旅のスタートは鎌倉で日本の歴史を感じるお寺と おせんべい で
鎌倉五山。京都五山に対して言う言葉で、鎌倉に実在する臨済宗の5つの寺のことを指します。
五山官寺制度が中国南宋時代より存在し、北条氏により日本にもたらされました。
五山には、茶道や精進料理などの文化が根付き、現在観光客が体験できるお寺も多いです。
そんな鎌倉五山を、歴史になぞらえながら紹介します。
この記事の目次
これぞ鎌倉の代名詞「円覚寺」を歩き 旅のスタートを彩りませんか
円覚寺は、北鎌倉駅を降りてすぐ目の前にある大きなお寺です。
目印は大きな円覚寺と書かれた石です。
涼しげな杉木立の階段が、私たちをやさしく迎えてくれます。
その先に見えるのは総門です。
円覚寺は、鎌倉時代後半の1282年に鎌倉幕府の執権北条時宗が宋より招いある禅師によって開山され、現在も当時の趣を残したまま、そこに建っています。
総門を抜けると山門が迎えてくれます。
精巧な造りに圧倒されます。
楼上には十一面観音、十六羅漢像などが安置されているそうです。
三門は三解脱さんげだつ(空くう・無相むそう・無願むがん)を象徴するといわれており、諸々の煩悩を取り払って涅槃・解脱の世界である仏殿に至る門とされています。
山門をすすみ仏殿に到着しました。
本尊は宝冠釈迦如来です。
仏殿前には、市天然記念物で、禅宗寺院の特徴の一つで前栽の名残である柏槇(ビャクシン)の古木が植えられていました。
奥に進むと大方丈(ほうじょう)があります。
本来は住職が居住する建物を方丈とよびますが、現在は各種法要の他、坐禅会や説教会、夏期講座等の講演会や秋の宝物風入など、多目的に使われています。
円覚寺は毎週座禅会や写経会を行い、人々に僧の精神を残し続けているそうです。
所在地 : 円覚寺 〒247-0247 神奈川県鎌倉市山ノ内409
北鎌倉に現れるおせんべい屋さん その佇まいに 足を止めてしまう
大方丈を過ぎると、光明池(こうみょうち)に当たります。 こけむした素敵な池は日本ならではの落ちついた空間となっています。
向こう岸の露出した岩盤を虎の頭に見立てて、「虎頭岩(ごとうがん)」と呼ばれているようです。
秋は紅葉、春は桜が境内を彩ります。 四季折々を感じながら、静かに旅のスタートを切りませんか?
踏切を眺めながらお寺の散策ができるので、古今の風景を同時に楽しめる、もってこいの場所です。
秋は紅葉が咲き乱れるので、真っ赤な景観が見事です。四季折々の風景を感じましょう。
北鎌倉を降り、円覚寺から鎌倉駅へ向かって歩いている途中に現れるのが、不思議なおせんべい屋さん。
思わず、「素敵!」と声をあげてしまう事間違いなしの景観です。
このおせんべい屋さんは、「雷神堂」という名前で、創業33年だそうです。
都内でも何店舗か店を構えており、少々お値段は張りますが、安さよりも手焼きと原料にこだわった美味しいおせんべいです。
寺めぐりには最適のおせんべいの食べ歩き、是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
鎌倉のまちの風情に負けず劣らずして門構えと、周りには何のお店もない場所に突然現れるバッタリな出会い。
日本人が昔から親しんだおせんべいを頬張りながらの旅。素敵なスタートが切れそうではないですか?
所在地 : 神奈川県鎌倉市山ノ内145
ほてい様のいわれを知り温かい浄智寺で鎌倉の歴史を身近に感じる
鎌倉五山の第4位とされている浄智寺。
北条時政が弟の菩提を弔うために建てたお寺です。
しかし、度重なる天災により今はほとんど崩壊し、だいぶ建物が減ってしまったとか。
それでも広いお寺で、当時を思わせる風情ある建物や品にあふれています。仏殿は大きく厳格ななりで私たちを迎えてくれます。
開放感があり、優しい色合いなのが特徴で、時期を選べば紅葉とともに歓迎してくれるお寺でもあります。
奥に進むと仏殿があります。
本尊の三世仏を安置する曇華殿。仏殿は「曇華殿」(どんげでん)と呼ばれています。
「かまくら通」情報としては、墓地の奥にひっそりとたたずむ「ほてい様」の像。
七福神のうちの一つで、家庭円満などの神様です。
このほてい様、前の指さして笑っており、まるで自分が笑われているような錯覚に。
「宝はお前の目の前にある」と教えてくれているのです。
ほてい様のお腹を触ると、元気がもらえるという言い伝えもあるので、ぜひ触ってみてください。
所在地 : 浄智寺 〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内1402
日本の歴史は、京都に劣らず、また、京都とは一風変わったこざっぱりとした「武士」の精神を感じることができます。
華やかだけが歴史ではない、そんな声が聞こえてきそうです。
質素で飾り気のない、でもひたむきさが伝わる、鎌倉の町。