歴史的・伝統的文化のかやぶきと人々の暮らしを学ぶ 美山民俗資料館
かやぶきの里を真っすぐ進むと見えてくるかやぶき屋根の美山民俗資料館。
美山で調達された貴重な農工具や生活道具などが多く並び、昔の美山の人々の暮らしを体感することができる資料館です。
まるで昔話に出てくるような空間に誘われます。
この記事の目次
美山のかつての暮らしを体感できる歴史深い場所 美山民俗資料館
日本の原風景・かやぶきの里を訪れたら、ぜひ行っていただきたいのが美山民俗資料館です。
かやぶきの里の最寄りである「北」駅から徒歩で行くことができます。
民家の母屋や納屋、農工具など美山のかつての暮らしの展示やかやぶき屋根の歴史や構造について学ぶことができ、かつての暮らしを体感することができます。
美山民俗資料館は、2000年5月に不審火で一度消失しています。
2002年には復元されましたが、この火事をきっかけに、放水銃の点検や防火講習のため、春と秋の年2回かやぶきの里一斉放水を行っています。
入り口から入ったとたん目に入るのは、本当に人が暮らしているかのような民家の光景で、初めて来たのに懐かしい気持ちになりました。
ここ美山民俗資料館はこの地域の約200年前の中層農家住宅の形を残しています。
机の上にはお茶が用意されていて、おもてなしの心に心打たれました。
中に入ると、昔の生活道具や馬小屋、トイレなど興味深い展示が多く並んでいます。
ゆったりとした空間の中で、日本のすばらしい職人技を感じながら貴重な展示物が見れるのはここしかありません。
季節によって変化する美山の人々の暮らしとかやぶき屋根について
美山民俗資料館にて、地元の方に美山の暮らしについて様々なお話を聞かせていただきました。
美山の夏は快適で涼しく、クーラーがいらないほどだそうですが、冬は雪が降るため大変厳しい寒さなのだそうです。
12月ごろから雪がちらちら降り始め、お正月を過ぎたころから本格的に降りだします。
溶けないうちにまた降りだすので3月いっぱい雪は消えません。
雪をあまり見たことのない海外の旅人たちが、雪景色を一目見ようとこの時期も多く訪れます。
雪が降った際のかやぶき屋根の対策を伺ったところ、屋根に積もった雪は自然に落ちるため特にないとのことでしたが、
下に積もった雪の除雪作業が大変で、もう仕事のようなものだと仰っていました。
長年美山で生活しておられる方からこそ聞ける貴重なお話は驚きの連続でした。
気候によるかやぶきへの影響 美山の人々の暮らしと自然の深い関わり
地震や台風によるかやぶき民家の影響を地元の方に聞いてみたところ、
地震はほとんど来ず、台風も影響はないとのことでした。
しかし、雨は頻繁に降り、お正月を過ぎた冬の時期はほとんどが雨・くもり・雪で、晴れている日は月に2、3回なのだそうです。
ところが、かやぶき屋根はかなり頑丈な造りのため、雨漏りは絶対にしません。
とは言ってもデコボコやコケが増えるため30年に一度葺き替えをしています。
昔は45年に1度だったそうですが、屋根の寿命が短くなってきているため現在は30年になりました。
なぜ短くなったのでしょうか
昔は火を焚いて煙を出し、かやぶきの中にいる虫を殺していたという話が印象に残りました。
所在地 : 京都府南丹市美山町北中牧4
美山民俗資料館では、昔ながらの人々の暮らしを体感でき、かやぶきの歴史を知ることができました。
静かな環境の中で、貴重な展示を見ると、まるで昭和時代にいるような感覚に。
慌ただしい現代でこのような雰囲気が味わえるのは、心が休まり新たな気持ちになるのではないでしょうか。