温泉と日光の観光を楽しんだと言われています。
    現在の建物は火災などの事故などによって再建されたり、リニューアルが行われるなどして、新しいものに建て替えられています。
    次回は是非明るいうちに訪れたいと思いますが、皆さんも鬼怒川温泉の老舗ホテルで体を休めながら日光と温泉街の観光を楽しんでみてはいかがですか。
    鬼怒川金谷ホテル 所在地:栃木県日光市鬼怒川温泉大原1394

     

     

    日光は江戸時代以降徳川幕府の後ろ盾を失い、以前の賑わいを失いつつありました。しかしその危機を乗り越えるべく日光の観光地化のため様々な施設が作られたのです。それは「日光の社寺」が1999年に世界遺産に登録されてからも変わらず、日光をより多くの人に知ってもらえる土地作りを行っていました。この地を訪ねた際は、歴史的建物はもちろん、近代の建物にも注目してみてください。